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首都圏被災に備える。京都から未来の国難に向き合う「副首都構想」

副首都構想

(写真:危機管理都市推進議連による副首都パース)

副首都構想 3.11以後、大規模災害時の首都のバックアップ機能の必要性は日に日に高まっています。
東京という街は、驚くべきことに皇居を中心に、皇室、行政(霞が関官庁街)、政治(国会・首相官邸)、防衛拠点(防衛庁・市が谷)、経済中枢(丸の内・大手町)すべて3キロ圏内に位置しています。
しかも、国の中央防災会議は「M7クラスの地震が30年以内に東京を襲う確率は70%」という恐ろしい数字を発表しています。機能中枢の集積度合いが著しく、震災や何らかの攻撃によって我が国の活動がストップしてしまうことは言うまでもありません。事実、9・11同時多発テロでニューヨークの株式債券市場はストップ、金融機能は麻痺、資本は安全な債権や地域へ移行し、その後アメリカは大きな打撃を受けました。日本からも東北大震災以降、外資がどんどんと流出しています。
ドイツのミュンヘンにある再保険会社レポートによれば、「世界大都市圏の自然災害リスク指数」(災害危険性、脆弱性、資産)の1位は東京、2位サンフランシスコ、3位ロサンジェルスで、しかも、東京のリスクはサンフランシスコの4倍、ロスの8倍と突出したリスクを抱えています。
この危機に対して何らアクションが無いかと言えばそうではありません。国では、副首都構想(通称ネーミック構想)という非常時・災害時のバックアップ機能を果たす都市の構築を目指す動きが国会議員を中心にあります。そこには、安部総裁、海江田代表も参加し、超党派で推進されています。
また、この首都機能の移転に猛反対されてきた東京都知事も賛成の立場です。
さて、その中身ですが、既に候補地は関西と言われています。それは、バックアップオフィスになるホテルや施設が多数あることや、首都圏と同時被災しないこと、代替可能な施設機能が集中した都市圏であること(金融、情報、ビジネス拠点、外交窓口、皇室施設など)という点から関西に絞られています。さらに具体的な候補地は伊丹空港跡地案や、けいはんな学研都市案といった関西の中では京都に最も近い、京都にとっては大変魅力的な構想であるのです。
この機運が高まった24年、京都市では京都首都機能バックアップ方策検討委員会を24年4月に設置し、6月に中間まとめをするというスピーディーな意見集約を行いましたが、その後なしのつぶてです。
京都市は近年、双京構想という両都制を提唱しています。そこには、皇室の京都移転、文化庁・観光庁の移転、国立京都国際会館の機能強化、リニア京都ルートの実現などを謳っておりますが、まさにこれらと副首都構想とは相互補完関係にあるのです。例えば、リニアが京都を通っているから副首都として役に立つとも言えますが、逆に副首都だからリニアが必要だとも言えます。これほど京都にとって魅力的な構想は無いのではないでしょうか。
そして何よりこの議論は、日本の非常時という国難に京都がどう向き合うかという問題なのです。
市民への機運作り、国、広域連合への要望をどんどんやるべきです。また、私は外国大使館補完機能、大学等学術機関、国際交流施設、留学支援機能も京都で出来るのではないかと思っています。これらも踏まえて、中断されている委員会も即日再開をし、議論すべきです。また、京都で皇室の避難を引受けたいというのであれば、今この瞬間に震災が起きたとしても、明日にも京都で陛下をお迎えできる備えを我々はしなければならないのではないでしょうか。そうした備えをしっかりやった上で、国に対して要望をしていくべきだと市長に提言を致しました。

「世界大都市圏の自然災害リスク指数」
「世界大都市圏の自然災害リスク指数」