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委員会質疑での論点

市営住宅改革(建設消防委員会 2005年11月)

市営住宅には年間約72億円の税金が投入されている。京都市民一世帯あたり年11,290円もの負担となっている。しかしながら、現在の制度、運営が公平公正の観点からいくつかの問題を指摘しました。

1.入居基準の見直し

今の制度では、月収10万の方も20万の方も、入居基準を満たしていることから同じように抽選し入居頂いているが、10万の方と20万の方では、困窮度が余りに違います。したがって、住宅に困っている度合いを判定し、困窮者から優先的に入れるように制度改正を指摘しました。同時に、子育て世帯や母子父子家庭等も優先的に入居できるような制度への変更を指摘しました。

2.高額所得者の入居実態

私が行った調査から入居者の5%が高額所得者(単身で年収469万以上、5人家族で659万以上)であることが発覚した。中には1700万級の入居者もいた。中には所得不明がいたり、ずっと住んでる方がいたり。我々は、そんな方の為に税金を払っている訳じゃない!即刻退去頂き適正な運営をするように求めた。

3.今後の計画の見直し

築35年以上の住宅が全体の20%。「そのうち」「そのうち」で、これらの計画は一向に進んでいない。平成22年までに1500戸の建替が計画されているが、今の進捗は全然進んでいない。至急、計画を現実的なものに見直し、現実建替が出来ないものは出来ないとはっきり事業をするべきと指摘。

4.経営改革

市営住宅に係る人件費は13億、総勢187人。このたび30名の減員計画があるが、その内訳、詳細な計画を求めたが答弁がなく、具体的な数字を挙げて更なる人員削減を行うよう提案した。

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子育て支援策について

昨今、長寿少子化は、過去に例を見ない低出生率が続く日本にとって極めて重要な課題であり、とりわけ京都市は国平均を下回る1.14を記録し、問題は極めて深刻である。内閣府による「少子化対策に関する特別世論調査」によれば、この状況に約8割の国民が危機感を持っており、その要因の多くは両親の経済的要因によるものであることはご周知の通りである。

同時に、求められている政策の上位を占めるのは、「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しの促進」(51%)、「子育てにおける経済的負担の軽減」(50%)が挙げられる。また、これを裏付けるものとして、政府男女共同参画会議の国勢調査分析から、既婚女性の労働率に比例して合計特殊出生率が高い傾向になることが分かっている。(ちなみに最も労働率が高い北陸地方 労働率(59%)出生率1.44、最も低い近畿地方労働率(36%)出生率1.27)

また、この問題は、経済産業白書にも明記されている日本の経済力維持にとって女性の社会進出は不可欠といったように、経済にも大きく影響を与える、根の深い問題である。これらを踏まえ、子育て支援の具体策を提案した。

1.延長保育の拡充

女性の社会進出が求められる中、通常保育ではカバーできないことが多く、働く女性の実情を加味すれば、かなりの延長保育が必要。実施保育園数の増加に伴い利用者数も年々増加している。既に名古屋市、金沢市、市川市などは4時間延長を実施済である。また、当市でも長時間延長に取り組んでいる保育園に対するニーズは極めて高く、入所待ちが続出していることからも、早期の予算措置を求めた。

2.一時保育・24時間保育への対応

一時保育のニーズは従前より高く、一時保育の充実は求められるところであるが、現在の保育所の実状を鑑みると、着実に実施箇所、利用児童数も増加しているが、地域に根付いたものである事を考えると未だ十分であるとは言い難いことから更なる充実に向け取り組みを進めることを要望した。

また、既に行っている新たなハード面のインフラ整備を必要としない上に、小学生までを対象とするファミリーサポート事業やショートステイを更に促進させるべき。 同時に、当制度をもって補いきれない部分であり、働く女性の就労形態の多様化に対応できる24時間保育のニーズは高く、現在未対応なことから、早急に取り組まれたい。

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生活保護費の適正執行を

16年度決算で632億円(市民一人当たり45,000円、一世帯あたりの負担額10万円)にのぼる生活保護費。

京都市では325人で27,000世帯を担当、83世帯に一人(国基準80世帯に一人)のケースワーカーを配置し、毎月訪問を始め、丁寧なフォローがなされているが、年間300件に超える不正受給が公になっている。実質は、それ以上の件数がある可能性が高い。不正受給のような由々しき問題は徹底的に排除していくことが、公平公正な税の再配分であることから、更に踏み込んだ総合的生活実態の調査の実行、それに向けたワーカーの増員や2006年から東京都港区で導入される社会福祉主事資格を持つ民間スタッフの導入など幅広い視点から適正執行に向け取り組み、不正受給が今後なきよう全力で取り組まれたい。

自転車駐輪場対策について

京都市の自転車保有台数は、94万台(自転車協会データ H9)、実質は100万台以上に上る。

歩く街 京都を標榜する京都市であるが、まだまだ駐輪場の整備は行き届いていない。街に自転車が溢れ、放置自転車の撤去に懸命にお取組み頂いているが、駐輪する場所が確保されている上で、そのスペースを利用せず、放置する場合の撤去は構わないが、確保されていない中で、やむをえなく駐輪したものを撤去することは市民感情として理解できるものではない。それとも「自転車に乗るな」ということなのか。

いずれにせよ、あまりに自転車総合計画への優先順位が低すぎる。本当に歩く街京都を創造するならば、ただ撤去以上に、駐輪場の設置を行うことが先決である。ドイツ等の先進諸国では大型の駐輪場のみならず、電車への自転車持ち込みも進んでいる。公共交通機関が補えない隙間を自転車がカバーしている現実を見つめ、予算措置を行って頂きたい。

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自主防災会強化策(DIG の導入について)

大規模災害においては、行政の力で解決できる問題には限りがあり、市民ひとりひとりがそれに向き合い、取組みを進めていかねばならないことは自明の理である。

そこで、さらに地域に根付いたより深い理解が必要であるといえる。その点において、DIG(参加型地域版災害図上訓練-地域住民が自ら地図を囲み、起こりうる被害想定を行い、あらかじめその対応をシュミュレーションするもの-)は極めて有意義であり、防災に最も肝要である「気づき」を与える上で、よく練られたツールであると言える。

参加する中で、どこでどのような被害が生じ得るかを可視化し、明文化し、それを共有することは、防災の出発点になるはずである。消防庁による「地域の安全安心に関する懇話会」の最終報告でも防災教育の一環として、また行政と自主防の隙間を埋める役割として DIG の重要性を指摘している。既に、静岡県を始め多くの自治体で実施がなされ、一定の効果を聞くに、自主防のプログラムに DIG を加えて頂く事をご提案申し上げます。

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ゴミ収集業務にメス

ごみ収集事業は全国の自治体で既に43% が全面委託、16% が50% 以上の一部委託を行っている官から民への代表選手のようなものである。 既に政令指定都市でも千葉市が全面委託、札幌・仙台・北九州・広島・福岡が委託拡大といった具合である。そこで、京都市のゴミ収集事業にメスを入れることにした。

問題1

ごみ収集業務は、直営、庸車(車と運転手一人をリースする)、委託の3形態がある。庸車に関しては、職員が自動車免許を持たない昭和30年代から続く制度だが、現在の社会情勢を鑑みると全く必要性に欠ける。しかも、滅茶苦茶高い契約料を支払い続けている。したがって、庸車制度を廃止するよう指摘。

問題2

直営のごみ収集単価はトンあたり20,253円。一人当たりの年間ごみ収集量382トン。収集単価は全国平均で2,000円高く、一人当たりの収集量も60トン少ない。直営自身もかなり高額である。コストの削減と民間委託化を促進させるよう指摘。

契約単価は庸車単価 26,752円/t、委託22,628円/tとなり、民間委託にもかわからず、直営並のコスト、庸車はそれ以上になる。委託分だけ見ても全国平均8,000円台の民営委託単価から比べると、2.7倍。異常な高止まりである。さらに、入札を行わず、一部の業者に限定し委託を続けている。高額な業者は一社で10億以上受注をしている。これは大問題である。早急に業者選定を見直し、委託料の改定を行うよう指摘。

収集車両の経費合計は78億円。これが民間並コストで行われれば単純計算で23億円になる。つまり、50億円以上の経費削減が出来る。この問題をどう捉え、どう取り組むのか、経営改革を迫り、厳しく追及した。

また、サービスの差でも、民間委託になってゴミの取り残しが減った、排出ゴミの増減に適時適切に対応と民間の方がサービスがよいとの結果が出ている。柔軟な人員配置、勤務形態に対応できる。雇用創出政策が終了した今、当事業を直営で運営する必要はない。収集運搬、焼却埋立て事業は、管理部門を残し、原則民間委託へ向かうべきである。

管理部門は本庁部門からの出向から賄えることから、現業部門の新規採用の廃止。配置転換、勧奨退職を奨励し人員の削減に努めること。収集運搬部門934名、焼却埋立て部門437名 計1,371名。うち収集運搬部門の50歳代232名、焼却部門208名 計440名の退職者不補充、配置転換・勧奨退職・民間会社への就職斡旋260名 計700名程度を10年間で削減させることなどを提案。

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ESCO 事業の採用を

京都は京都議定書採択の地であり、現在他の自治体に先駆け環境対策を進めているところでる。現在、経済産業省が推奨し、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は補助制度を設置するESCO事業は、省エネ化に必要な設備、資金を包括的に提供するサービスで、効果は事業者側が保証する、導入者にとって極めて勝手のよい制度である。

事実、京都市環境局は、本年度から大規模事業所に対し、推奨する案内を作成しその浸透に務めている。京都市も他の事業所に先駆けて、公共建築物に早期にESCO事業を導入していくべきである。

最初の取組みとしては、初期投資ゼロで省エネを図る民間資金型(シェアードセイビング方式)あたりから実験導入していくことがいいように思われる。この方式は、事業者に委託料を支払い、省エネに必要な改修は事業者が行い、委託料は市の光熱費の削減分で賄える。最悪、予定よりも削減できなくてもその補填先は事業者となることから、導入を図るべきである。

違反広告物の対応について

捨て看板等の違法広告物は街の景観を損なうのみならず、歩行者や車の視界を妨げる等の弊害から、厳しく取り締まる必要があることは言うに及ばずである。これに対して現状では、設置、撤去がいたちごっことなっている。そこで当局は、輝き隊の新設や業務の効率アップに向け取組みを進めているが、設置者そのものに対し、厳罰をもって望むこと、法で定める諸手続きを厳格に適用することが、法治国家として当然のことであると考える。

また違反広告は、不動産や風俗店の宣伝が多く、これらの取り締まり、および撤去に400万円の経費が係り、特定の違反広告物に対し、税金を投入することは、適当でないばかりか、無償の好意的なボランティア市民の皆様のご協力を仰ぐならば、横浜市のようにその当事者に費用負担を求め、厳罰に処し再発防止に務めるべきである。

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民間検査機構へ抜き打ち調査の実施を

建築確認の民間検査機構委託は、極めて有効な制度であるが、昨今、民間検査機構の許可した建築確認に誤りがあるケースが指摘されている。現在、一旦認可した民間検査機構は各個別案件に対し、当局は現在チェック機能がない。

私は、8月の建設消防委員会でもこの抜き打ち検査の実施を行うよう指摘をしておりました。建築確認申請後の書類を審査機構から取り寄せ検査する方法をとれば、現行の制度下でも行うことが出来るわけであります。したがって、即座に抜き打ち的な調査を行い、その安全性、確実性を担保できるように努められたい。

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市長総括の原稿

環境局ごみ収集業務に関して質疑申し上げます。答弁は全ての質問のあとまとめてお願い申し上げます。

直営のごみ収集事業を補完する役割として創設された、民間からパッカー車と運転手をリースする庸車制度ですが、当時は運転免許を持つ職員が少なかったということから導入されたと聞いております。しかし現在パッカー車車両価格は716万円程度であり、運転免許も問題もクリアになっていることを考えると、将に時代錯誤な制度であるといえます。まず、この制度に対するご認識をお尋ねしたいと思います。

また、運転手一名、車両一台の6時間のリースで53,780円。一台当たりの年間経費は2,812万円と、直営と比べても約500万円も高い。当然この単価ですから、ゴミ処理単価はトン当たり24,158円。地方自治経営学会調査の民間の全国可燃ごみ収集平均単価と比べると、約3倍、市直営比べても2割増し、と遥かに高い金額になっています。この9年間で約10% 程度の単価の引き下げが行われたが、それでも、この高止まりであります。極めて高額だとはおもわれませんか。

とどのつまり、この極めて特殊な制度は廃止し、他都市のように、直営と委託の2本立てでよいのではと思われますが、廃止するお考えはおありなのかどうか、またそうでなければ、この高額な契約単価について、妥当なのかどうか、また、見直す意思があるのかどうか、をお尋ねします。

次に、民間委託分についてです。まず、京都市の民間委託の現状整理ですが、収集車一台あたりの配置人員 京都市委託は3人、全国平均は2.1人。一人当たりの収集量 京都市委託316トン、全国平均は948トン、その上、民間委託する上で最もコストメリットが出易い給与の官民格差も殆どないことから勘案して、当然、処理単価は京都市トン当たり22,628円、全国平均8209円の2.7倍と極めて高額であります。市長は経費削減の徹底を周知している一方でこのような実態があることをご存知でだったのでしょうか。また、いずれの場合にせよ、この委託料に対するご見解を伺いたいと思います。

また、この契約単価が高止まりする要因は10社の業者に独占委託していること、長年随意契約で行われ大幅な見直しがおこなわれていないことにあります。ちなみにこの9年での引き下げ率はたった12%。それでもなお群を抜いて高い委託料です。

そこでお尋ねします、契約方法の見直しを行われる意思はあるのかどうか、またどういった方法でこの高額委託料問題に対処されるのかをお尋ね致します。

直営方式のあり方についてであります。16年度決算でのゴミ収集の経費合計は78億円 これが適正な民間並コストで行われれば23億円 ずばり3倍。55億の削減額になります。この経費削減対策は大いに取り組むべきであります。委託料を適正数値に移行させると同時に、直営部門の縮小に取り組む必要があります

そこで、収集は管理部門のみを残すが、これは本庁部門からの出向から賄えることから、現状も7人募集しているが、現業部門の新規採用の全面廃止。 現状の職員については収集運搬部門の50歳代232名、焼却部門208名、計440名の退職者不補充、宇都宮市が実施している現業職の行政職への任用換えなどを参考に、効果的な配置転換・勧奨退職・民間会社への就職斡旋260名、計700名程度は10年間で削減できると考えますが、いかがでしょか。

ゴミ袋有料化を前に、環境局自身も経営努力を改めて行い、コスト削減計画を策定し、経営改革を行うことが必要だと思われますが、そういったお考えはあるのかどうか、お尋ね申し上げます。

最後に、一点、生活保護の不正受給についてお尋ね申し上げます。生活保護法78条における不正受給。昨年実績で年間350件。不正受給ですから、当然返還させる必要がありますが、要求資料を見ておりますと、過年度調停額が2億1,797万のうち、収入額は148万、1% にも満たない。現年度分を含めても14% しか返還されていない。これはどういうことか。京都市の全国に誇る市税徴収率から考えると信じられません。生活保護の公平適正な受給と生活保護者に対する市民の正しい理解の為全力で取り組んでいただきたいと思います。ご所見と今後の善後策についてお尋ね致します。

計4点「ごみ収集に関して、庸車制度に対するご所見と委託料の妥当性および制度の廃止について」「民間委託委託料の見直しと契約のあり方について」「環境局の経営改革について」そして「生活保護費の不正受給者に対する徹底した取り組みについて」よろしくご答弁お願い申し上げます。

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