November
04
2017
―また来年も来てや!―
思わずその言葉に頬がほころぶ。
村山事務所のインターン生活も残りわずかだ。この夏は光のように過ぎていった。ポスティング、議員同行、勉強会、地域行事、政務調査…。本当にかけがえのない時間だった。その中から、私なりにこの村山祥栄事務所のインターンを通じて「変わったこと」を書いていきたいと思う。
私は元々、人と話すことが好きではなかった。その理由は、人と話すたびにその人から発せられる魅力や能力、良さという光を当てられるからだ。その光は私に自己嫌悪という形で襲い掛かってくる。どうしてもそれが辛く、逃げ出したくなる。しかし、どこにも逃げ場はない。だから、人と話すことが嫌いだった。
村山議員が普段から言われていたことがある。
「人はどうしても欠点に目が行く。だから、意識的に利点を見つける。これが大事。」
今まで、人のいい所を自分の中でネガティブに変換していたのだ、と感じた。
インターンの中で人と接する機会はとてつもなく多い。さらに人の幅も広い。会社の社長さん、土木のお兄ちゃん、料理屋さん、地域のおっちゃん、おばちゃん…。
たくさんの人に会う中で、私が意識したことがあった。それはできるだけ、その人のいい所を探す。表情、口調、身振り手振り、話の仕方・内容、目線、なんでもいい。なんでもいいから探した。それに徹した。そこから余裕が出てくると、自分ができそうなことから実践していった。話す人と目を合わす、うなずくという基本的なことから、わざとリアクションを大きくする、その人が何を話したいかを聞きながら考え、質問するなど。できそうなことはすべて試していった。
幸いにもインターンの中で試す機会は多かった。例えば、地域にポスター貼りをするときにはおっちゃん、おばちゃんに会う。支援者の方にも会う。まったく知らない人のいい点を見つける。実践する。もちろん、上手くいかない時のほうが多い。なかなか自分の思い描いている通りにならない。自分に苛立ちもあった。もっとこうしておけば…。しかし、回数を重ねるごとに快く話してくださる人の割合は増えていった。
区民運動会。老若男女が運動、スポーツを通じて心を一にできる場だ。そこは多くの子供たちで賑わっていた。私は運動会のお手伝いとして伺った。
今まで会ってきた大人の方々とは違い、小学生と話すのはまた別格だった。
小学生の女の子「カントリーロード♪」
私「カントリーロード好きなん?」
小「学校の学芸会で歌った!」
私「そうなんや!ジブリにもその歌がメインテーマの映画あんで~」
小「へ~知らん」
私「思い出ぽ…」
小「知らん」
私「確か…」
小「知らん」
本当に小学生のパワーは凄まじい。高校生の頃なら泣いていた…。
それでも「ほんまかわええやっちゃな!」と頭をよしよしするときゃっきゃと喜んでくれる。その人によってコミュニケーションの方法を変える。ということも、小学生から学んだ。
「また来年も来てや!」
その子の笑顔が夕日に照らされ、よりまぶしい。
彼ら、彼女らから元気をもらい、善意に照らされる。私も心を育み、誰かを笑顔にしたい。
人の魅力、能力、良さに照らされ、嫌悪する自分はもういない。
立命館大学 文学部 3回生
三田村 慎一郎