November
02
2017
―村山事務所は何かが違う―
「何がちゃうんやろうか…?」
事務所選びに迷っていた私が、最初に感じた率直な感想だった。
3回生になり目まぐるしく学生生活の環境は変わっていく。就活、ゼミ、公務員講座、インターン、サークルの引退、2年間続けた教職を辞める…。新しい出会いと別れの中で、自分の価値観、人間性に嫌気がさした。
「なんでもいい。新しいことを始めなければ。」
そう思った。決して、ポジティブな動機ではない。
気づけば、私は議員交流会に参加していた。たくさんの議員がいる中で、たまたま最初に座った場所が村山事務所。
「公務のため本人は欠席です。」と告げる担当者。私は、たわいもない会話を秘書さんと交わした。家に帰れば、カバンの中に溢れる多種多様な議員の資料。今日のことを脳内で反芻しながら資料を眺めているとある文字に目が留まった。
「村山事務所は何かが違う」
興味を惹かれた。議員本人の情報を見ても、地域政党・京都党代表、市会議員、市長選にも挑戦したことがある…。ますます分からない。これは自分の目で確かめるしかない。特に志望のなかった自分の中で、夏、行きたい事務所が明確に決まった。
「何かが違う」
この一端はすぐに分かった。村山議員と初めて会った日、私も含め、インターン生が議員の何とも言えない凄みに飲み込まれた。その凄みのせいか、あの日にどんな話を聞いたかは覚えていない。ただ、「この人とやったら、めっちゃええ夏送れそう。」そう感じたことは鮮明に覚えている。かくして、村山事務所での2か月のインターン生活が始まった。
議員同行。私が村山事務所で初めて経験したインターンの内容だ。この時のことは事細やかに覚えている。初めての会話、どこへ行ったか、昼ご飯は何か、社会人としての礼儀について、好きな本の話…これほど、緊張し、けれど楽しい時間はなかった。この中でも心に残っているのが、私がどんな人か、という話だ。人は誰でも自分の話となると気になる、記憶に残ると思う。私は、特に周りからどう思われているのか、どういわれているのか気になる性分なのだ。だから、恥ずかしいことに自分についての会話は特に覚えている。
「君は周りから好かれそうやな。愛されると思う。」
真っすぐ目を見て、さらっと言われた。私は正直、根暗なところがある。その性格で、周りの人を傷つけてしまったこともある。しかし、初対面で、正面からそう言われると嘘であっても嬉しかった。人からそんなことを言ってもらえるのが初めてだったから、余計にそうだったかもしれない。私ってどんな人なん?
議員インターンで自分の性格を見つめなおす機会があるとは全く思ってもみなかった。
―何かが違う―
インターンを通じて、その違いに気づくことができれば、きっと2月後にはまた違う自分に会えるのではないか。
立命館大学 文学部 3回生
三田村慎一郎