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職員の不祥事に際し、8月の臨時議会で示された「信頼回復と再生のための抜本的改革大綱」は今日の京都市の信頼回復のみならず、行政改革を大幅に前進させうる大変よく出来た計画である。不祥事を根絶させ、今後市民が誇りを持てる京都市の運営に向け、当大綱を妥協することなく、着実に確実に最速で完結させるよう強く要望する。
「信頼回復と再生のための抜本改革大綱」につきましては、平成18年度末までを「不祥事根絶に向けた強化期間」と捉え、全庁挙げて、全力でその実践に取り組んでおります。
引き続き、職員の更なる意識改革に向けた取組を強化しますとともに、年度内には、大綱に掲げる58の改革策のすべてに着手し、平成18年度末には大綱の到達状況について一定の総括ができるよう、今後とも、全庁一丸となって取り組んで参ります。
欧米型ニューパブリックマネジメント手法は行政組織のスリム化と活性化の有効的な手段とされ、近年、京都市も含めた自治体で研究実践がなされている経営手法である。
現在の行政運営をみるに、まだまだこの経営手法が根付いているとは言えず、取り組むべき課題は山積している。
顧客志向という観点では近年大幅な改善が見られているが、未だ十分とは言えず、また、競争原理という観点では、意識も薄いと感じる。民間企業及び自治体間での比較検討(ベンチマーキング)を促進させ、更なる改善努力を講じて頂きたい。
その他、成果主義、権限委譲等については後述するが、まず、NPM手法を効率的に用いた行革を行うことを強く要望する。
本市では、平成13年2月に策定致しました「京都新世紀市政改革大綱」におきまして、「補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担の改革」と「NPM理論に基づく行政経営システムへの改革」を改革の基本理念として掲げ、行財政運営全般にわたる構造改革に取り組んで参りました。
さらに、平成16年7月に策定致しました「京都市市政改革実行プラン」におきましてもこの理念を継承しております。
本市におけるNPM理論に基づいた取組と致しましては、顧客志向として市民応対窓口サービスの質の改善と向上を図る「市民応対窓口サービス評価制度」等の実施、市場メカニズムの活用としてPFIや指定管理者制度等の手法も活用した民間活力導入の更なる推進などに取り組んでおります。
今後とも、これまでの取組を継続、発展させ、更なる市政改革に取り組んで参ります。
行政に成果主義の導入を検討するという声が多い中で、その前段となるものが、人事評価である。
既に京都市もいち早く人事評価を行う基準として目標管理制度は現在、管理職以上を対象に導入をしていることは評価に値するが、目標管理制度はあくまで全職員に導入してこそ十分な役割を果たせるものであり、岐阜市をはじめとした先進自治体に遅れを取らぬよう早期に全職員を対象に行うことを要望する。
ただし、目標管理制度の課題は、評価する側の評価基準の平準化であり、一つ間違うと全く逆の方向へ向かいかねない制度であることから、十分な評価体制がとれることが全職員導入における絶対条件である。
この精査を十分行い、公正公平な目標管理制度となるように順次導入に向けて取り組まれたい。
目標管理制度の課長補佐級以下の職員への実施につきましては、課長級以上の職員への実施結果の検証も踏まえ、現在、研究・検討を進めております。
また、評価基準の平準化につきましては、制度の試行実施を開始した平成16年度から評価者に対する全員研修を実施し、円滑な制度運用を図って参りました。
今後も、引き続き、研修の徹底等により、評価者のスキルアップを図り、公正公平な目標管理制度の実現に取り組んで参ります。
成績主義の導入はもはや公務員制度改革大綱で示されているように、時代の流れといっても過言ではない。
目標管理制度は、評価をするだけに留まらず、評価を何らかの方法で反映することが原則であるが、急激な成績主義、成果主義の導入は、現場に大きな波紋と様々な問題を併発する可能性が高いことを鑑み、まずは期末手当および勤勉手当に対し目標管理制度による評価をもとに緩やかな成績主義の導入を要望する。
無論、上記項目同様、十分な評価体制の確立が前提である。
成績主義の導入につきましては、「職員の意欲を高め、市民サービスの向上に資する」という観点から、職務・職責をより重視するとともに、勤務実績を考慮した給与制度について、勤務実績反映の在り方など、勤務実績をより考慮した給与制度の研究・検討を進めているところです。
なお、御指摘のとおり、公正・客観的な評価を行うことのできる体制、すなわち人事評価制度の整備がその前提となります。人事評価制度につきましては、管理職について、2年間の試行を経て平成18年度からは本格実施に移行しており、この評価結果を昇任選考や配置換えに活用しているところであります。
都市経営総研のアンケート結果では、52%の方が減点主義が公務員の積極性を失わせると回答している。
一刻も早く、役所意識からの脱却が求められ、信賞必罰を徹底させ、民間同様やる者が報われるシステムを構築すべきであり、それこそがひいては「自ら考え自ら動く」政策形成能力の向上にも繋がると思われる。
年功序列からの脱却は、年々加速傾向にあり、これからの自治運営はフレキシブルな人事が求められる。他都市事例にもあるような2段階昇任等の推奨は、職員の意識向上にとって、大変大きな影響を与えるため、至急に職員任用規則を改正し、係長職以上の能力による昇任を促進されたい。
抜てき人事につきましては、本市では、いわゆる役所意識からの脱却を図るため、従来からの慣例や形式に捉われない柔軟な発想と実行力を持った職員を、これまでから積極的に登用して参りました。
その一例としまして、医師や消防職員の区長への登用、幹部職員への若手の抜擢,女性職員の積極的登用などを行っております。
今後とも、職員の意欲や能力の更なる向上を目指し、柔軟かつ積極的な人材の登用に努めて参ります。
現在の庁内の職員の意識改革に取り組むスタンスは高く評価できるが、民間企業と比較をすると残念ながら自浄能力の低下は否めない。
外部の人材登用を更に積極的に行い民間の感覚、感性をはじめ民間が取り組んでいる改革における様々なノウハウを吸収していくことが改革を加速させるうえで必要不可欠であり、影響力の強い特に課長級以上の管理職へも門戸を広げていくべきである。
同時に、財政難であるということもあり、低コストで高い効果が期待できる期限付き職員をうまく活用することも併せて要望する。
社会人経験者採用枠の拡大・期限付職員の採用につきましては、本市では、これまでから市民ニーズの高度化・専門化に対応していくため、「民間企業等職務経験者採用試験」の実施や公務部門内では得られにくい高度の専門性を備えた外部の人材の登用を積極的に行ってきております。
平成14年度には、ペイオフ解禁に対応した公金管理を行うため『金融専門員』を、また、平成17年度には、地球温暖化対策や本市環境行政に関する指導、助言を求めるため、『環境政策顧問』に民間からの人材を登用致しました。
今後とも、一般職の任期付採用制度の導入等を含め、外部からの更なる人材の登用について、引き続き検討して参ります。
現在ある経営改善手法の中で、経営改善と職員の意識改革を並行して行えるベストプラクティス(優れた取組)の発掘作業は、日産の販売改善といった事例を筆頭に民間企業の間でも極めて有効であることが証明されている手法である。
特に福岡市におけるベストプラクティスの取組はDNA運動という名前で、大きな成果を挙げている。職員の意識を最大限に引き出し、現場の声を具体的に市政に反映させていくことは、京都市にとって大変有効であり、それは人的資源を有効に活用することを意味する。
現行の提案制度は、その礎になるものであり、もったいないプロジェクト等着実にその取り組みは前進を続けている。おおいに研究され、本当の提案制度が根付き、京都市職員が高い意識を持って職務に専念できるようになるよう、引き続き全力を挙げて取り組むことを強く要望する。
職員提案は、職員の創意工夫と意欲の高揚を促すとともに、市政各般の業務改善、能率向上を図るうえで重要なものであります。本市におきましては、従前から実施する職員提案制度に表彰部門の新設などの制度改正、提案推進月間の設定、イントラネットによる周知等の改善を行い、職員の関心や提案意欲を高め、職員提案の促進を図っております。
また、平成13年度からは、民間企業の改革手法であるTQM(Total Quality Management)の手法を応用して、全職員が一丸となって京都市役所の制度、仕組みや仕事の仕方を改革、改善する「プラス・アクション21」の取組を導入し、各職場において、役割(使命)に応じた目標(テーマ)を定めて、所属長を中心に職員全員が話し合い、各職場でできることからの業務改善運動を実践しています。この取組を支援するため、各職場での取組のヒントや参考となる庁内の優れた業務改善活動を紹介する庁内誌「ほっぷ・すてっぷ」を発行しています。
さらに、「プラス・アクション21」の平成17年度以降の重点取組として、斬新なアイデアの実現や庁内の優れた業務改善活動の全庁的な浸透等により市役所全体での経費、時間、資産等の有効活用を図り、更なる市民サービスの向上、ひいては地球温暖化対策にも貢献するため、平成17年8月に若手職員で構成する「もったいないプロジェクト」チームを設置しました。そして、平成18年7月に同チームがまとめた「もったいないプロジェクト検討報告書」の提案につきましては、今後、全庁的にできる限り実現する方向で取り組むこととしています。
今後も、引き続き、職員の優れた取組を掘り起こせるよう、職員提案制度や「プラス・アクション21」の更なる活性化を図るなど創意工夫した取組を進めて参ります。
現在取り組んでいる市役所のイントラネットを基盤とした情報化は、着実に前進をし、効率的な行政運営に役立っている。
しかし、残念なことに未だにその道は半ばであり、職員全体が高い意識を持って有効に活用できているかは甚だ疑問である。
前項のようなベストプラクティスの共有をはじめ、様々な対応策やシステムを共有していくナレッジマネジメントは今やリクルートをはじめとする多くの企業の重要な戦略の一環として機能している。
コールセンターによる問題共有等の有効活用はもちろんのこと、各部局内の連携強化の為のナレッジをハード、ソフト両面から推し進め、さらなる情報の内部蓄積を容易にできるよう努められたい。
本市におきましては、平成18年3月に策定致しました「高度情報化推進のための京都市行動計画〜e-京都21(2006版)〜」に基づき、イントラネットを活用した本市全体の情報共有を推進するため、照会・回答、通知文書等の電子化の推進や、各所属で保有している要綱、要領、統計などの業務資料及び申請書等の書式を電子化し、庁内ネットワーク上において、閲覧できる環境の構築を推進しております。
また、日々の業務で作成する決定書等を電子情報として蓄積するとともに、他の所属からも必要に応じて迅速かつ容易に検索できる文書管理システムの運用を平成19年度から開始します。
さらに、平成18年1月の市政情報総合案内コールセンター(愛称:京都いつでもコール)の設置に併せて、コールセンターのオペレーターが市民の皆様からのお問い合せにお答えするための、約2、300件の予想質問を、所管課の協力のもと、データベース化しています。
また、コールセンターの運営を開始した後も、データベースの内容を、常に最新で適切な状態に保っているところであり、今後とも、コールセンターと各事業の所管課が連携をより一層密にし、イントラネットを活用した庁内情報の共有に取り組んで参ります。
事務事業評価を初め、各部署において、業務のチェック作業と更なる効率化を着実に進めておられることは大変喜ばしいことである。
しかしながら、8月臨時議会でもまち美化事務所の職員削減が提示された。それは、人員の過剰配置であったことを意味する。同時に、効率化に踏み切らねばならない部署が未だ存在する。
トヨタでは新事業の立ち上げの際、必要人員の半分を配置し、その後不足分を追加し、最低人員で運営できる努力をしている。
そういった観点に立ち返ると、現在の定員の見直しを行うことは十分検討に値する。人員削減の原点にあたる定員の見直しを早速実施されたい。
定員の適正化につきましては、これまでから、数次にわたる行財政改革に間断なく取り組むことにより、平成7年度から18年度当初までの間に、3,095人を減員し、450億円近い財政効果を挙げてきました。
本市の厳しい財政状況を踏まえ、今後も、定員の見直しを進めるため、各局等が配分された定数の枠内で、事務事業の見直し等に応じ柔軟に人員の配置をすることができる「定数枠配分方式」を引き続き実施していくなど、市民の満足度やニーズを踏まえながら、真に必要な事業に職員を配置するのみならず、業務の内容や量に応じたより適正な職員数となるよう努めて参ります。
行政改革の推進は京都市の重要課題のひとつである。
事務事業評価のより細かな精査、結果から導かれる様々な改善策の提示を更に徹底することはもちろんのこと、様々な角度から京都市に課せられている課題、即ち住民サービスの向上、適正な行政運営、財政非常事態からの脱却に向けた取組み、職員の労働意欲の向上など、行革課に課せられた課題は山積している。
現行の行革課のさらなるレベルUPをお願いすると同時に、人員増強を図り、さらなる行政改革に努められたい。
本市では、平成16年7月に策定した「京都市市政改革実行プラン」において、全庁的な観点からの取組と局区による主体的な取組を区分し、両者が連携することで、より効果的な改革の推進を図ることとしております。
具体的には、全庁的な観点から、重点的に改革を推進する分野等を、年度ごとに「重点改革方針」として策定し、市民ニーズにより精通した各局区がマネジメント能力を発揮し、同方針や事務事業評価結果などを踏まえて、主体的に改革の取組項目を「局区運営方針」に掲げ、実行しております。
こうした取組により、財政効果についても、これまで以上に大きな成果を挙げることができております。今後も、引き続き、全庁的な取組と局区のマネジメントによる主体的な取組を相互に連携し、より大きな改革の成果を挙げられるよう、行政改革課と各局区とが緊密に連携を図りながら、更なる行政改革の推進に努めて参ります。
京都市は目標を定め、職員の削減を着実に実行してきた。しかし、あくまでも退職者不補充という形が必要になり、大幅な職員削減が出来ないことが、市政改革、コスト削減にブレーキをかけてきた経緯がある。
そういった意味でこれからの10年は団塊の世代の退職に伴い職員が激減する極めて重要な10年である。この10年間にどれだけのスリムアップが実行できるかが将来の京都市を大きく左右するターニングポイントと言っても過言ではない。
現在の京都市の計画は、計画値達成によって行政のスリム化が完了できると言えるような計画ではない。つまり、今後も新たに民間委託、事業廃止といった課題が次々に噴出することが予想される。したがって、現在の削減計画通りに新規採用を行うことは、後々発生する行政改革にブレーキをかける結果になりかねない。
今、京都市は、退職職員マイナス新規採用(職員の純減)をどこまで進めることが出来るかにかかっている。そこで、慎重に検討し、将来に向けて大幅な職員の採用抑制を行うべきであり、強く要望する。
その点において環境局現業職等の新規採用の凍結は高く評価できるものである。同様に、現業職は時代の趨勢と共に民間に委託される流れが加速度的に高まってきている昨今においては、全面的に新規採用は当面行わないことを併せて要望する。
団塊の世代の大量退職は、一方で行政改革の好機でもあると認識しており、今後、退職者数の増加に合わせ、職員数の更なる適正化を進める等、可能な限り、採用者数の抑制に努めて参りたいと考えております。
また、現業職員につきましては、「信頼回復と再生のための抜本改革大綱」における改革策として、技能労務職業務の再構築のため、当面全庁的に採用を凍結することすとしております。
このたび全国に先駆け分限処分の実施を決定した京都市は、現行の公務員制度、いわば公務員身分保障における大きな弊害に先鞭をつけたといっても過言ではない。これは誇るべきことである。
そこで、分限処分における効果をしっかり発揮できるよう、懲戒基準に満たない職員の処分に留まることなく、職務怠慢職員の分限免職の実施に踏み切っていただきたい。
分限処分につきましては、本市では、平成18年10月に「京都市職員の分限免職の基準等に関する要綱」を策定し、非違行為を繰り返す職員、職場において支障行動を行う職員に対しまして、分限免職を実施していく仕組みを整えたところであります。
職務怠慢につきましても、指導により改善されない場合、指導に従わない場合などには、公務能率の維持及びその適正な運営の確保を図るため、厳正な対応を行って参ります。
職員の不祥事では、犯罪行為を行う職員が主な問題として提起されてきたが、実の問題は、現場作業を放棄した職務怠慢職員が職場に堂々と存在していたことである。
これは公僕あるまじき行為であり、税金の搾取とも言える行為であるが、それ以上に、周りの職員の士気を著しく低下させ、全体に大変大きな悪影響を与えることから、より厳正に、綱紀粛正を図られ、職務怠慢職員の徹底排除に努められたい。
職務怠慢職員に対しましては、所属長からの個別指導や、さらにケースによって、局区等の服務監察担当が所属長と連携をとって当該職員を呼び出し、公務員としての責務について自覚を促すよう指導を徹底しております。
このような繰り返しの指導を行っても改善されない職員、あるいは指導に従わない職員に対しましては、懲戒処分や分限処分も含め、厳正な対応を行って参ります。これらの取組により、職場から怠慢職員を排除して参りますとともに、すべての職員が自らの職責を全うし、市民に信頼される市役所への再生を目指します。
住民サービスの向上と業務の効率化および人件費の削減を同時に解消する一策として、フレックスタイム制および土日出勤を含めた変則勤務体制の導入がある。
現在の財務状態で、窓口サービスの時間延長や土日開設の実施には不可欠であり、また無駄な超過勤務手当ての削減、柔軟な役所運営に欠かせない制度であることから、制度として早期に整備されたい。
交替制勤務や土日勤務等の変則勤務体制につきましては、京都市職員の勤務時間等に関する規程に基づき、各所属において、必要に応じて実施しているところです。
また、職員の申告を経て当該職員の勤務時間を割り振るフレックスタイム制につきましては、時間外勤務が縮減される等の効果が期待できる一方、職員体制が薄くなり市民サービスの低下を招く恐れがあることや、職員の労務管理が困難になること、及び、職員の勤務時間等については国家公務員との権衡を失しないようにする必要があり(地方公務員法第24条第5項)、現時点で試験所や研究所に勤務する職員以外にフレックスタイム制を導入することは困難であること等の問題があるため、導入するに当たっては慎重な検討を要するところです。
11項でも申し述べた補完策についてであるが、補完はあくまで嘱託職員によって賄っていくべきである。
特に、高齢者雇用の促進が中央を中心に叫ばれる中、行政は率先してこれを推進していく必要がある。
特に、長年の経験と高い見識を備え、同時に正規職員に比べ人件費を大幅に抑制できる豊富な労働力は、京都市にとっても大変魅力的であり、特に、行政改革が過渡期で、局地的、一時的に労働力が欠如することが予想されることから、嘱託職員を効果的、効率的に配置していかれることを要望する。
嘱託採用の推進につきましては、嘱託職員の経験や見識の活用、人件費の抑制等の観点から有益であります。本市におきましても、これまでから積極的に採用を行って参りましたが、今後も、「市政改革実行プラン」に基づき、事務事業の徹底した点検、見直し等を行いながら、その必要性も十分に考慮し、嘱託職員の効果的、効率的な配置を行って参ります。
小さな政府を作っていく中で、政府の提唱する規制改革・民間開放推進3カ年計画でも推進している民間活力の導入は至極当然の流れである。
現業職の民間委託化はすでに取り組みが始まっているところであるが、これを更に加速化させることのみならず、支払い事務、旅費事務といった事務事業等を始め、様々な分野でアウトソーシングを進められたい。
特に、輸送課など間接業務にあたる業務のアウトソーシングは退職者不補充をすすめながら、着実に移行されたい。
本市におきましては、これまでから、間断なく全庁を挙げて取り組んできている市政改革の重要な柱の一つとして、民間活力の導入を掲げ、積極的に取り組んできております。
平成16年7月に策定致しました「京都市市政改革実行プラン」(以下「市政改革実行プラン」という。)におきましても、民間活力の導入についてこれまで以上に重点的に取り組むこととし、同年9月には、民営化や民間委託のほか、PFI、指定管理者制度などの中で、最も適切な行政サービスの提供方法を選択するための本市の基本的な考え方等を「公民協働(PPP)推進の考え方について」として取りまとめております。
さらに、平成18年2月には、市政改革実行プラン等を補強するものとして、「京都市「集中改革プラン」について」を策定し、民間活力導入による行財政資源の有効活用に向けたより一層の取組を進めております。
市政改革実行プランの推進項目「民間活力の更なる導入」の主な取組事項の中で、「総務事務の集約化、委託化」を掲げており、具体的な取組としまして、旅費事務等の市民サービスに直結しない内部管理事務、いわゆる「総務事務」における民間活力の導入につきまして、平成18年4月に設置した総務事務効率化プロジェクトチームで検討を行っており、平成19年度は、総務事務効率化の実施に向け、総務事務効率化の基本設計を行って参ります。
今後とも、行財政資源の有効活用を図るため、経済性、効率性、市民サービスの向上、行政責任の確保など多角的な観点から検討を行い、引き続き、民間活力の導入に積極的に取り組んで参ります。
行政の課題の一つに、不当要求の対処というものが、積年の課題として存在する。過日も大阪府八尾市で団体役員による不当要求行為が全国ニュースとして取り上げられている。
市民の間でも「役所は声の大きい奴に弱い」といった指摘がなされ、また職員の中にも、不適正な執行が行われていることに理不尽さを感じているという声が存在する。こういったものが横行する限り、本当に公正、公平な行政運営を行うことは困難であり、こういった課題に真っ向から取り組んでいかねばならない。
現行の公正職務執行委員会はいまだ稼動しておらず、ほとんどさわやか職場推進委員会にゆだねられるものであるが、現場からの声をしっかり拾い反映できるよう、より強化した対応策を講じていく必要がある。
全庁挙げて、不当要求行為、不適正執行の排除に努められたい。
不当要求行為等の排除につきましては、本市では、平成15年度から職員に対する不正な働き掛けを防止し、公正な職務執行を確保することを目的に、有識者等で構成する「公正職務執行委員会」を設置するとともに、職員からの相談を受け付ける相談員を委員会に配置しております。
また、各局区等においても、所属職員から不正な働き掛けに関する相談を受け付ける機関として「さわやか職場推進委員会」を設置しております。不正な働き掛けを受けた職員やその上司が相談することのできる機関を複数設け、組織的な対応体制を構築することにより、職員が安心して職務に専念することができる環境を整備し、ひいては組織の自浄作用を高め、職員及び公務に対する市民の信頼を確保できるよう努めております。
今後も、「さわやか職場推進委員会」の活性化を図りながら、「公正職務執行委員会」との相互の連携を確かなものとし、公正な職務執行の確保に努めて参ります。
昨今、自治体における行政のスリム化は重点課題であり、京都市もそういった取組を推進されてきた。特に人件費の削減は大きな問題であり、この問題を論じる際の解決手法として民間委託という手段を声高に叫ばれる節があるが、活用すべき資源は民間企業や団体によるものばかりではない。
特に団塊世代の退職者が大幅に増加するこれからの時代、政府も雇用法を新たに策定し彼らの需要の喚起を促しているが、同時に京都市としても有効に活用していくべき人材である。また、女性の社会参画の面から見てもこれを促進させる観点を行政は今後より一層強化せねばならないと考える。
そこで、そういった方々をターゲットに設定した市民との協働を模索していく必要がある。今一度、行政機構をすべからくチェックし、職員が直接執行せねばならない業務、ボランティアに委託できる業務、民間に委託できる業務を再分別するべきである。そして、ボランティアに委託できる業務に関しては、市民を有償のボランティアとして市政運営に参画させ、有効な活用を図っていくべきである。
現在、埼玉県志木市が導入している行政パートナー制度は、極めて高いコストパフォーマンスを誇り、また市民と共に行政を作っていくという制度としては、大変優れた制度である。既に窓口案内をはじめ842業務を行政パートナー(有償ボランティア)に委託することを決め、その一部を現在稼動している。
地公法や人材派遣法等々の課題を既にクリアした形で運用されていることから、これを参考に京都市でも有償ボランティアを有効に活用されるよう要望する。
本市では、最も適切な行政サービスの提供方法を選択するため、法定義務経費等を除くすべての事務事業について、事務事業評価において、「市民と行政の役割分担評価」の評価項目である「実施主体の妥当性評価」により、単に経済性や効率性のみならず、市民サービスの向上や行政責任の確保、秘密の保持、受託能力等の多角的な観点から判断して、サービス提供主体を民間に委託することなどを検討しております。
また、「市民との信頼とパートナーシップによる市政運営」を基本姿勢に掲げ、平成15年8月に施行した市民参加推進条例に基づき、平成18年12月に改訂した市民参加推進計画に掲げる施策及び事業を着実に推進することで、更なる市政参加の仕組みの拡充や市民活動の推進・支援のための取組を進めております。
ボランティアの活用につきましては、市民と行政の協働を実践する有効な取組の一つとして、子育て支援やイベント運営等において有償で実施しているものもございますが、今後とも、他都市の事例も参考にしながら、ボランティアを含め、市民の英知と行動力を活かした市政運営の推進に積極的に取り組んで参ります。
現在、地域交流や地域教育が大変盛んである。ボランティアとしての参加の仕方もヒトによって様々であり、持っている能力も千差万別である。適材適所という言葉のとおり、当人も組織も有効に能力を活用すべきである。
たとえば、「地域で英会話を子供たちにボランティアで教えたい」ということを希望している方とそれを望む組織のマッチングを率先して行うべきである。
現在運営されているものを統合し、ありとあらゆる能力別、特技別、時間別等、参加形態別、細分化した形でボランティア登録をして頂けるようなボランティア人材バンクを創設するべきである。
その上で認知を高め、本当に使い勝手の良い、京都市民の好意を有効に活用できる制度として運用できるよう取り組まれたい。
本市では、豊富な知識・技能を有する方が市立学校で教育活動を支援する「学校支援ボランティア」のほか、市民・芸術家・企業等に「文化ボランティア」として様々なかたちで文化芸術活動に参画いただき、文化で京都のまちを活性化させ、更には日本の文化の振興に貢献することを目的とした「文化ボランティア制度」等、ボランティアの登録・派遣制度を設けています。
また、市民活動総合センターでは、市民が自分に合った活動を探せるよう、自分の持つ技能等を提供したい人・団体と、それを求めている団体との出会いの場を提供する掲示板「ディスカバザール」や、市民活動に役立つ情報を書籍やパソコンで閲覧できる「情報コーナー」を設置しています。
さらに、福祉分野のボランティア活動につきましては、京都市福祉ボランティアセンターにおいて、電話や面接等により聞き取った個々人の希望や経験など様々な状況を踏まえ、各区ボランティアセンター(区社会福祉協議会が運営)や地域の社会福祉施設等への紹介を行っております。
なお、「ひと・まち交流館 京都」内の市民活動総合センター、福祉ボランティアセンター、景観・まちづくりセンター及び長寿すこやかセンターが共同により運営するインターネットシステム「団体・活動情報サーチ」において、ボランティアやNPO等の市民団体の登録に基づき、活動分野・対象者・内容等の基礎的な情報をはじめ、イベント、ボランティアやスタッフ募集等の情報を提供することにより、市民の方々のニーズに応じた活動に結びつくよう取組んでおります。
今後とも、こうした取組により、市民の皆様の知恵と力が京都のまちづくりに生かせるよう取り組んで参ります。
現在新たな数値目標と取組期間を明示した外郭団体改革計画をあらたに策定され、以前にも増して外郭団体改革にまい進されていることは大変喜ばしいことである。自主自立の原則に従い、適正に運営されることを切望する。
更にこれを強化させるために、市が委託する業務に関しては、導入された指定管理者制度を有効に活用し、競争性を重視し、複数業者による入札形式の委託に切り替える中で、独立採算性を維持できないものは補完性の原則から改廃を今以上に厳しく検討されたい。
平成18年2月に策定致しました「京都市「集中改革プラン」について」で定めた「外郭団体のより抜本的な見直し方策」におきまして、平成17年度当初の外郭団体総数(47団体)の約30%(13~14団体程度)の団体の削減という数値目標を設定するとともに、統廃合等の取組工程表を掲げ、積極的に取り組んでおります。
平成18年度までに4団体の削減を行い、さらに、平成19年4月には、(財)京都市水道サービス協会と(財)京都市下水道事業協会の統合及び(財)京都市生涯学習振興財団と(財)京都市野外活動振興財団の統合を予定しており、着実に取組を進めております。
また、平成16年7月に策定致しました「京都市外郭団体改革計画」におきまして、本市が外郭団体に委託している業務につきましては、原則として複数の事業者から委託先を選定することにより、競争性を確保することとしております。とりわけ、施設管理を行う外郭団体におきましては、「外郭団体のより抜本的な見直し方策」に掲げているとおり、指定管理者制度の本格的な導入を踏まえ、次回の指定管理者の選定時期までに、団体の在り方につきまして改めて点検を行って参ります。
原則継続すべき団体に関しては、昨今の取組にある経営評価システムに加え、横浜市が先んじて導入をしている経営目標と責任の明確化を目的とした特定協約団体マネジメントサイクルを参考に、個々の団体と特定協約を締結し、現在のPLAN DO SEE サイクルに加え、明示した目標が未達成だった場合、団体の整理統合を検討するといったシビアな環境を設定し、更なる自主・自立的経営へ誘導するべきである。
本市におきましては、平成12年度から、外郭団体の経営状況の点検評価を行ったうえで、その結果を踏まえて、各団体に次年度の経営計画の策定を求める「経営評価システム」を実施し、平成18年2月に策定した「外郭団体のより抜本的な見直し方策」の中では、累積欠損を有する団体に対して、具体的に一層の経費節減や経営努力の方策を指導しております。
さらに、平成17年度からは各団体の経営計画を、平成18年度からは経営計画に対する経営努力結果を公表することで、目標管理の徹底を図り、計画の実効性を担保しております。
今後も、団体の目標管理をより実効性のあるものにし、団体の自立的、自立的な経営を促進して参ります。
財政非常事態宣言下における財政再建は、行政の骨格をなすものであり、経済活動と同様、財政は市の血液であり、金銭的自立なくして市の将来の展望は開けない。
桝本市政は、最優先課題を「財政再建」と明確に位置付け、邁進されることを強く求め、また、市長以下、すべての京都市役所職員は、「市民の公僕」たることを再認識し、将来の京都を標榜し一丸となって財政再建に取り組むことを要望する。
本市では、平成16年7月に策定した平成16年度から平成20年度を取組期間とする「京都市財政健全化プラン」に基づき、安定的で持続可能な財政の確立を目指した取組を全庁を挙げて積極的に推進しております。
この「京都市財政健全化プラン」には42項目の具体的な取組方策を掲げておりますが、現時点で、全ての項目について既に完了又は着手済みとなっております。
また、市税徴収率、国民健康保険料徴収率及び外郭団体に対する補助金の削減については、前倒しで目標を達成しております。
今後においても、具体的な数値目標等の達成や全項目の完了に向け、更に取組を進め、全庁を挙げて本市財政の健全化に邁進して参ります。
受益者負担の観点や財政の硬直化を視野に入れた場合、法定外新税の導入は今後の京都市の大変重要な検討課題であり、導入を前提とした更なる検討を進められたい。
同時に、税制という安易に市民に負担を求める手法のみならず、行政の自助努力による財源確保をより強化されたい。
特に、道路管理者として、スポンサー花壇やオープンカフェの歩道の占有許可、道路広告などの道路活用、横浜市をはじめ全国の自治体は広告収入の増収策、ネーミングライツ等々熱心に研究を進めており、京都市も自治体独自の新財源の確保に努められたい。
特に広告事業は一事業として展開を図るべきである。しっかりと事業と位置づけ、現行の取り組みに妥協することなく、封筒一枚からHPのバナー、有料ゴミ袋、また観光資源である駒札に至るまで、徹底した広告展開を検討するべきである。
分権時代の地方公共団体、とりわけ、もともと財政基盤がぜい弱で、地方交付税など依存財源の割合が高い本市においては、事業を進めていくための独自財源の確保は重要な課題です。
このため、戦略的予算編成システムを導入し、各局において、広告料をはじめとする具体的な事業に即した新たな独自財源の確保についても、各局長のマネジメントによる創意工夫を可能としております。
まず、法定外新税の導入につきましては、主要な税源が法定税とされていることから本市独自の税源を見出すことは容易ではありませんが、平成16年8月に出された、京都市税制研究会による法定外新税や超過課税に係る提案を踏まえ、政策の誘導に税制を役立てることができないかどうかなど「政策と税制の連携」という観点から中長期的な課題として引き続き研究・検討を行って参りたいと考えております。
次に、広告事業につきましては、従前から「市民しんぶん」、「観光情報京都」などの広報印刷物や、市バス及び地下鉄の車両、駅施設などを広告媒体とした事業を行っており、平成17年度からは、新たに、本市のホームページである「京都市情報館」に民間企業のバナー広告を掲載しています。
特に交通局における広告展開につきましては、これまでの取組に加えて平成17年度から実施した地下鉄電照式看板複数一括契約割引キャンペーンなどの既存媒体の活性化策を中心に取り組んだ結果、平成17年度は、対前年度比4.6%増となり、10 億円の広告料収入を確保することができました。
さらに、平成18年度におきましては、アドコラム広告やポスターボード広告など新規広告媒体の導入を図って参りましたが、平成18年10月には、平成20年度までに1億円の増収を図ることを目標として、幹部職員で構成する「広告販売促進チーム」を発足させ、広告代理店とも協力して企業や大学などへの販売活動を積極的に行うなど、広告料収入の増収に結びつくよう取り組んでいるところです。
今後とも、ラッピングバスの更なる拡大やカード広告、バナー広告など、新規広告媒体の開発・研究への取組や、他都市での先進的な取組についての情報収集を積極的に行うことにより、それぞれの広告媒体の特長を生かした取組を推進し、広告料収入の増収に努めて参ります。
このように、広告事業は、新たな財源を確保する一手法として本市財政の一助となる重要な事業であると認識しており、昨年7月に「もったいないプロジェクト」チームから出された新たな財源の確保に向けたネーミングライツの導入をはじめとする広告事業の提案についても、全庁的にできる限り実現する方向で取り組むこととしております。
現在、広告収入の増収策のため、事業の仕組みや規程の整備について研究、検討を重ねております。また、大規模な施設に取り入れられているネーミングライツについても、他の自治体の導入状況を参考にしながら研究を行って参ります。
企業誘致には様々な効果があるが、京都市の最大メリットは税収増、財務体質の改善に繋がるものである。しかしながら、その取り組みは大きな歩みを見せない。
要因のひとつに土地が確保できないという問題がある。特に高度集積地に企業誘致をしているものの、買収可能予定地の多くは生産緑地となっており企業誘致が実質的にできない状態にある。
これらの問題を包括し、産業観光局のみならず、総合企画、理財、都市計画局と全庁的にこの問題の解決にあたり、全庁挙げて企業誘致を進められたい。
本市においては、平成17年6月、「京都市企業立地推進指針」を策定し、新たな就業の場の確保や市内企業の活性化、税収の確保等に効果のある企業誘致を積極的に推進しております。
同指針には、数値目標として、「高度集積地区などに50社の企業誘致」等を掲げており、これまで相当数の企業に立地いただくなど、着実に成果を挙げております。
歴史都市である本市は、既に一定の企業集積や市街地形成が進んでいることや、高度集積地区内の生産緑地のように土地利用が混在している地域もあることから、大規模な工場用地を新たに確保することは困難ではありますが、多くの知的資源を有する大学や高い技術力を持つ既存企業の集積、産学連携を推進する支援機関の充実など、付加価値の高いものづくりを支える環境が形成されています。
今後とも、これら本市の優位性を生かし、企業の研究所や研究開発型企業に重点を置いた誘致促進、きめ細かな用地情報の取得、提供など、関係局、関係機関とも十分に連携し、積極的な企業誘致を推進して参ります。
現在の事務事業評価は、行政改革の一環として先駆的かつ有効な取り組みであるが、項目も少なく、コスト算出基準も曖昧なところがある。
評価項目数を増やし、人件費の算出も手当て、共済費等をすべて盛り込み、平均値算出でなく、実数値を盛り込むなど、さらに具体的なコスト換算を行うべきである。
ABC分析やフルコスト分析を各事業、各事務作業に落とし込み、事業の効果検証をさらにしっかり行えるよう取り組まれたい。
事務事業評価制度におきましては、まず、「市民と行政の役割分担評価」によって、行政の守備範囲に主眼を置いた公共性や行政関与の妥当性など事務事業の在り方、大きな方向性を評価したうえで、「業績評価」として事務事業の業績に主眼を置いた目標達成度や効率性などを評価することとしております。
評価票作成に係る事務負担等を考慮し、評価項目は必要最小限とし、その評価結果を踏まえて、更に個々の事務事業に固有の観点などから検討し、最終的に事務事業の方向性を判断しております。
「ABC分析」につきましては、事務事業評価制度を構築する際に検討致しましたが、作業単位でコストを把握するためには、個々の職員の作業時間や内容のデータ入力作業など膨大な労力を要する等の課題もあり、当面は、事務事業単位で、手当等の人件費や減価償却費等を含めたトータルコストでの把握を行って参りたいと考えております。
京都市では日夜、財政再建に尽力しているが、未だ将来不安が拭いきれる状態とは程遠いのが現状である。
特に市債残高の増加は、公債費が予算を圧迫するだけでなく、将来に渡り大きな禍根を残す為、市債の発行を抑制し、16年度策定された財政健全化プランの早期達成に向けご尽力頂くと共に、プライマリーバランスの均衡の堅持のみならず、このたび横浜市が導入している「横浜式プライマリーバランス」(市債発行額=元本償還金+利払額)といったような、着実に市債残高が減少できる予算編成を目指して頂き、本当の「安定的で持続可能な財政」を構築されるよう要望する。
将来の京都の発展に欠くことのできない都市基盤整備のためには、世代間の負担の公平の観点からも、市債の活用は不可欠です。しかしながら、その元利償還金が、将来の財政運営の過度の負担とならないよう、毎年度の予算編成において、市債の発行額を適切に管理することが重要であると考えています。
このため、平成16年7月に策定した「財政健全化プラン」においてプライマリーバランスの均衡を堅持することを、本市財政運営の新たな目標の一つに掲げ、その達成を目指すとともに、さらに、投資的経費の抑制に取り組み、プライマリーバランスの黒字幅の拡大に努め、市債残高の増加を可能な限り抑制して参ります。
専属の職員を配置した財政再建プロジェクトチームを市長部局に新設し、徹底したコスト管理と再建プランの実現に向けたありとあらゆる手段を模索し、実行されたい。
民間に対し、コスト意識が低い市役所の体質は、簡単に改善できるものではない為、専門チームを新設し、外部の公認会計士やコンサルティングファーム等と提携し、局内のコスト管理をはじめ、今後の事業計画に至るまで徹底した経営管理を行われたい。
戦略事業の一環と位置付け、財源確保の為の独自施策の検討も含め投下資本に対し大幅なリターンが見込めるものにされたい。
本市におきましては、安定的で持続可能な行財政運営システムの確立に向け、平成16年7月に「京都市財政健全化プラン」(以下「プラン」という。)を策定しました。
プランにおいては、財政健全化に向けた具体的な取組項目、目標が示されており、特別な部署を新設せずとも、全庁を挙げた取組を進めることができるものと考えております。
なお、プランに掲げました42項目の具体的取組につきましては、現時点で、既に全項目について完了又は着手済みとなっているとともに、市税徴収率、国民健康保険料徴収率及び外郭団体に対する補助金の削減については、前倒しで目標を達成しております。
今後とも、全項目の完了及び数値目標の達成に向け、更に取組を進めて参ります。
現在、市税徴収率は、対策本部の懸命な取り組みもあって大変よくなってきているが、未だに完納されていない市民がいる。受益と負担の適正化を進めていく中で、市税をまじめに納めている市民が不利益にならないようにしなければならない。
市税滞納者に対し、市税を使ったサービスを提供することは、本来の税制そのものの根底を揺るがす由々しきことである。
そこで、市税を財源とする補助金、助成金の交付、市営住宅の入居(新規、入居済み問わず)等は、市税完納を条件にするよう取り組まれたい。
これからの地方分権の在り方として、行政サービス等における受益と負担の関係について、より一層明確にしていくことが重要であると考えております。
市税の滞納者に対して行政サービス等の制限を行うことについては、真にやむをえない理由により納税困難な状態となっている者への配慮を欠くことになるケースも想定されることから、現在のところ市税の完納を条件にしているのは、一部の融資事業等に限っております。
今後、行政サービス等の提供に当たって、市税の完納を条件とすることについて、御指摘の点を踏まえ、個人のプライバシーの保護にも十分留意のうえ、関係部局と研究・検討して参ります。
輸送課および各局配備の公用車の利用については、大変非効率な運営が行われており、現在進められている効率的活用に向けた取組みは当然のこと、今後の方針を含め一定の方向性を示し、現在の財政状況に鑑み、下記のことを視野に入れ有効な活用を行うこと。
輸送課における共用車両の更新につきましては、本市の厳しい財政事情に鑑み、現在、「11年間使用後12年目かつ走行距離10万キロメートル」としていた車両更新のルールの適用を凍結し、車両の老朽化により、保有することがかえって維持管理経費を増加させる場合や、安全性の観点から更新せざるを得ない状態になったものから、順次更新することとしております。更新の際には、平成16年度から導入したリース契約により、費用負担の平準化を図るとともに、車両の小型化、ハイブリッド車の導入による低公害車化を進めております。
また、リース契約により車両を保有することで、輸送体制に応じた車両数の確保を調整することができるものであります。今後も、リース契約による車両の小型化、低公害車化を進めることにより、管理経費の更なる適正化に取り組むとともに、真に必要な台数については厳しく点検して参ります。
輸送課の運転手につきましては、交通局のルネッサンスプランによる運転手の受入れを行うほかは、新規採用は行っておらず、これまでから職員の定年退職に伴う嘱託化を進めることにより、人件費の削減を図っているところであり、今後も引き続き取り組んで参ります。
また、各局所属に配置する運転手につきましては、これまで連絡車の利用が、実態として当該所属に限られていたことにより、十分に稼動していないものもあったことから、その必要性も含めて検証し、効率的な配置となるよう取り組んで参ります。
輸送課運転手の超過勤務につきましては、専用車の運転手は、業務の性質上、勤務時間外の業務が多くなっていること、また共用車の運転手は、早朝及び夜間における勤務時間外の輸送ニーズに対応するため、早出及び当直勤務を当番制により行っていることによるものであります。
今後は、変則勤務時間の導入、業務の見直し等について検討を行い、より効率的な体制を構築して参ります。
輸送課の体制につきましては、市役所内の全庁的な輸送需要に対応するため、依頼に応じて直ちに出庫する現在の集中管理方式は、合理的なものであると考えております。
稼動率の向上の取組につきましては、各局区等に対し、輸送課の利用促進について周知するとともに、より利用しやすい環境づくりとして、輸送課イントラホームページにおける空車状況の提供及び利用申込書の庁内メールによる受付けを、平成18年12 月から新たに開始したところであります。
今後とも、輸送課が効率的に活用されるよう、より利用しやすい環境づくりを工夫して参ります
民間委託に比べ極めてコストの高い当事業を直営で運営する必要はない。サービスの差も、民間委託になってゴミの取り残しが減った、排出ゴミの増減に適時適切に対応と民間の方がサービスがよいとの結果が他の自治体からは出ている。
全国の自治体でも半数近くが全面委託となってきている。その点において抜本的改革大綱に示された50%職員カット、50%委託は素晴らしい取り組みである。しかし、業務改善によって職員の50%近くは委託せずとも対応できる。
したがって更なる職員削減の上、民間委託を進められたい。焼却埋立て事業の民間委託化も併せて取り組まれたい。
なお、民間委託に関しては、京都の零細事業者等を勘案し、パッカー車は当局で用意し、人的パワーのみを入札にかけるべきである。
ごみ収集業務の委託化の推進につきましては、直営と委託がお互いに切磋琢磨するなど競争原理を働かせることで、まち美化事務所の閉鎖的な意識や職場環境を改革できるとともに、より市民サービスを向上させることが、職場の活性化や不祥事の根絶に大きく資するものになると考えております。
このため、新規採用の凍結、退職者不補充を行い、ノルマアップによってもなお補えない人員の不足分を外部委託することで、ごみ収集業務の50%委託化を計画的に実施することとしております。
平成19年度に設置予定の「ごみ収集業務改善検討委員会(仮称)」において、ごみ収集業務の委託化やまち美化事務所の統廃合等の検討を行うに当たっては、市民サービスの向上といった視点からも議論して参ります。
庸車制度は、制度化されてから半世紀近く経った現在の社会情勢にとって馴染みにくく、現実に則した制度だとも言い難い。
また、委託単価もかなり高止まりになっていることから即刻廃止し、直営と委託の2形態に集約すること。
また、民間委託単価も、他の自治体に比べかなり高い水準で推移し、長らく随意契約で契約更新を続けている。
そこで、一度、業者選定をやり直し、広く募集し、全国平均水準まで契約単価を落としていく努力をする必要がある。
庸車制度は、昭和30年以降の急激なごみ量増加への対応と市内中心部に直営車両駐車場用地の確保が困難、という観点から収集業務の一部に用いており、本市以外にも政令市で、名古屋市、神戸市の2市が庸車制度を採用しています。
庸車の契約単価や民間委託の契約単価は、経済情勢等を考慮して、引き下げに取り組んでいるところであり、平成16年度は6%の引き下げを行い、平成18年度にも2%の引き下げを実施致しました。
今後も、更なる経費削減に向けた努力を行うとともに、競争入札の採用などの契約手法や外部委託への移行などについては、平成19年度に設置予定の「ごみ収集業務改善検討委員会(仮称)」において、市民サービスの向上等、総合的な観点から検討して参ります。
現在、京都高速道路新十条通り・油小路線の整備が進んでいる。
この整備に関しては早期完了を願うものであるが、その後の計画即ち、久世橋線・堀川線・西大路線の3路線は、京都の交通体系にとって重要な路線ではあるが、京都市の財政非常事態宣言下において、今、事業着手することは更なる財政難を招くことから、財政状況が好転するまでは一時的凍結することを要望する。
京都高速道路につきましては、京阪神都市圏を結ぶ道路ネットワークを形成することによって、一体的かつ均衡のとれた都市の発展に寄与するものであります。
さらに、市内の慢性的な交通渋滞の緩和や定時走行の確保による交通の円滑化及び社会経済活動の活性化を促すとともに、災害時の緊急輸送路としても機能する道路であり、国際文化観光都市・京都の更なる発展と豊かな市民生活の実現にとって、是非とも必要な都市基盤施設であります。
本市としましては、阪神高速道路株式会社が事業主体として、現在、事業中である京都高速道路新十条通及び油小路線はもとより、本市街路事業と阪神高速道路株式会社有料道路事業とで進める斜久世橋区間につきましても、今後とも工程等監理委員会において工事の進捗等について厳格な監理を行っていくとともに、国や京都府、また阪神高速道路株式会社等と十分な連携を図りながら、早期完成を目指して取り組んで参ります。
また、事業主体が決まっていない久世橋線など残る3路線につきましても、今後、本市の財政状況や社会経済情勢など、様々な要因を検討する中で、事業化に向けた取組を推進していくこととしております。
京都は京都議定書採択の地であり、現在他の自治体に先駆け環境対策を進めているところであります。
現在、経済産業省が推奨し、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が補助制度を設置しているESCO事業は、省エネ化に必要な設備、資金を包括的に提供するサービスで、効果は事業者側が保証する、導入者にとって極めて勝手のよい制度である。
事実、京都市環境局は、本年度から大規模事業所に対し、推奨する案内を作成しその浸透に努めている。京都市も他の事業所に先駆けて、公共建築物に早期にESCO事業を導入していくべきである。
最初の取組みとしては、初期投資ゼロで省エネを図る民間資金型(シェアードセイビング方式)あたりから実験導入していくことがいいように思われる。
この方式は、事業者に委託料を支払い、省エネに必要な改修は事業者が行い、委託料は市の光熱費の削減分で賄える。最悪、予定よりも削減できなくてもその補填先は事業者となることから、導入を図るべきである。
ESCO事業につきましては、平成17年度に策定しました「京都市公共施設・省エネルギー(ESCO事業)推進計画」に基づき、平成18年6月に京都市勧業館(みやこめっせ)を対象として、本市で第1号となるESCO事業(民間資金活用型)提案を公募し、9月に最優秀提案者を選定しました。今後につきましては、最優秀提案者と詳細協議を行い、補助金交付決定後に契約を締結し、みやこめっせESCO 事業を進めて参ります。
今後の予定
インターネットと同じデータ伝送方式で音声をやりとりするIP電話の普及は目覚しく、同じIP電話同士なら通話料無料、通常の通話も割安となることから、コスト削減の効果が十分見込まれる。
既に導入に踏み切っている自治体も出てきている。早急に検討されたい。
IP電話については、技術革新等により、IP電話機やIP電話交換機の性能が年々向上し、価格も下落していることから、運用経費を含め、一般的には、財政効果料が見込められるため、広く普及してきています。
とりわけ、本市の区役所・支所間においては、IP電話の導入により区役所・支所間の通話料を生じさせないことが可能なため、平成19年度の電話交換機更新の際に導入することを予定しております。
今後も、財政効果、当初の設備投資に係る費用などを総合的に考慮し、既存の電話交換機の更新等の時期に併せて、IP電話の導入につきまして検討して参ります。
未曾有の財政難時代を迎え、従来行われている行政主導の式典類は、市民により理解を強く求めるといった観点からも、従前以上に大幅に予算を削減し、コストカットをより強く推し進めるべきである。
特に、日頃より目に付く市民新聞はモノクロ化させること。
本市におきましては、式典、祭典に際して、平成13年10月の財政非常事態宣言を受け、緊急対策の一環として、各々の事業や式典、祭典の有する意義や効果を勘案しながら、休廃止を含め、可能な限り経費を縮減するなどの見直しを行っております。
本市財政は、なお非常事態にあるため、緊急対策期間終了後の平成16年度の予算編成以降、これらの取組を継続することとして、局裁量枠の財源配分を行っております。
また、市政情報を市民の皆さんに分かりやすくお伝えすることは、「信頼とパートナーシップの市政」を進めるうえで不可欠です。そこで市民しんぶんは、本市の広報媒体の中心として、市民の皆さんに、より親しまれやすく、読んでいただきやすい紙面とするため、平成11年1月から、全ページをカラー化して発行しています。
今後とも、財政状況を考慮しながら、各種広報媒体の特性を最大限活かせるよう創意工夫を重ね、効果的な広報活動を展開して参ります。
市立浴場は、社会情勢の変化に伴い、年々利用者が減少を続け、好転の兆しは見えない。
それは当初の目的がある一定達成されたとする向きも強く、受益者負担比率から見ても、現在京都市が70%超える負担を続け運営していく必要性が欠如してきている。
また、補完性の原則から見ても、十分民間の公衆浴場で対処していくことが可能であると思われる。
そこで、これらを鑑み、これ以上現状を維持していくことは望ましいとは言えないことから、市立浴場の縮小及び廃止を検討されたい。
市立浴場は、市民の保健衛生の向上を図ることを目的として設置したものであり、改良住宅に浴室が設置されてこなかったことからも、日常生活に不可欠な施設であります。現在、改良住宅の建て替え等の際には、浴室を設置しておりますが、その住宅の整備計画は相当長期に及ぶ見通しであります。したがって、いまだ大部分の改良住宅に浴室が設置されていない状況にあり、当分の間、市立浴場は必要であると考えております。
ただし、今後の市立浴場のあり方については、現在、「市立浴場の今後のあり方検討委員会」を設置し、財団法人京都市立浴場運営財団との協議の場を設けております。民間浴場入浴料金との格差是正や多大な経費の節減等、より一層効率的な運営となるよう協議を重ねて参ります。
厳しい財政状況が続く動物園運営において、入場料とは別に餌代を提供していただく一般のサポーターを募集するサポーター制度を創設されたい。
サポーターから提供頂く資金をえさ代や遊具の整備に充てる事で、新たな財源確保ができると同時に、動物への関心を深めてもらい、育ての親としてリピーターを増やす事が出来る。
既に、神戸、東京、福岡等で実施されており、京都でも実現できるものであることから取り組みを進められたい。
「動物園サポーター制度」は、民間資金の活用による財源確保と、来園者の皆様に実体験として命の大切さを理解していただく制度として有効であり、既に、全国のいくつかの動物園で実施されております。
本市におきましても、京都市動物園で平成17年7月に実施致しました「もっと大好き動物園 来園者アンケート」にお寄せいただいた御意見等を参考にしながら、本制度を導入している各園の取組状況を調査し、動物園を活性化するために設置を予定している「プロジェクトチーム」の中で、本市の実情に見合った制度の実施に向け、研究して参ります。
女性の社会進出が求められる中、通常保育ではカバーできないことが多く、働く女性の実情を加味すれば、かなりの延長保育が必要とされることはご周知の通りである。
実施保育園数の増加に伴い利用者数も年々増加している。既に名古屋市、金沢市、市川市などは4時間延長を実施済である。
また、当市でも長時間延長に取り組んでいる保育園に対するニーズは極めて高く、入所待ちが続出していることからも、早期の予算措置が求められる。
京都市における保育サービスは、児童福祉の理念である「児童を心身ともに健やかに育成する」ことを目的として、今日まで、乳児(0歳児)保育や障害児保育、夜間保育や延長保育など、その時々の様々な保育需要に対応して、全国的にも高い水準の保育サービスを提供しています。
近年、女性の就労者が増加するとともに、就労形態も多様化する中、多様な保育サービスがますます求められています。
延長保育につきましては、平成16年度に前プランの目標数値(平成18年度 131箇所)を前倒しして実施する等の取組を進めており、平成19年度についても、14箇所増の164箇所と、新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に掲げる目標数値(平成21年度190箇所)の達成に向けて、実施箇所数の拡大に努めていきたいと考えています。
また、現在の延長保育につきましては、30分及び1時間延長を基本(夜間保育所のみ2時間延長)としており、児童に与える影響を考慮しつつ、実施時間の更なる延伸については慎重に検討していきたいと考えています。
保育所の設置状況についてはかねてより積極的に取り組みを進められてきたが、より一層の取り組みを促進させ、待機児童0に向けての取り組みを進めること。
待機児の解消につきましては、就学前児童数に対する保育所定員の設置割合は、政令指定都市の中でも最も高い状況にあり、入所しやすい環境を確保していますが、共働き世帯の増加や就労形態の多様化によって、なお一部の地域におきましては、待機児童の解消が課題となっています。
平成18年度には、保育需要の高い地域において、新設1箇所、増築1箇所の施設整備を進めており、平成19年4月には、90人分の定員増を実施することにより、待機児童ゼロを維持して参ります。
子育て世帯にとって最も憂慮されるべき問題のひとつに経済的要因が挙げられる。
景気の回復の呼び水として公共投資が挙げられるが、同様に、子育て世帯への高額の直接給付は少子化の改善の大きな呼び水になると考えられる。
極めて厳しい財政状況ではありますが、政治はプライオリティーの問題であり、間違いなく少子長寿化対策は市の政策の中でも最も優先順位の高いもののひとつであります。これをしっかり打ち出し、更なる充実に努められたい。
中でも、名古屋市の第三子以降の2歳までの保育料無料化(保育を受けない世帯は月額2万円を支給)等は先駆的でまた都市規模からも大いに参考にされ、鋭意取り組まれたい。
少子化の進行に歯止めをかけることは、社会経済の活力を維持するに相応しい人口構造を確保する観点や、子どもたちの健全育成を図っていく観点から極めて重要な課題です。
本市におきましては、平成17年1月に策定しました、新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に基づき、「市民・地域ぐるみで子育てを支えあい、子どもたちが希望を持っていきいきと育ち、子どもを生み育てる喜びを実感できるまちづくり」を目指して子育て支援を総合的に進めて参ります。
子育て家庭への経済的支援として、大きな役割を担う児童手当につきましては、平成18年4月から支給対象児童を「小学校3年生まで」から「小学校6年生まで」に拡大するとともに、所得制限が緩和されました。
現在、国において、3歳未満の児童に対する児童手当の支給額を、第1子・第2子月額5千円、第3子以降月額1万円から、一律月額1万円とする乳幼児加算の創設が予定されておりますが、本市独自の児童手当の増額等に関しては、非常に厳しい財政状況の中では困難な課題であると認識しています。
現在、学童保育は原則児童館設置に伴い、設置させており、単独設置が行われていない。
児童館設置も、学童保育所の設置も共に重要な課題ではあるが、緊急性を要するのは学童保育所のほうであり、児童館設置は学童の設置に比べよりハード面の設置が必要であり、多額の予算措置が必要である。
したがって、単独事業として、早急に設置されることを強く望む。また、低学年児童の足を考えると、現実的には元学区に一箇所程度必要であることも併せて要望するものである。
加えて、補完要素として子供放課後居場所作り事業と連携を取りながら京都市に住む全ての児童をカバーできるよう取り組みを進められたい。
児童館につきましては、地域における児童の健全育成及び仕事と子育ての両立支援を進める観点から、必要とされる全ての市民に御利用いただけることが喫緊の課題であります。
本市では、留守家庭児童を対象とした放課後対策事業については、児童館において学童クラブ事業として施設的に一元化して実施することを基本としています。
平成18年度予算においては、新たに児童館3箇所の建設及び3箇所の設計のほか、学校施設を活用した学童クラブ分室の整備等の予算を確保したところです。
平成19年度におきましては、過去最大となる5箇所の児童館の建設や6箇所の設計等、学童保育待機児童対策に向けた予算を確保しました。
このように、新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に掲げた児童館整備の数値目標の達成に向けて取組を進めていくことにより、本市における留守家庭児童については、施設的に受入可能であると考えています。
したがいまして、今後も一元化児童館の整備方針に基づき、児童数の動向や子どもの生活圏等を考慮し、また、放課後子どもプランにおける「放課後子ども教室推進事業」との整合性を図る中で、必要な地域への児童館整備に向けて取り組んで参ります。
一時保育のニーズは従前より高く、一時保育の充実は求められるところであるが、現在の保育所の実状を鑑みると、着実に実施箇所、利用児童数も増加しているが、地域に根付いたものである事を考えると未だ十分であるとは言い難いことから更なる充実に向け取り組みを進められたい。
また、既に行っているファミリーサポート事業やショートステイを上記の補完機能として更に促進させるべきである。
同時に、当制度をもって補いきれない部分であり、働く女性の就労形態の多様化に対応できる24時間保育のニーズは高く、現在未対応なことから、早急に取り組まれたい。
一時保育につきましては、保護者の断続的・短時間就労に伴う一時的な保育や、保護者の傷病などによる緊急時の保育、保護者のリフレッシュを図るための保育といった様々な保育需要への対応が可能で、また未就園児童への子育て支援サービスの提供に今後も大きな役割を果たすことが期待できると考えています。
このため、平成19年度につきましては、4箇所増の33箇所で実施する等、実施箇所数の拡大に努めて参ります。
ファミリーサポート事業につきましては、地域における市民相互の子育て支援を推進するため、平成14年10月に開始しましたが、会員数は年々増加し、14年度末では857人でしたが、平成18年12月末現在では2、786人に達しています。
また、ショートステイ事業につきましても、児童を養育する家庭の保護者が疾病や仕事等の理由により、家庭における養育が一時的に困難となった場合において一定期間養育することで、その児童及び家庭の福祉の向上を図ることを目的に、市内の乳児院(2箇所)・児童養護施設(8箇所)の全施設で実施しています。
さらに、平成17年11月からは母子生活支援施設(1箇所)においても本事業を開始し、受入態勢を強化したところです。利用日数は平成14年度の3、693日から、平成17年度では6、214日に増加しています。
平成19年度予算においては、対象家庭の拡大(生後3箇月以上の子どもを持つ家庭→妊産婦の家庭)や提供サービスの充実(依頼会員宅における育児・家事援助サービスの実施)を図るとともに、市内に14箇所の支部を設置することにより、更なる会員確保を図る予算を確保しているところです。
なお、働く女性の就労形態の多様化に対応できる24時間保育の実施につきましては、ベビーホテル等の利用など、潜在的なニーズはあると考えています。本市でも、保育所でこれらの需要に対応できるよう、夜間保育を7箇所で実施していますが、深夜の時間帯を含む24時間保育の実施については、児童に与える影響を考慮する必要があることから、慎重な検討が必要であると考えています。
教育という側面のみならず、地域のサロン的な役割、児童館としての機能を有し、あくまで市民と協働しながら運営する低コストでかつ大変合理的なシステムである、文部科学省が推進する「放課後子供教室推進事業」を早期に着手し、児童館未整備地域を中心に実施されたい。
一気に実施することより、地域としての温度差等を考慮に入れ、モデル学区を選定し、モデル実施という形で取組を進められたい。
加えて独自教室の確保と一定規模の予算措置を要望する。
放課後の子どもの居場所づくりについては、保護者ニーズの多様化、子どもの生活実態の変化、児童を取り巻く悲惨な事件や事故の多発という状況の中、自主的な学びの場、また、安心・安全な居場所の確保が課題となっております。
こうした中、本市では、平成18年5月に放課後の子どもの居場所のあり方を検討する場として、学識経験者・PTA・児童館関係者等の御参画のもと、「学校放課後子ども育成事業検討委員会」を設置し、検討してきました。
平成18年9月に国の平成19年度予算案において、新たに小学校の施設を活用し、小学1年生から6年生までのすべての児童を対象とした自主的な学びの場や様々な体験活動の場、安全な居場所づくりを目的とする「放課後子ども教室推進事業」と小学1年生から3年生までの昼間留守家庭児童を対象とする従前の「放課後児童健全育成事業」(学童保育事業)を原則としてすべての小学校区で展開する「放課後子どもプラン」が発表されました。
本市では児童の健全育成と昼間留守家庭児童の放課後対策と母親・乳幼児に対する子育て支援事業を実施する一元化児童館を昭和53年から、民間の御協力を得ながら整備してきており、平成17年1月に策定した新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」においては、130館を整備する目標を掲げて取組を進めており、現在、 103館を整備しています。平成19年度については、新たに過去最高となる5箇所の整備と6箇所の設計を行って参ります。
「放課後子ども教室推進事業」の実施に当たっては、一元化児童館が、18歳までの児童の健全育成の場、小学1年生から3年生までの昼間留守家庭児童の生活の場として、児童の健全育成並びに地域における子育て支援の拠点となっていることに十分留意しつつ、連携していく必要があります。
巨額の予算、施設状況の点検、運営要員・ボランティアの確保等課題もありますが、自主的な学びの場、また安心・安全な放課後の居場所づくりとして有意義な事業です。平成19年度は50校程度での実施を目指して参ります。
今後の事業展開については、「学校放課後子ども育成事業検討委員会」において十分検討し、地域におけるニーズを踏まえながら、効果的な連携手法や事業メニュー等を具体的に決定して参ります。
職員のフレックスタイム制を導入し、窓口の開設時間を延長すること。
市民にとって、窓口の開設時間に対する不満は高く、現在の証明書発行コーナーの機能ではカバーしきれない部分が多く、より充実した時間外対応を検討されたい。
区役所業務のうち特に市民ニーズの高い証明書発行業務につきましては、ターミナル証明書発行コーナーにおいて、市民ニーズに応えるため、月曜日から金曜日までの午後7時まで開所しているほか、平成15年10月から、土曜日につきましても午前8 時30分から午後5時まで開所しています。
また、区役所・支所におきましては、平成16年6月から、仕事の都合等で来庁できない方のために、正午から午後1時までの昼休み時間帯についても、戸籍謄抄本や住民票の写しの発行、住民票の届出の受付及びその異動に伴う国民健康保険や乳幼児医療等の届出の発行、市府民税の申告並びに母子健康手帳の交付等、全課において窓口業務を実施しています。
今後とも、これらの取組をより一層の市民周知を図るとともに、市民の目線に立った、より満足度の高い市民サービスを提供できるよう、努めて参ります。
現在の図書館の利用客は、市民全体の4分の1程度であるものの、年々増加傾向にあり、市民の学習意欲は高く、その市民のニーズにこたえるべく、「華やぎのあるまち」づくりの一環としての図書館機能の充実をより一層推し進めるべく、鋭意取組を進めてられているが、未だ時間延長されていない図書館においては、現在の17時、19時半の閉館時間では、十分に市民の皆様が利用できないことから、引き続き開館時間を延長されたい。
地域図書館の開館時間につきましては、平成12年度の左京図書館の夜間・祝日開館実施以来、毎年度拡充を図ってきており、現在全20館で祝日開館、18館で夜間開館を実施しております。
開館時間は、中央図書館3館では午後8時30分まで、地域図書館では午後7時30分まで(岩倉・東山・吉祥院・向島・久我のもり図書館では月曜・木曜の午後7時まで)夜間開館を実施し、勤め帰りの方などが気軽にお立ち寄りいただけるよう努めております。
平成18年度には、吉祥院・向島・久我のもり図書館の3館で夜間開館を実施しており、さらに平成19年度からは、久世ふれあいセンターと醍醐の2館で新たに夜間開館を実施し、全地域図書館で夜間開館を行って参ります。
今後とも、市民の皆様に親しまれる図書館、利用しやすい図書館を目指し、図書館サービスの一層の向上を図って参ります。
HIVの感染者は年々増加傾向で、特に地方大都市圏での増加が指摘されている。京都市でも感染者・患者数が平成14年以降9人、11人、21人と大幅な増加が報告されている。
京都市の保健所で行われているHIV検査は、地元区役所では週に1回午前中のみで、夜間検査も月に2回下京で行われているのみである。利用者にとって大変不便であり、通常の場合、月に2度も半休を取り検査に行かなければならない。
これらは、2度の来所の不便さや平日の日中に来所出来ない等といった理由から、その場で結果のでる迅速検査、夜間休日等の時間外検査は大変効果を発揮している。特に迅速検査は、栃木県が皮切りだが、受検者は前年の3倍、その他自治体でも大幅な伸びを見せている。
厚生労働省によるHIVに関する特定感染症予防指針見直し検討会の報告書にも、保健所による相談・検査の充実は重点項目としている。
それらも踏まえ、迅速検査・時間外検査に早急に取り組むこと。
HIV対策につきましては、エイズ患者・HIV感染者が増加する中、平成7年に京都市HIV対策基本方針を作成し、普及啓発事業、保健所における無料検査、相談・カウンセリングの実施を柱に取り組んでいます。
普及啓発につきましては、リーフレットの作成、配付、啓発ポスターの作成掲示、世界エイズデー(12月1日)関連啓発事業を実施し、市民への周知、啓発を図っています。
検査につきましては、各保健所における無料・匿名による検査を実施しており、平成17年6月からは下京保健所において毎月第2・第4木曜日に、夜間HIV検査を、平成18年のエイズ検査普及週間(6月第1週)に土曜検査を実施しています。
更に受検者の利便性の向上を図るため、平成19年1月から検査結果が当日にわかるHIV迅速抗体検査の試行実施を行うとともに、平成19年度予算におきましては、HIV休日検査に係る予算を確保しており、検査体制の充実を図って参ります。
現在、京都市財政の中で生活保護費は年々増加傾向にあり、財政圧迫の一因とも言われている。
京都市では325人で27000世帯を担当、83世帯に一人のケースワーカーを配置(国基準80)し、毎月訪問を始め、丁寧なフォローがなされている。
然しながら、年間300件に上る不正受給が公になっている。実質は、それ以上の件数がある可能性が高い。
不正受給のような由々しき問題は徹底的に排除していくことが、公平公正な税の再配分を維持する為にも、生活保護に対する市民の正しい理解の為にも重要であることから、更に踏み込んだ総合的生活実態の調査の実行に鋭意取り組まれたい。
また、不正受給者に対しては厳しく対処することを要望する。
生活保護の適正な執行につきましては、本市では、これまでから生活保護制度の適切な運営に取り組んでおり、国基準を上回るケースワーカーの配置や就労支援員の配置など実施体制の整備を図るとともに、生活・収入実態の把握や就労指導など、生活保護の適正実施に努めています。
なお、就労支援員につきましては、平成19年4月から現行の2名から3名体制に拡充し、決め細やかな就労支援を実施して参ります。
被保護者に対しては、収入申告を年4回求めるとともに、課税状況等の収入状況を年1回調査し、その結果、不正に申告しなかった収入を発見した場合は、過払いとなった保護費を返還させています。
今後とも、制度の信頼を損ねないためにも、不正受給に対しては、厳正に対処して参りたいと考えております。
低所得者向け住宅として発足した公営住宅の在り方を再認識し、滞納が生じる背景と根本的な解消に向け民間に準じた形で、市税滞納問題と同様、より厳しく収納率向上に努めるべきである。
事実、司直の手に委ねた場合、行政が裁判費用、強制執行費用の負担をし、その上、滞納家賃を徴収できないという惨状である。
また、公営住宅における家賃滞納は、厳しい財政により拍車をかけるものであり、傷口を広げない為にも、公正・適正な回収の実現に向け、3ヶ月から半年を越える滞納家賃に対して強制執行も辞さない強い覚悟で望まれることをを強く要望する。
公営住宅の家賃滞納整理につきましては、市営住宅管理上の最重要課題の一つとして納入指導を強化し、収納率の向上に努めて参りました。
これまでから公営住宅の入居者は、低額所得の住宅困窮者であることを考慮し、滞納が生じた入居者へは、一律に法的措置を採るのではなく、まず納入努力を促す指導に力を入れております。その結果、多くの滞納者は、その指導に応じ、滞納の解消に努めております。
なお、市歳入の確保と公営住宅の公平性を図るため、3箇月から半年を超える滞納者につきましても、支払努力の期待できる者へは電話及び臨宅指導などのきめ細かな指導を継続し、滞納家賃の回収に努めるとともに、これらの納入指導にも応じない悪質な滞納者に対しては、強制執行も辞さない法的措置の対象者としております。
京都市の自転車保有台数は、94万台(自転車協会データ 平成9年)、実質は100万台以上に上る。歩く街 京都を標榜する京都市であるが、まだまだ駐輪場の整備は行き届いていない。
9月に策定された新自転車総合計画はその点において大きな前進であるが、中心部一部への設置であり、京都市全体から考えると更なる取り組みを進められたい。
放置自転車対策につきましては、平成12年3月に策定しました「京都市自転車総合計画」に基づき、自転車等駐車場の整備をはじめとする自転車利用環境の整備と、放置防止啓発や放置自転車等撤去などの利用マナー・ルールの確立を両輪として、取組を進めております。
平成18年10月には、都心部の放置自転車などの抜本的な解決を図る取組として「都心部放置自転車等対策アクションプログラム」(以下「アクションプログラム」といいます。)を策定し、その中で、生祥小学校プール跡地、御射山公園地下及び新京極公園地下に自転車等駐車場の整備を計画しております。平成19年秋の完成に向け、生祥小学校プール跡地の自転車等駐車場の整備を財団法人京都市駐車場公社により進めて参ります。
また、自転車等駐車場の整備につきましては、本市と関係事業者が協力・連携して進めており、平成18年4月に、京阪電気鉄道株式会社において京阪中書島駅駐輪センターの増設、財団法人京都市駐車場公社において寺町臨時自転車駐車場が増設され、平成18年11月には、京阪電気鉄道株式会社において京阪四条駅に自転車等駐車場が開設されました。
さらに、平成19年度も地下鉄東西線の延伸に伴い、天神川駅(仮称)の自転車等駐車場の整備を本市により進めて参ります。
なお、アクションプログラムの中で掲げている自転車駐車場付置義務の強化及び新たに創設する民間自転車等駐車場整備助成金制度については、京都市全域を対象とした取組であり、民間による自転車等駐車場の整備を促進して参ります。
今後も引き続き、関係機関や地域住民との協力、連携を図りながら、様々な手法で自転車等駐車場の整備を進めて参ります。
今日までの京都市の防災対策において、消防団の地域災害活動にかける不断の努力は大変大きく、それにかける情熱と多大なる労力に対し、市としてより一層充実した支援と団員の処遇の向上を求めます。
同時に、団員の高齢化は、年々顕著化していることから、広報力を高めることや京都ならではの大学生の有効活用、若手団員の獲得と育成に努めることを引き続き要望する。
消防団員の御労苦に応え、安全かつ効率的な活動を支援するため、平成14年度から無線機による通信連絡体制の整備を実施致しましたほか、平成17年度から3箇年計画で14の消防分団に小型動力ポンプ付積載車を配備し機動力を向上させて参りました。
また平成16年度に出動手当を見直し、支給基準及び支給対象範囲の拡大を図るとともに、国の改正に合わせて退職報償金を充実させたところであり、今後も社会情勢の動向を見据えたうえで、適正化に努めて参りたいと考えております。
若手消防団員の確保につきましては、10代〜30代の若者をターゲットにしたポスター・ビラを作成するとともに、消防団紹介のビデオ・DVD、ホームページなど各種広報媒体を活用し、消防団の意義や活動を広く市民に対してPRを行って参ります。
また、財団法人大学コンソーシアム京都が実施している単位互換制度の履修科目として「京都市消防論」を開講し、大学生に対して消防団活動の概要を説明するとともに入団勧奨を行っております。
さらに、女性消防団員の制服及び男性消防団員の夏制服等のデザインを一新してイメージアップを図るとともに、小型動力ポンプ付積載車、自動体外式除細動器 (AED)及び消防団無線の整備など装備の充実強化、応急手当や無線免許等の資格付与を実施し、引き続き魅力ある消防団づくりを推進し、入団促進に努めて参ります。
既に京都市の自主防災会への取り組みは目を見張るものがある。
災害時における2次火災、3次火災の防止や応急処置を含む救急体制、防火活動等、災害に対処する為の市民の意識の改善と知識の向上は防災の観点で極めて重要な問題である。
それに係る啓蒙と地域住民が主体性をもって、これらの活動に従事できる自主防災組織の育成は必要不可欠であり、更なる育成に努められたい。
阪神・淡路大震災以降、市民の防災意識向上と自主防災組織の活動強化を図るため、救出救護用器材の配備、自主防災リーダーの育成など自主防災組織の育成強化に努めてきました。
平成12年度からは、本市で開発した「防災カルテ」を活用して住民の皆さんに防災情報を提供し、住民自ら自主防災体制づくりをしていく「身近な地域の市民防災行動計画づくり」事業を推進しています。
平成18年12月末現在、市内自主防災部の76%で計画が策定されており、こうした自主防災部について、計画を有効に実践していただけるよう、きめ細かな指導に努め、防災意識と災害対応力の向上を推進して参ります。
さらに、各自主防災組織の意見交換の場として、平成17年度に概ね行政区を単位として市民防災会議を創設し、情報の共有化を推進しています。
5000万人に向けご尽力いただいているところであるが、観光客誘致競争は年々激化しているところである。特に海外観光客誘致においては大きな需要がある。
京都市の努力もさることながら、ここは民間活力を導入しさらなる強化を図るべきである。旅行会社各社のトップエージェントを招聘する、シティーセールス予算を増額し自由度を高める、など民間の力を大いに活用し取り組まれたい。
外国人観光客誘致につきましては、これまでから、国が進めるビジット・ジャパン・キャンペーンとの連携の下、現地における観光宣伝、旅行エージェントや雑誌・テレビ等のマスコミ関係者の招聘事業等を実施するなど、京都の魅力の発信に努めております。
また、平成18年8月には、韓国・ソウル、中国・北京、オーストラリア・メルボルンの3箇所に海外情報拠点を設置したところであり、京都の観光事業に精通し、かつ現地の旅行エージェントやメディア等に大きな働きかけができる民間の団体等への業務委託を通して京都への誘客を図って参りたいと考えております。
平成19年度は、海外情報拠点のアメリカ、台湾への設置拡大を図ることとしており、今後とも、民間の力も大いに活用しながら、外国人の観光客の更なる誘致に努めて参ります。
稟議、決済をはじめ辞令書に至るまで、原則、電子化を進めるとともに保管媒体としての冊子を全廃させ、データ保管へ移行させること。事務の効率化と経費削減を進めるために、役所内のペーパーレスを推進し、無駄なコストを削減させるべきである。
そういった観点から、現在取組が進められている電子化による文書管理システムは大変有効であり、一刻も早い完全実施を要望する。
文書管理システムにつきましては、平成19年度から運用を開始することとし、平成18年度は、約4、000人の職員を対象にした操作研修の実施(7月〜12月)、操作マニュアルの作成、全所属における試行運用等、文書管理システムの円滑な運用開始と早期の定着を図るための取組を鋭意進めております。
文書管理システムの運用開始後は、電子文書の利点を生かし、事務処理の効率化、意思決定の迅速化、ペーパーレス化等当初の目的を最大限実現することを目指します。
2004年に高齢者・障害者等配慮設計指針というJISの指針が出され、それに伴いウエブアクセシビリティの向上が自治体HPにも求められている。
特に、PDFファイルは、音声システムに対応できず、視覚障害者の方は読上げができない状況にある。
PDFの操作の簡便性は理解できるが、慣れれば、ほんの数分で普通のテキスト変換が可能であることから、よりよい市民に愛されるHP製作に向け、取り組まれたい。
本市では、平成16年6月に「京都市ホームページ作成ガイドライン」を作成し、のその中で、障害の有無や年齢などに関係なく、誰もが同じようにインターネット上で提供される情報を利用できるための留意事項として「アクセシビリティガイドライン」を定め、当該ガイドラインに即したホームページ作りを進めております。
その取り組みの一環として、平成17年2月には、視力の低い方などにも快適にホームページを閲覧していただくための「音声読上げ・文字拡大・配色変更サービス」を開始しています。
今後は、ホームページに関する専門的な知識がなくても、すべての職員が高齢者や障害者に配慮したホームページを作成できる、「ホームページ作成支援システム」の導入を進めて参ります。
平成5年に施行された「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき行われている特定優良賃貸住宅制度であるが、行政のスリム化論議の中で、これらに対し、行政が主体となって今後も制度を維持し続けることの必要性については、議論がなされるべきであり、改廃も含め検討されたい。
特定優良賃貸住宅制度につきましては、これまでに134団地2,783戸を供給し、一定の成果を挙げて参りました。
今後は、人口の減少やいっそうの高齢化が進む現状を踏まえ、高齢者向け優良賃貸住宅への転用等により、更なる活用を図って参ります。
公営住宅の目的は十分に理解できるものであり、これまで市民の住環境の向上に大きな役割を果たしてきたが、今、大きな岐路に立っている。そこで、従前から続く制度を大きく変革する必要に迫られている。
そこで下記のとおり改革されるよう強く要望する。
現在、京都市の新交通体系の一環としてLRTの導入についての検討が始まっている。
然しながら、LRT論議を行う前に、具体的な京都市の交通体系における20年、30年先に渡るグランドビジョンの策定が先ではないでしょうか。市電の廃止の経緯を再確認し、古都という元来、車両通行を前提としない道路体系を培ってきた京都を再認識し、慎重にご検討を頂きたい。
また、LRT導入の最大の効果は、車両の定時制確保であり、その点から、LRTよりも、まず費用負担のない現状のバス路線の定時性確保をいかに図るかを再度検討するべきである。
道路管理者責任で、違法駐車に対して厳しく対処できるよう方策をご検討願いたい。
市電が廃止された昭和53年当時は、自動車交通の急増により交通環境が変化したこと、維持費や人件費の高騰により財政が悪化したこと、地下鉄とバスを中心とした都市交通体系が政策として位置付けられたことが、時代背景としてありました。
しかしながら、近年の公共交通を取り巻く環境は、自動車に過度に依存しない市民生活への転換の促進や地球環境に対する意識の高まりや技術的進歩による車両の性能向上が見られるなど、市電廃止時とは大きく変化してきております。
このため、本市においては、「「歩くまち・京都」交通まちづくりプラン」に基づく、総合的な交通政策を進める中で、輸送力や経済性などを考慮した適切な輸送手段が求められており、鉄道・地下鉄とバスの中間の機能を有するLRTなどの中量輸送型の新しい公共交通システムが有効であると考えております。
しかしながら、LRT導入に当たっては、車線減少に伴う渋滞などの自動車交通に与える影響など多くの課題があることから、市民や関係者と議論を尽くすことが重要であると考えており、モデル路線である「今出川線」沿線における意見交換会(18年7〜10月)や交通社会実験(19年1月)の結果を慎重に分析・検証し、総合的に見極めていく中で、全市的視点から「歩くまち・京都」にふさわしい新しい公共交通システムのあり方について検討して参ります。
一方、市バスの定時性確保に向けた取組につきましては、これまでから河原町通等において、毎週金曜日に職員による啓発活動を実施しているほか、バス専用レーンなど公共交通機関優先の交通規制の拡充、違法駐停車取締の強化などを関係機関に対し要望してきました。
その結果、京都駅前の違法駐停車車両の取締の強化が実施されたほか、平成13年4月には烏丸北大路〜西大路四条間(6.5q)で「公共車両優先システム (PTPS)」が運用開始、さらに、平成14年4月には西大路四条〜九条車庫前 (5.0q)まで延長され、市バスの走行環境改善に一定の効果が得られております。
また、本市と京都府警察の連携を強化するため、毎年定例的に行っている京都府警察との会議(市バス連絡会議)を通じ、バス専用レーンの実効強化に向けて協議を行っているところでありますが、所轄署に対しても公共交通優先の交通規制や違法駐車取締の強化等の取組について要望を行っております。
さらに、平成18年度から新たに府警本部と連携して、バス専用レーンのPR等のため、免許試験場において、免許更新者に「走行環境改善PRチラシ」の配布を行うなどドライバーに対する啓発について推進しております。
平成19年度においても、「市バス連絡会議」等を通じ、本市と京都府警察の連携を強化するとともに、他の関係機関とも積極的に協議を行い、市バスの円滑な運行を確保して参ります。
建築確認の民間検査機構委託は、極めて有効な制度であるが、昨今、民間検査機構の許可した建築確認に誤りがあるケースが指摘されている。
京都市でも本年7月に建築確認の取り消しがあった。現在、一旦認可した民間検査機構は各個別案件に対し、当局は現在チェック機能がない。
したがって、抜き打ち的な調査を行い、その安全性、確実性を担保できるように努められたい。
本市では、「京都市・指定確認検査機関連絡会議」を定期的に開催し、建築基準関係規定の周知徹底を図るなど、民間の指定確認検査機関が行う建築確認及び検査が法令に基づいて適正に行われるよう指導しております。
また、指定確認検査機関が行った建築確認に対しては、本市に提出される報告書をチェックし、疑義があるものについては確認申請書の提出を求め、本市が再審査を行っております。
耐震強度偽装事件が発覚した後、指定確認検査機関に対して、抜き打ち的に確認申請図書の提出を求め、現場調査を行うなど、チェックの強化を図るとともに、平成18年2月から中間検査制度を拡充し、マンション等の建築物については、基礎配筋工事完了時に加えて3階床の配筋工事完了時も検査を義務付けるなど、いち早い対応を取りました。
さらに、構造計算を専任で審査する職員を配置し、構造審査体制を強化しております。 一方、国土交通省は、耐震強度偽装事件を受けて、平成18年6月に改正建築基準法等を公布しました。この改正は建築物の安全性を確保するための構造審査及び検査の方法を抜本的に改めるとともに、指定確認検査機関から特定行政庁への報告項目の大幅な増加、指定確認検査機関への特定行政庁の立入検査権限を創設するなど、特定行政庁の指導監督権限を大幅に拡充するもので、公布後1年以内に施行されます。
本市としましては、この改正建築基準法を確実に執行することにより、従来にも増して、安全・安心の建築指導行政の推進に努めて参ります。
廃食油拠点回収の拠点確保については既に950箇所、2000箇所目指してご尽力頂いております。
滋賀県東近江地域振興局では2005年7月よりガソリンスタンド経営9業者11店が協力をし、拠点回収を始めた。
これは、油の保管等においても専門性を持った事業者であることから、京都市でも回収拠点の拡大につながる事から実施に向けた取り組みを進められることをご提案申し上げる。
使用済みてんぷら油から再生した、環境にやさしいバイオディーゼル燃料である「みやこ・めぐるオイル」をすべてのごみ収集車と一部の市バスに使用する廃食用油燃料化事業につきましては、平成18年12月現在、市内全学区の7割を超える 161学区、1,003箇所に回収拠点が設置されております。
これは、ごみの減量・リサイクル活動を実践するために各学区単位で組織された「地域ごみ減量推進会議」など関係団体の皆様の協力の賜物でございます。今後の拠点拡大に向けた取組と致しましては、区役所やガソリンスタンド業界も含めた事業者などとの連携を一層充実・強化する中で、町内会、各種団体が一体となった取組を推進するとともに、平成16年6月にオープンした燃料化施設の見学者への周知などをはじめ、あらゆる機会を通じて啓発に努めて参ります。
それらの取組を進めることにより、回収拠点が設置されていない学区の早急な解消と「京都市循環型社会推進基本計画〜京(みやこ)のごみ戦略21〜」に掲げる平成22年1,500拠点、平成27年2,000拠点以上の目標数値の達成、ひいては「循環型社会」「脱温暖化社会」の構築につながるものと考えております。
京都市は観光客5000万人構想に向け、様々な取り組みが進められているところであるが、観光客誘致に関しての広告宣伝費用の捻出も限られており、いかにコストをかけずにPRを進めていくかが重要な鍵を握ることは自明の理であります。
そこで、マスコミ各社等に更なる京都のPRを進めて頂く為にも、奈良などで取り組まれている観光PR大賞を京都でも創設し、表彰できる制度を発足されたい。
本市では、「京都・花灯路」事業等のイベントや観光客誘致キャンペーン等の実施を通じて、旅行業界や運輸機関、マスコミ・報道機関と連携を図りながら、京都観光のPRを進めているところであります。
また、京都の観光業界関係者や京都ゆかりのタレント・文化人、学識経験者、市民等から成る「おこしやす京都委員会」の各委員は、京都市観光大使として、各方面で京都への観光客誘致のPR活動を行っていただいております。
今後とも、多くの観光客の方に、的確できめ細かい旬の京都情報が提供できるよう、マスコミ各社をはじめとする関係機関との連携の下、多様な手段により、観光PR の強化に努めて参りたいと考えております。
国際会議誘致は京都市にとって大変重要な課題のひとつである。
2008年開催予定のサミット誘致に向け、関西のみならず、関東方面からも手が上がる現在早期の開催地決定が望まれるところだが、大阪との共催に向け京都市を挙げてより一層の取組みを進められたい。
サミットの京都開催は、京都の魅力を全世界の人々に知っていただく好機であり、京都がコンベンション都市として、更に飛躍するための契機となることが期待されてみいます。
加えて、サミットという重要会議の開催により、そのノウハウの蓄積がなされ、国際会議に精通した人材の育成にも寄与するものと思われます。
このような理由からも、平成19年春頃に予定されているサミット開催地の決定に向けて、まず、京都、大阪及び兵庫の3府県、政令市及び経済団体で構成する「2008年関西サミット誘致委員会」により、「関西サミット」の実現に向け、国への要望を中心に活動を行っております。
また、京都市、京都府、京都商工会議所をはじめ、文化、観光、学術団体など36の団体で構成する「2008年関西サミット京都誘致推進協議会」を中心に、オール京都の体制で、首脳会合の京都開催に向けて取り組んでおります。
引き続き、関西サミットの実現と、首脳会合の京都開催の実現に向けて、強力に誘致活動を行って参ります。
市役所の老朽化に伴う建て替えについては、基金の切り崩しや財政状況の悪化により見送りが続いているが、震災対策や職場環境の悪化など建て替えは目下早期に実施しなければならない問題である。
しかしながら、全体の建て替え、特に、本庁舎の建て替え費用は膨大であることから、押小路北側の公用車駐車場となっている場所の建設だけでも早期着工を行い、本庁舎の負荷を軽減すべきである。
PFI手法や起債等含めありとあらゆる手段を検討され、早期着工されたい。
現市庁舎の整備の在り方につきましては、平成18年度においては、過去に実施してきた耐震調査等を踏まえながら、市庁舎の整備計画案の策定を行うに当たっての基礎資料を作成しているところであり、さらに平成19年度は、整備案のバリエーションごとの費用対効果の精査や耐震調査の追加実施などを行い、「市庁舎整備の基本的な考え方」を取りまとめて参りたいと考えております。
私自身で行った京都市立中学校卒業生を対象にした中学社会科指導実施に関するアンケート調査結果から、中学社会科、即ち地理・歴史・公民の三科目を通じ最後までしっかり習ったと回答した生徒は実に全体の34%に留まると言う事実、「飛ばし・中抜き」の常習化、教科書の後半に行くに従い見られる履修率は低下するといった実態が明らかになった。
郷土愛を育み、日本の、京都の、風土、慣習、文化、歴史認識を正しく、より深く理解し、この国の社会システムを学び、日本国民として、京都市民として、なにより社会人としての素地を育てることが義務教育に課せられた責務であります。
今一度、教育の原点に立ち戻り、その重責を再認識され、素晴らしい若人を世に送り出して頂きたいと切に願うとともに、指導漏れがなきよう学習指導要領および授業の進捗状況の徹底管理を行われたい。
子どもたちに、確かな学力、豊かな心と健やかな体を育むことは、義務教育に課せられた責務であり、そのためにも、学習指導要領に示された基礎的・基本的な内容を確実に指導することが必要であります。
本市におきましては、全国の大都市で唯一、全ての教員が学習指導要領等に基づく単元別の学習指導計画を作成して事前に校長に提出し、その指導の下、計画的・継続的な学習指導を進めております。
また、定期テストの機会や学年会議、教科会議などにおいて、学習の進捗状況の把握と調整を行っており、今後とも、こうした取組の一層の徹底を図って参ります。
現在、京都市における地域コミュニティーとは、基本的に学区単位に形成され、小学校はふれあいサロンを設置する等、地域と密接に連携を取り運営を行っていることは、学校の生い立ちに始まる歴史を紐解いても大変高い評価ができる。
近年進む核家族化の進行は、教育に大変大きな影響を与える少・青・壮・老の関わりを希薄にし、地域との関わりや郷土愛が希薄になり、ひいては口伝文化の継承にまで影響を及ぼす大きな問題である。
即ち、地域が子供を育てていくというスタンスは、これらに派生する問題の抜本的解決策のひとつであり、その舵取りは、やはり小学校にある。
したがって、現在教育委員会が取り組んでいる「地域との連携」について機能面を中心にますます強化されたい。
本市では、授業だけでなく給食や掃除時間等いつでも学校を訪ねていただける「自由参観」や学校便りの地域回覧、ホームページの全校開設等、積極的な情報発信に取り組むとともに、ボランティアとして2万人近い地域の方々が授業をはじめ様々な体験活動・登下校時の見守り活動等において学校を支援していただいております。
また、全国に先駆け、平成13年度に学校評議員を全校に設置、さらに平成15年には外部評価を含む学校評価システムを全校で導入し、各校では、家庭・地域が学校を高めるとともに、学校が家庭・地域を高める相互関係の構築を目指して、教職員による「自己評価」と保護者や地域の方々による「外部評価」を計画的に実施し、さらに、評価結果の公表を通して、学校・家庭・地域が相互の評価を共有しながら、子どもたちの豊かな「学び」と「育ち」の創造に取り組んでおります。
こうした中、地域や保護者の幅広い意見を学校運営に反映するとともに、「子どもたちのために何ができますか」をキーワードにボランティアで学校運営に参画してもらい、校長を中心とした学校運営の強力なサポート体制を創設する「京都方式」の学校運営協議会の設置を進めており、平成16年11月の御所南、高倉小学校、京都御池中学校の実践研究校3校を皮切りに、平成17年度には17校、さらに平成18年12月までには、全国最多となる39校に学校運営協議会を設置しており、さらに平成18年度中には50校以上に拡大して参ります。
今後とも、教職員による「自己評価」と保護者や地域の方々による「外部評価」、さらに児童生徒による評価を相互に関連づけ教育活動のより一層の改善に取り組むとともに、各学校の評価システムの客観性・信頼性を担保するため設置した学識経験者等による専門委員会の検証に基づき、学校への指導・助言に努め、また、学校運営協議会の設置校の更なる拡大を図るなど、地域の子どもは地域で育てる「開かれた学校づくり」の推進に努め、学校が地域・家庭を高め、地域・家庭が学校を高める双方向の関係づくりを積極的に推進して参ります。
郷土を愛し誇りに思う心を育てることは、将来の京都市民を育てていく中で、地域を担う人材を育てるにも、地域の発展にも、様々な観点から地域にとって有益かつ大切なことである。
郷土愛の育成は、生徒ひとりひとりの心の拠り所として、失われつつある、生まれ育った郷土を愛し、郷土の為に貢献していくという、人間の根底にある心を育んでいくものである。
日本人の心のふるさとである以前に、京都人のこころのふるさとであるという認識をしっかり持つことが肝要である。
すでに、総合学習や社会科の時間で取り組みを行われているが、京の都の変遷と現状、元学区の地元の歴史、地域社会教育、そして将来像へと、多岐に渡り強化していかれるよう要望する。
子どもたちに郷土を愛し誇りに思う心を育てることは、景観の保全や文化の創造など、世界に誇る京都を市民の手で作りあげるとともに、京都を我が国の歴史文化の象徴として保全・再生・創造し、活用・発信する「京都創生」にも繋がるものであります。
こうした認識の下、本市においてはこれまでから、社会科や総合的な学習の時間を中心として、校区の歴史・文化・産業等の学習に全ての学校で取り組んでおります。また、西陣織や茶道・華道、能・狂言など、伝統工芸や伝統芸能に携わる地域の方々を講師として招き、地域との連携を図りながら伝統文化を体験的に学習する「京の雅」探求総合推進事業など、京都及び地域に息づく伝統文化、伝統芸能、伝統産業を児童・生徒が直接体験する学校教育活動を推進することにより、我が国の伝統と文化を理解し、それらを尊重する態度の育成を図って参りました。
さらに、市民ぐるみで京都から日本の伝統や文化を引き継ぐ子どもたちを育成するため、平成17年11月、経済界代表や学識経験者等に参画いただき、推進プロジェクトを立ち上げ、「知識」とともに子どもたちの感性を磨ぎ澄ます茶道、華道、伝統行事などの「体験」を重視した「歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定」(ジュニア京都検定)を創設致しました。平成18年11月に実施した「基礎コース」では、約2万2千人の京都市内の小・中学生等が受検し、知識と体験をあわせた学びが、学校はもちろん、家庭や地域で育まれており、子どもたちが一層自分たちの住むまちを好きになるきっかけとなっております。
また、平成19年2月には「発展コース」を実施し、さらに、平成19年度は、「名人コース」の開設や「名人コース」合格者のジュニア京都観光大使への任命を行うなど、ジュニア京都検定の取組を充実・発展させて参ります。
本市と致しましては、今後とも、地域のボランティアや経済界等の幅広い御協力を得ながら、子どもたちが郷土を愛し、誇りに思う心の育成に向けた取組を推進して参ります。
児童虐待については、昨今の報道にもあるように虐待死に至るケースまで見られ、その傾向は年々激化している。本年児童福祉法、児童虐待防止法の改正に伴い、通告件数は大きく増加し、本年は15年に比べ約2倍近い通告件数が見込まれる。
しかしながら、児童相談所の児童福祉司、児童心理司の数は数年微増に留まり、現状においてはより手厚いフォローは見込めない状況にある。
長岡京市のような痛ましい事件を再び起こさないよう、予算、人員ともに増額増員し、この状況に対処されたい。
本市におきましては、平成12年11月の児童虐待防止法施行以降、児童虐待対策の充実・強化に向けて、平成13年には児童虐待通告後48時間以内に児童の安否確認を行う「子ども虐待防止アクティブチーム」の設置や、24時間体制で児童虐待に関する相談や通告を受け付ける「子ども虐待SOS」専用電話の開設等、早期発見・早期対応に向けた体制の充実を図るとともに、国基準を大きく上回り、政令市1位となる児童福祉司を配置しております。
平成15年には、「子ども虐待防止アクティブチーム」の児童福祉司を2名増員、一時保護所を1名増員したほか、法的な対応が必要な事例への対策の強化のため「協力弁護士制度」の創設等、より一層体制整備を図りました。
平成16年には、児童福祉司を2名増員し、児童虐待の専門チームを2班体制にし、虐待を行った保護者に対する指導や被虐待児童の施設入所後の親子関係の再統合に取り組む「子ども虐待ケアチーム」を設置するとともに、児童相談所の指導援助を拒否する保護者に対しては、民間の専門機関に委託してカウンセリング等の指導援助を行う「児童虐待保護者カウンセリング」事業を実施しました。
また、より広範な市民への働きかけと啓発を通じて、児童虐待の防止に取り組むため、「児童虐待防止ホームページ」を開設しました。
平成17年には、児童福祉センターの機構改革により、児童相談所は要保護児童対策・虐待防止子育て支援部門を担い、その機能を養護、虐待、非行、育成相談などに特化することで、増加する児童虐待の予防の強化、地域ネットワークの支援、早期発見・早期対応と初期対応後の指導の強化を図りました。
さらに、同年12月から保健所及び福祉事務所において、子育てに対して不安や孤立感等を抱えるなど、育児への支援を必要としながらも、自ら積極的に支援を求めていくことが困難な状況にある家庭を早期に把握し、保健師や保育士等の専門職員による家庭訪問を通じて支援を行う「育児支援家庭訪問事業」を開始しました。
平成18年におきましても、虐待による施設入所児に対する心理面におけるケアの強化、家族再統合を推進するための専任の児童福祉司2名を配置しました。
今後も、急増する児童虐待相談・通告に適切に対応できるよう、引き続き、児童相談所の機能強化に努めて参ります。
現在、全国の自治体病院で表題の問題が検討されているが、現在の京都市立病院の現状は、そういった問題を検討する為の経営分析材料に欠けるところがある。
まず診療科ごとの職別損益計算を至急に作成し、今後の材料にされるよう取り組まれたい。
また、現行の制度は、極言、経営判断を下せる経営者不在の制度といっても過言ではない制度である。
それらを踏まえた上で、慎重に検討せねばならない課題ではあるが、地方公営企業法の全部適用を今後十二分に検討されたい。
京都市立病院における経営分析につきましては、地方公営企業法において「常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営しなければならない。」とされていることを踏まえ、自治体病院として、市民の安心・安全を守るために民間の医療機関等では採算面から安定した供給が困難な感染症医療、救急医療、高度医療等を提供するとともに、企業としての効率的かつ安定した経営を維持していくため、診療科別等のコスト分析を行い、的確な経営を行っていく必要があると考えております。
このため、分析において必要となる診療科別の材料の使用状況をデータベースとして把握することを可能にする「SPDシステム」を平成18年8月から導入し、順次システムの稼働を進めております。
今後、SPDシステムのデータベースを整備することにより、診療科別等のコスト分析につなげていきたいと考えております。
地方公営企業法における全部適用につきましては、京都市医療施設審議会の答申においても、その検討を求められており、その方向性の是非について慎重に検討して参ります。
財政難が続く交通局については、更なる歳出抑制と適正かつ効率的な経営をより強化して頂く為に着実に、協力会委託業務に関して改善をして頂いておるところでありますが、下記のとおりさらなる見直しを断行されたい。
本市においては、事業の経営健全化、効率化を推進する中で、業務に精通しているOB職員が多く在籍する京都市交通局協力会(以下「協力会」という。)に、市バスの営業補助業務を中心に業務を委託することで、事業の効率化を図ってきました。それとともに、委託に当たっては、競争入札の導入や委託金額の抑制にも努めてきました。
また、駅売店などの構内営業についても、協力会を通じて事業を展開することで、交通局の収入確保に努めてきました。
平成16年5月には、交通局の更なる健全化の推進と委託業務のより一層の透明性を高めるため、「外郭団体見直し検討委員会」を設置し、委託業務内容や費用の検討を行ってきました。
さらに、平成17年2月市会における、宝くじ売場の構内営業料の大半を協力会が収入している点や委託業務の積算の見直しについての指摘を踏まえ、平成17年度に、宝くじ売場の事業者に対して直接使用許可し、協力会を介さずに交通局が使用料を収入する方式への見直しを行うとともに、回転場等における市バス誘導業務や燃料給油業務などについて、委託金額の積算方法を国基準に準じた方式へ統一することや業務内容の見直しを行いました。
平成18年度には、被服貸与業務、北山駅駐輪場管理業務について、競争入札等を実施しました。
今後も、交通局の更なる経営健全化の推進と委託業者選定の公平性、透明性の確保に努め、より競争性を高めるため、順次競争入札の拡大を図って参ります。
京都市財政は、財政非常事態宣言下において、現在、地下鉄事業に対し新たな事業を展開する余力はもはやなく、ましてやキロ当たり300億近い支出を要する事業を行うことは財政再建団体への道標を作るようなものである。
確かに、西伸問題においては、洛西ニュータウン居住者に対し、東西線延伸の約束の下誘致した経緯は理解できる。
行政にとって、住民との間における約束不履行との声もあるが、しかし、それは国家戦略として取り組んできた国土計画における全国高速道路網整備の問題と同様、一時凍結を迫られているのが現状である。
今は耐え難きを耐え、財政危機を乗り切ることが最優先すべき課題であることから、将来の京都市にとってより有効な選択を考えたとき、今はこれ以上の赤字を抱える延伸問題は一時凍結すべきであり、大英断を持って決断されるよう要望する。
地下鉄東西線の洛西への延伸につきましては、その大きな第一歩となる二条から天神川までの延伸事業に取り組んでおります。平成15年度からは国の財政状況が大変厳しい中、建設費に道路特定財源が充当され、現在、平成19年度中の一日も早い開通に向け、万全の体制で建設工事に取り組んでおります。
天神川以西への延伸につきましては、本市「基本計画」に掲げているほか、近畿地方交通審議会答申第8号の中で、抜本的な支援措置を前提に「中長期的に望まれる新たな路線」として位置付けられております。
しかしながら、本市の地下鉄整備につきましては、建設中の天神川延伸を含め、烏丸線、東西線の両線合わせて既に8,600億円もの巨額の建設費を投入しており、厳しい経営状況にある地下鉄事業や本市全体の財政状況を鑑みますと、現時点において直ちに延伸を実現することは、非常に困難な状況にあると考えております。
今後も、国の新たな支援措置に係る動向を十分注視しつつ、社会経済状況の変化や導入空間となる道路網の整備状況を考慮するとともに、低コストで建設するための整備手法などの検討を行って参りますが、当面は、天神川までの早期開通に向け、全力を挙げて建設工事を進めていきたいと考えております。
現在、各自治体では、自主財源の確保に東奔西走している。中でも新財源として広告収入の増加策は自治体が躍起になっている。
交通局は他の部局と比べて広告収入を得る為の豊富な資源がある。
そこで、交通局は他の部局に先駆け、広告収入増加における先兵としての役割を果たすべきである。
特にここ数年の交通局の広告収入の落ち込みは不況というキーワードで納めるには余りに大きい。しかしながら近々少しずつながら改善されつつあることから、引き続き今後の財源確保強化策の一環として、広告収入に力点を据え、広告収益が上る為のシステム構築と現実的な収益アップのポートフォリオを作成し、広告収益の改善に取り組むことを強く求める。
広告料収入につきましては、これまでの取組に加えて平成17年度から実施した地下鉄電照式看板複数一括契約割引キャンペーンなどの既存媒体の活性化策を中心に取り組んだ結果、平成17年度は、対前年度比4.6%増となり、10億円を確保することができました。
さらに、平成18年度におきましては、アドコラム広告やポスターボード広告など新規広告媒体の導入を図って参りましたが、平成18年10月には、平成20年度までに1億円の増収を図ることを目標として、幹部職員で構成する「広告販売促進チーム」を発足させ、広告代理店とも協力して企業や大学などへの販売活動を積極的に行うなど広告料収入の増収に結びつくよう取り組んでいるところです。
今後とも、ラッピングバスの更なる拡大やカード広告、バナー広告など、新規広告媒体の開発・研究への取組や、他都市での先進的な取組についての情報収集を積極的に行うことにより、それぞれの広告媒体の特長を生かした取組を推進し、広告料収入の増収に努めて参ります。
交通局では現在、国土交通省で決められた50%限度枠一杯まで目標を定め、一刻も早い目標達成に向けて管理者以下不断の決意と日夜たゆまぬ努力をされている事は、桝本行革の牽引的役割を果たしており、これに敬意を表する次第である。
しかしながら、これからの10年は団塊の世代退職の10年であり、まさに行政にとって決断のときと言わざるを得ない。すなわち、退職者不補充という対策によって職員の削減を行ってきた行政にとって、これを更に急加速度的に推し進めるのに絶好のタイミングである。
ただし、職員削減の問題は、20年、30年先の交通局に対し、大きな影響を与えることから、より慎重に、より早いタイミングで緻密な計算を持って実行しなければならない。
その為には、一刻も早く管理の受委託50%以上という壁を突き抜ける計画を立て、最終的に自前でどれだけの運行をするのかを明確にし、それに向け実行されることを要望する。
本市のバス事業は、少子高齢化の進展等、予測を上回るお客様の大幅な減少傾向に加え、平成14年2月に乗合バス事業の規制緩和が実施されて以降、新規参入が現実のものとなっており、公営交通事業者にとって一層厳しい環境が続いております。
このような大きな時代の変化の中で、本市交通事業におきましては、市バス・地下鉄のネットワークを維持し、将来にわたり市民の足を守りつづけるために,事業再生計画として平成15年4月に「京都市交通事業ルネッサンスプラン」を策定し、経営健全化の取組を着実に推進しております。
その中で、市バス事業の財政を健全化する重要な施策として、「管理の受委託」方式の市バス全車両数の2分の1までの拡大を掲げるとともに、循環系統などの基幹的な系統及び観光系統につきましては、直営で運営していくこととしております。
この2分の1という制限については、国土交通省からの通達で規定されているところですが、本市では、一日も早く経営の健全化を図るため、ルネッサンスプランの目標である市バス事業の平成21年度での経常収支の均衡及びその継続に向けて、取組の大きな柱である「管理の受委託」の市バス事業全体の2分の1までの拡大計画を1年前倒しし、平成19年度までに完了することとしました。
今後とも、引き続き市バス・地下鉄のネットワークを維持し、身近な市民の足として、利便性やサービス水準を低下させることなく安心して御利用いただけるよう効率的・効果的な事業運営に努め、147万人の京都市民の足を守って参ります。
今日まで走行環境の改善に向け様々な取組が関係官庁及び関係局と共に取組を進めてこられたが、近年のモータリゼーションの進展や運転手のマナー等々を考慮に入れると実質的に功を奏しているものは少なく、その中で最も効果を表しているものがこのPTPS(公共車両優先システム)である。
そこで、PTPSの更なる拡大を京都府警に対し強く要望をされたい。同時に、当システムは警察庁が推進するITS(高度道路交通システム)の一環であり、警察庁からの補助金を頼りに各都道府県警が整備するものである。
つまり、京都市交通局という一部局から乖離した国家施策であり、ただ単に府警に対し要望するのではなく、当システムの整備にかかる費用の一部を負担することも同時に検討されたい。
PTPSについては、本市から毎年府警本部に対し、拡大を要望しており、府警本部におかれても、拡大のための予算要求を府に対してされています。しかしながら、国の補助金がつかないこともあり、困難な状況でありますが、引き続き府警本部には強く要望して参ります。
なお、当システムの導入に当たって必要なバス車両に設置する車載機につきましては、これまでから交通局の費用負担により設置しております。
現在、国土交通省重点施策に挙げられる「バス交通再生プロジェクト」では、都市部の慢性的渋滞によりバスの走行環境が悪化する中、バスの走行環境改善に向け、バスカメラを利用したバス走行円滑化対策の取組を広島を皮切りに行っている。
これは、バス専用レーン、優先レーンにおいてバスの前方で違法走行、違法駐車している車両に対し、バス先頭に設置しているバスカメラで撮影し、GPSを通して、最終自動車の使用者へ告知をするといった試みである。これは現在の有名無実と化しているバス専用レーン、また優先レーンに対し、一定の効果が見られるものと考えられる。
そこで、実施事例を検証しつつ、京都市においても導入を検討されたい。
本市では、観光地を中心とした交通渋滞などの問題が、観光地としての魅力低下を招くとともに、市民生活に影響を及ぼしています。
こうした交通問題を解決するため,今後のTDM施策推進の指針として平成15年6月に策定した「歩くまち・京都交通まちづくりプラン」(京都市TDM施策総合計画)の中に、具体的な施策の1つとして「バスの円滑な運用」を盛り込んでいます。
市バスをはじめとする路線バスの運行につきましては、これまで市バスの定時制を確保するため,市内主要道路におけるバス専用レーンの設置(昭和49年12月から内総延長91.2km)や、違法駐車等防止重点区域における違法駐車等防止指導による啓発活動、府警との連携による違法駐停車車両への啓発活動を行っています。
しかしながら、依然として都心中心部では、バスの定時走行に支障を来していることから、都心部の主要道路における違法駐停車車両への啓発活動などを推進するため平成15年度から関係局などと連携し、四条通等におけるバスの走行環境改善の取組を実施しています。
市バスなどのバス走行環境を改善するためには,御指摘のようなバスカメラによ抑制も新たな実施メニューとして掲げられており, カメラの設置などの初期投資をと地方自治体で,カメラのデータ解析や保守管理などはバス事業者で負担するとい枠組みとなっております。
しかしながら,それぞれのランニングコストやメンテナス費用,年間を通してデータ解析をする人員の確保など,関係機関も含めて検討しなればならない課題も数多くあります。そのため, 施策効果の把握や取組のスキー概算費用などについて先行事例などを十分踏まえた検討をする必要があると考えております。
15年度単年度黒字を出した観光バス事業であるが、長年の経緯を見ると、長らく赤字が続いてきた経緯がある。この度の決算は、抜本的な改革によって強い黒字体質が作られたとは思われず、この黒字が今後も維持し続けられるかは不明である。
また、当事業は公営企業の本旨から乖離した付帯事業的な意味合いが強く、今後圧縮が求められる公営企業において存続させる必要性は考え難い。
そこで恒常的に黒字経営できない以上、事業は民間バス事業者に託し、当局としての廃止すべきである。
定期観光バス事業につきましては、平成15年に発売額の値下げやグループ割引制度の拡大など、抜本的な見直しを行い、平成17年からは、お客様のニーズに見合った「昼食付」・「昼食なし」の選択性コースの拡充や、季節区分の細分化など、一層の効率的な運営に取り組み、更なる集客に努めております。
平成17年度の実績と致しましては、交通局における在籍車両5両により1日平均 3.4運行を行い、年間約3万1千人のお客様に御利用いただいております。(京阪バスとの合計では、在籍車両49両、1日平均25運行、年間利用者数約25万7千人)同事業は、本市の掲げる「5000万人観光都市・京都」構想の一翼を担い、「新京都市観光振興推進計画」でも、安全快適に京都の歴史、文化に接していただける観光客の受入環境の整備として、その役割が期待されております。
このため今後とも、的確なニーズ把握に努め、より魅力的なコース設定や、体験コースや夜間コースの充実を図り、積極的な事業PRを展開し、利用客数の増加を目指すとともに、効率的な事業運営の徹底を図り、コスト削減を図って参ります。
地下鉄烏丸線鞍馬口〜九条駅間には駐輪場が設置されておらず、駅周辺は放置自転車が多数駐輪されている。
近隣の迷惑になるという観点からの近隣対策として、また歩く街京都を掲げる市政の一端を担われる立場として、お客様サービスの向上という観点から、早期の駐輪場設置を要望する。
本市の放置自転車等対策につきましては「京都市自転車総合計画」を基本とし、その一環として策定された「都心部放置自転車等対策アクションプログラム」において、都心部での駐輪場の整備に取り組むこととしております。
交通局としましては、駅周辺に駐輪場に転用可能な土地を有しておらず、また土地を購入し、新たに駐輪場を整備することも、現在の厳しい財政状況においては非常に困難でありますが、「京都市自転車総合計画」等の推進に当たり、交通事業者として、また行政の一部門として、積極的に参画して参ります。
併せて、自転車利用者の駐輪マナー啓発活動や、長期放置車両の撤去等、従来から行っている放置自転車等対策についても、引き続き取り組んで参ります。
現在、郵政三事業の民営化が中央において大いに議論をされているところであるが、水道事業は国民のライフラインを司る基幹事業において唯一残された「官」の領域である。かつてのような大々的なインフラ整備はほぼ終結を迎えた。
先進諸国を見渡せば、既に民営化の嵐が吹き荒れ、多くの先進諸国では水道事業が世界企業によって民営化されている。また、その流れは日本市場だけが例外ではなく、これらの企業が虎視眈々とこのマーケットに狙いを定めているのが昨今の水道事業を取り巻く環境である。
そう考えた場合、そう遠くない将来迫り来る民営化の問題を最小限に留めるも、独自の水道事業を展開するも、極めて高い競争力と強固な経営基盤を今、磐石にしなければならない。
そこで、それらを視野に入れたうえで、中期経営プランを前倒しで達成させ、その後の水道事業をいち早く見据えた計画の策定を強く要望する。
水道事業の民営化につきましては、安全、安心で低廉な水を安定して供給するという水道事業の責務を果たしていくため、今後とも、公としての経営の下で、経済性と公共性を踏まえた事業運営に取り組んで参ります。
水道事業の長期展望につきましては、平成16年度の水道局及び下水道局の統合を契機とした組織のスリム化及び企業改革を図るため、経営基盤の確立を目指し、企業改革の方向性を示す「上下水道事業中期経営プラン」を策定しました。さらに、この具体的施策として平成16年度から平成20年度の5箇年を計画期間とした「第3期効率化推進計画」を策定し、実施しております。
これらにより、大幅な人員削減、物件費節減、建設改良事業費縮減等を柱とする効率化を実施し、経営健全化に取り組んでおり、平成20年度までは現行水道料金及び下水道使用料を維持していくよう努めて参ります。
特殊勤務手当ての見直しを順次進めてこられた中で、未だその名目に値するとは言い難い手当てが存在する。本来の趣旨に適った支給を行うべきであり、特に低級にあたる手当てを中心に見直しを行うこと。
特異性手当につきましては、著しく危険、不快又は疲労等の伴う職務及び特殊な技術を必要とする職種の特異性に応じて支給しているものであり、平成15年度から日額支給とし、支給対象職種や支給額の見直しを行いました。また、平成19年度から点検員に対する特異性手当を廃止するなどの見直しを予定しております。
特殊勤務手当につきましては、平成19年度から三直制手当の廃止を予定するなど、所要の見直しを順次進めておりますが、今後とも勤務の特殊性や給与上の特別な考慮の必要性について検討、精査を進めて参ります。
経営力の強化として最も有効なものは、義務的経費の圧縮であり、他の部局同様、今後の人員削減は大変重要な鍵を握る。
民間委託を今後推し進める中で、最終的に自主運営を行う部署を明確に打ち出し、最小限の人員で事業を運営していく青写真を至急に作成されたい。
特に、試験採用をのぞく選考採用分は厳しく精査し、採用の抑制に努められたい。
上下水道事業につきましては、平成16年度から平成20年度までの5箇年を計画期間とした「第3期効率化推進計画」を策定し、事務事業の大胆な見直しを図ることにより、158名の人員削減を実施し、人件費の圧縮を図って参ります。
また、この人員削減については、退職者の不補充により実施致しますが、今後も永続的に安全・安心で低廉な水を安定して供給し、快適で衛生的な生活を支え、大雨による浸水の被害から生命や財産を守るためには、先達により培われた技術力や経営手法を後世代へ継承していくことが公営企業としての大きな責務であり、豊富な知識や経験を有する職員の退職が今後増加していく中、その引継ぎのために最小限の事務職員、技術職員を新規採用することは、将来的な経営力強化に有効であると考えております。
今後も引き続き公営企業としてお客さまに対する責務を果たしていくうえで、効率的な運営体制の在り方を不断に見直しつつ、長期的な観点から必要最小限の採用について継続して実施して参ります。
点検・収納・開閉栓これら業務は、他の自治体で既に民間委託を行い、具体的に効果を示している業務である。
「官から民へ」というのは既に地方自治を行ううえでの基本的なキーワードであり、これらの業務は必ずしも直接遂行せねばならない業務とは言い難く、全面的に民間に委託できる業務と考え、民間へ委託することを強く要望する。
平成18年実施の点検業務の外部委託は競争入札による方法で大変よいものである。引き続き競争入札を導入し民間委託化を促進させていくことを強く要望する。
業務委託につきましては、従前から、メーター点検業務の一部委託化、漏水調査の委託拡大等を着実に実施して参りましたが、第3期効率化推進計画においても、メーター点検業務、井水認定業務、疏水維持作業の外部委託化を図っていくこととしております。
平成18年度には、九条営業所区域の点検業務を委託化致しました。平成19年度からは、右京営業所区域の点検業務を委託化することとしております。
また、今後におきましても、事務事業の見直し等により、更なる経営の効率化に取り組みつつ、個々の業務委託について民間への委託も含めて検討し、より効率的な事業運営を図っていきたいと考えています。
水道事業は平成2年をピークに年々給水量が減少し、ピーク時と比較して17%以上ダウンしている。
これは節水意識の向上や膜ろ過システム等の外部要因によるところが大きいが、年々減少する給水収益の補填はいずれ市民の水道料金の値上げによって解消するという向きは少なくない。
平成20年度までの値上げの見合わせとのことではあるが、その後の値上げは必至である。
したがって、でき得る限り市民の負担増にならないよう更なる経営努力をもって取り組まれたい。
水道料金につきましては、平成16年4月に策定しました「上下水道事業 中期経営プラン」の中で、
という目標を掲げております。
企業の経済性を発揮することは公営企業においても最も基本的な原則であり、料金をできるだけ低く保つことは最大の市民サービスです。このため、「第3期効率化推進計画」を着実に実施し、現行水道料金及び下水道使用料を維持して参ります。