前代未聞の「チクったら(告発したら)処分?!」
私に情報提供した人間を、犯人扱いし、犯人捜しを今なお続ける京都市。遂に警察に刑事告発すると。組織の不正、間違いは必ず起こる。それを正したいと内部告発したら処分されるとしたら誰も通報しなくなる。内部告発をする人間を探して処分しようなど言語道断。公益通報制度を根幹から揺るがす由々しき事態。村山に協力したら痛い目にあうぞという見せしめか。この行為により損なわれる将来の利益の大きさを理解すべきだ。こんな恐怖政治許されていいわけないやろ。
(以下、京都新聞転載)
京都市、児相記録流出で告発へ 専門家「通報者が萎縮」
京都新聞 12月4日(金)23時25分配信
京都市は4日、職員が児童相談所の相談記録を市議に漏えいした可能性が高まったとして、容疑者不詳で地方公務員法(守秘義務)違反容疑で、京都府警に刑事告発する方針を明らかにした。議員への情報提供を理由に公務員を守秘義務違反で告発するのは異例とみられる。市は「子どものプライバシー侵害を重くみた」とするが、専門家は公益通報者保護の観点から慎重な対応を求めている。
民間の児童養護施設の施設長が入所者の少女にみだらな行為をしたとされる児童福祉法違反事件を受け、村山祥栄市議(京都党)が10月の市議会で、少女に関する相談記録を根拠に市の対応の遅れを指摘。市は相談記録の流出を重く見て、児相などの職員145人から聞き取り調査を行ったが、全員が村山市議へ渡したことを否定した。
内部告発者への不利益処分を禁じる公益通報者保護法では、議員や報道機関などへの外部通報も保護対象に含まれる。市は調査の結果、外部通報した場合に保護対象となる「急迫した危険がある」などの5要件には該当しないと断定した。
同法で定める「公益通報」は、罰則規定のある法令違反を告発する行為を指すが、児童福祉法では仮に児相職員の対応が遅れても罰則はなく、市は「今回の件は公益通報には当たらず、児相への信頼を大きく裏切る行為」と判断し、刑事告発を決めた。
ただ同法を管轄する消費者庁は「要件を満たしていないから保護しなくても良い、との考えは法の趣旨ではない。守秘義務違反に当たるかは個々の事情を司法が判断する」という。
村山市議は「このやり方では内部告発をするなと言っているのに等しい」と批判し、「通報者の保護に努めたい」と話している。
■通報促す運用を
公益通報者保護法に詳しい浅岡美恵弁護士の話 通報者を保護する対象が非常に限られており、法には不備がある。形式的に法の要件に当てはまらないことを理由に持ち出し行為を処分すれば、通報者への委縮効果を及ぼしかねない。法の趣旨を生かし、通報を促す運用が求められる。行政としては通報者が訴えたかったことを調べることが一番大切だ。
新たに事実が朝日新聞の取材で明らかになった。
今回のごたごたの中で、役所内で犯人探しをした際、内部資料を閲覧した職員を発見し、停職処分にした。が、事実は、ただ閲覧したのではなく、公益通報に使用する為に使用したことがこのたび明らかになった。
つまり、、、公益通報者そのものを処分したということになる。
しかし、公益通報者保護法では、刑事罰が課せられる法令違反の通報でない限り、行政が法に違反している通報でも保護法の保護対象にならないと規定されていることを盾にとって、妥当な処分だとしている。
こんなことがまかり通るならもう誰も公益通報制度など信じないぞ。通報者は通報内容が刑事罰になるかどうか、公益通報者保護法の保護対象かどうかまで理解していないと通報できないことになるではないか。
恐怖政治極まれり。誠に遺憾である。
(以下、朝日新聞転載)
京都市職員「公益通報に使用」 担当外資料持ち出し停職
朝日新聞デジタル 12月5日(土)3時34分配信
担当外の内部資料を無断で複写して外部に持ち出したとして、京都市は4日、市の児童相談所に勤める男性職員(44)を停職3日の懲戒処分とした、と発表した。資料は京都市内にある民間の児童養護施設の施設長(事件当時)が逮捕された児童福祉法違反事件に関するもので、朝日新聞の取材に応じた職員は「資料は公益通報に使った。公益通報者保護法で守られるべきで、処分はおかしい」と話している。
京都市によると、職員は今年1月ごろ、児童相談所内のパソコンに記録されている内部資料を印刷し、外部に無断で持ち出したという。職員はこの資料の担当者ではなかった。
一方、職員の説明によると、持ち出した資料には事件の被害者とされる少女の母親が昨年8月、児相に対して「子どもから『施設長と外泊する』というメールが届いた」と伝えていたことが記されていた。だが、児相が性的虐待とみて調査を始めたのが約4カ月後の昨年12月だったため、職員は今年3月、持ち出した資料に基づいて京都市の公益通報窓口の弁護士に「調査が4カ月間放置された」と知らせた。
児童相談所をめぐる一連の処分について、公益通報の考え方と議論の過程を、実は10月議会最後の日に討論をしております。討論の抜粋を転記しておりますので、ご興味ある方はご覧ください。
(以下、討論の抜粋)
次に先般の市長総括でも指摘を致しました児童養護施設を巡る事案についてであります。本日はプライバシーに掛かる部分は控えさせて頂きますが、こういった審議を進める際、プライバシーの取扱いについては慎重に取り扱うべきものであり、それらについて先に触れておきたいと存じます。
一部でプライバシーを侵害しているという声も聞いておりますが、今回の場合、すでに府警発表より報道されていることが中心であり、議事では事件に掛かるその前段の話、またそれに付随する審議に必要な最低限の情報であり、このために新たに発生したプライバシーの侵害はないと理解しております。また、ご承知のとおりプライバシーの問題は公益性の確保および被害者の利益とのバランスの問題であり、この事案が公益性を持たない取るに足らないものと断じることができない限り、一方的にプライバシーの侵害にあたると断じることはできないわけであります。その点も含め、しっかりとこの問題の真相を明らかにすることが肝要なのでありますが、行政当局はプライバシーの保護を理由に、私が委員会で要求した資料は出てこず、教育福祉委員会の要求資料をそのままコピーして頂いたのみでありました。行政の不作為や不適正な執行を調査することは議会の重要な責務であります。これがプライバシー保護の観点から、調査が行き詰まることは今に始まったことではありませんが、これを機に議会は秘密会による手法も含め、真相究明できる仕組みを考えていく必要があろうかと思います。これは問題提起として申し上げておきます。
それともう一点、今回の審議の中で気になりましたのは、職員の守秘義務に関する考え方についてであります。公務員の守秘義務は地方公務員法34条に明記された重要な条文でありますが、法律上守秘義務が課せられておりますのは、「正当な理由なく」という前提があります。つまり,守秘義務違反であるかどうかは、秘密を漏らすに正当な理由があったかどうか、その点に掛かっている。よって,そこを明らかにする必要があります。今回の事案に関して言えば,「隠ぺいされた行政の不作為を明らかにし,ただすこと」。これは紛れもなく正当な理由にあたるのではないでしょうか。また、一方で刑事訴訟法第239条二項で「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」という、公務員には守秘義務の真逆、告発義務を課しております。これは業務にあたって法令違反、犯罪があると解されるとき、公務員は告発する義務をおうというものであり、この場合児童虐待防止法に反すると解し行動されたものだとすれば、その点も同時に考慮しなければなりません。確かに機密情報が流出したことは憂慮すべきことであることは理解できますが、一定それらの情報なくして内部告発は成り立たないことも同時に考慮すべきと解します。普段より皆様同様議員の元には多く告発が寄せられます。その中には意趣返し的なものや私的なもの、真実を都合よく捻じ曲げられたものなどが多くあり、我々はその告発の信ぴょう性を確認し、相談者と向き合うのが常であります。その際に一定信ぴょう性の高い、信頼に足る情報がなければ我々は適切な対応が出来ませんし、告発者からするとその為に危険を冒してでも我々を動かすに足る材料を用意しようとするのは告発という性質上当然の処置であり、それが良心に基づき、組織の不作為、違反を公にする行為であったならば、それは責めを負うべきものではありません。
行政も含め組織は肥大化する中で、どうしても不作為が起こりえます。法令違反も起こりえます。だから、国は公益通報制度などを設置し、組織内で自ら浄化する仕組みづくりを考えました。それは、通報した方々、告発した方々は守られるという前提でなければ成り立たない話であり、犯人捜しをするなどということがおおやけになれば、今後、勇気ある、正義ある職員の登場は望めないことになります。このたび、情報が寄せられたのは議会の一員である私のもとでありますが、それは公益通報や監査事務局に準じた立場で、内部の人間が内部の人間を調査する公益通報よりも、庁内の不正はチェック機関たる議会がしっかりと向き合ってくれるだろうという職員の期待感の表れであり、それが今回は偶然私の元に届いたに過ぎず、その責務を議会は果たすべきではないかと考えております。
本件は公益通報ではありませんが、その精神は共通する考え方であり、保健福祉局は告発者に対し厳しく対処するとの旨を表明されておりますが、これは公益通報者保護法に定められた通報者の保護の精神にそぐわない考え方であり、重大な発言であります。
これらを十二分に踏まえ、本件については適切な処理を求めるものであります。
さて、本題でありますが、その後の保健福祉局の質疑および委員会提出資料によりますと、警察が逮捕に至る事件直後の通報は虐待を疑うに十分値する通報であり、虐待を疑うべき通報が議会に報告された日時を遡ること4か月前前に通報があったという事実は保健福祉局も認めるところであります。これは虐待への初動対応に大きな瑕疵があると言わざるをえません。逆に虐待と捉えて対応したとすれば、事件はそのときからはじまり、当局が議会に報告している経過報告とは大きく食い違うわけであり、そういった経過を含め正確に議会に対し説明責任を果たすべきでありました。
同時に、既に教育福祉委員会に提出されている説明報告につきましては、疑義を私自身もっておりますが、これまでの委員会等の指摘を踏まえ、これ以上プライバシーの問題を公開の場で議論することは今後も含め適当でないと解し、これ以上の指摘は差し控えさせて頂きますが、今回の調査を進める中、他の関係者から「今回の一件は氷山の一角に過ぎない」といった声も寄せられ私は愕然と致しました。実態はそんなことはないと信じたいですが、これらに対処できるのは、行政以外になく、児童相談所の責務は誠に重いと言えます。二度とこのようなことが起こらぬよう、虐待の初動対応の再点検等の抜本的対応の見直しと児童福祉司の増員をはじめとした徹底した機能強化を強く要望しておきます。
(報2号平成26年度京都市一般会計歳入歳出決算についての討論より抜粋)
昨年から続き、児童相談所の情報流出問題について、京都党は市長宛に申し入れを行いました。
分かりやすく言うと、今回の京都市の大罪は二つある。ひとつは情報流出された人を探した行為、もうひとつはそれとは別に公益通報をした職員を処分した行為。それぞれ、通報者の詮索、報復行為にあたり、公益通報をして不正を正そうとする人が萎縮してしまう懸念が高いからだ。
ましてや、今回の京都市の対応は消費者庁でも具体的事例として問題視されており、有識者からも懸念の声が挙がっている。議会でも私の参考人招致を行われたが、これらの問題について反論の声などは出ていない。公益通報するために資料を閲覧し処分された職員も不服申し立てを行っている最中だという。
未だに犯人探しの告発を諦めていないようだが、早々に撤回し、これ以上公益通報制度の法の精神を冒すことのないように是非努めて頂きたい。