こちら村山学生部「久多松上げ」

August

23

2016

久多松上げ

はじめまして、27期インターン生の原田大輝と申します。現在、立命館大学に在学中です。

8月23日に同行させていただいた内容の中で、特筆すべき京都の祭り、松上げについての感想を紹介します。
晩夏から秋にかけて京都では、五山送り火をはじめ、火に関する祭りが多くなります。
その中で今回、同行し観賞させていただいたのが左京区久多宮の町の松上げ。
松上げでよく紹介されるのは同じ左京区の広河原地区や花背地区です。それらに比べて久多の松上げの規模は小さくなりますが、行事の内容自体はほぼ同じです。

松上げの行事をひとことで紹介すると、灯籠木(とろぎ)と呼ばれる10~20メートルの柱の先端の傘へ向けて、松明を投げ上げる行事。もっと簡単に言うと、火の玉入れでしょうか。誰がはじめに傘に入れ、着火させるか競い合います。

午後8時頃、村の男性らを中心に、火の点いた松をいっせいに放り上げます。橙色の火の玉が暗闇を背景に曲線を描くさまは圧巻です。ただ、松を投げ上げる作業は難しく、ある程度の練習が必要だとか。下から投げられる着火した松が、灯籠木の傘の近くを通過するたびに、見物する人達から「いったか?」「おしい!」といった声があがります。
開始から15分経たないくらいに、灯籠木に無事点火し煙が広がります。そして燃え上がる前に灯籠木を一気に引き倒すのです。広場の地面に打ち付けられ、火の粉が飛び散る瞬間は衝撃的な映像でした。市街地より涼しかった夜の久多も、そのときはどことなく気温が上がったように感じました。
20分ほどで終了した久多の松上げ。保存会の方々からは「来年もがんばろう!」そんな声の掛け合いも見受けられました。室町時代以前から続く祭り。過去を背負いながら、同時に未来も背負う。ほんの小さなコミュニティのそうした結束を私は目の当たりにしました。しかし祭りに参加している若者が少ないように思います。同じ若者の自分としてはどうしても気がかりでした。政治や社会も未来を真に背負わなければならないのは、年配者ではなく、若者です。

今回は恐縮ながら、祥栄さんはじめ、市会議員や府会議員などの方々と同じ場所から拝見させていただき、そこでしか見ることのできない景色もありました。どこの現場へ行っても、好奇心と学ぶ視点を忘れずにこれからも励んでいきたいと思います。