現在の位置です。
財政非常事態宣言下においての財政再建は、行政の骨格をなすものであり、経済活動と同様、財政は市の血液であり、金銭的自立無くして市の将来の展望は開けない。桝本市政は、最優先課題を「財政再建」と明確に位置づけ、邁進されることを強く求めます。
本市では、平成13年10月に財政の「非常事態」を宣言し、平成14、15年度の2箇年にわたり、厳しい内容の緊急対策を市政改革に加えて実施して参りました。しかしながら、長引く景気低迷の影響などにより、本市の財政は、市政改革や緊急対策の成果を上回る勢いで悪化しております。
このため、財政健全化に向けた抜本的な取組が急務であると考え、平成15年4月に理財局長をチームリーダーとする財政改革プロジェクトチームを発足させ、検討を進めているところであり、これまでに、「京都市版行政評価システム」を活用した戦略的予算編成システムを取りまとめ、平成16年度当初予算から同システムを導入した予算編成を行うなど成果を上げております。
本市は、もともと他の政令指定都市に比べ自主財源に乏しく財政基盤がぜい弱であり、これからの地方分権時代に当たっては、自己決定・自己責任による持続可能な財政運営システムを確立することが必要不可欠であり、引き続き財政改革プロジェクトチームを中心に、財政健全化に向けた方策の検討を進め、全庁を挙げて本市の行財政運営システムの改革に努めて参ります。
市債残高の増加傾向は、公債費が予算を圧迫するだけでなく、将来に渡り大きな禍根を残す為、市債の発行を抑制し、健全経営が行われるよう努力されたい。
本市におきましては、市民の福祉を向上させる身近な施設整備から京都の発展に不可欠な都市基盤整備に至るまで、市債を活用して整備を進めて参りました。
市債の発行に際しましては、これまでから可能な限り交付税措置のある有利な市債を活用し、将来の財政負担が過大なものとならないよう努めて参りました。
市債の発行に当たりましては、後年度の元利償還金と標準的な財政規模とのバランスを保つことが重要であり、その指標となる、いわゆる起債制限比率の推移に十分留意し、これまでにも増して市債発行規模の適正な管理に努め、財政の健全性の確保を図って参ります。
財政改革プロジェクトチームの年度内解消にあわせ、専属の職員を配備した財政再建プロジェクトチームを市長部局に新設し、徹底したコスト管理と再建プランの実現に向けたありとあらゆる手段を模索し、実行されたい。
これからの地方分権時代にふさわしい自己決定・自己責任による持続可能な財政運営システムを確立するため、平成15年4月に理財局長をチームリーダーとする財政改革プロジェクトチームを設置し、抜本的な財政健全化に向けた検討を進めて参りました。
その成果として、「京都市版行政評価システム」を活用した戦略的な予算編成手法を取りまとめ、平成16年度一般会計予算編成から導入し、現在、財政健全化のための計画策定に向けた取組を進めているところであり、その最も効果的な実施や進捗管理の手法についても同時に検討して参ります。
今後とも、このプロジェクトチームの成果を引き継ぎ、政策、市政改革、財政健全化を一体的かつ戦略的に推進して参ります。
市長以下、庁内の上層部は、非常事態宣言下の財政再建に対し再建プログラムを作成し数値目標および年次目標を明確に市民に提示し、未達成の場合は、退官する覚悟で望まれたい。
現在、財政改革プロジェクトチームにおいて、戦略的予算編成システムの導入、平成16年度予算編成における財源対策の検討に続き、中期的な財政の収支見通しや財政健全化のための計画策定に向けた取組を進めているところです。
昨今、社会経済情勢のみならず、地方財政制度そのものも大幅な変化の過程にあるため、その動向を的確に予測し、精緻な数値目標を設定することは、非常に困難な状況にありますが、財政健全化のための計画の策定に当たっては、できるだけわかりやすい目標を掲げ、その実現に全力を尽して参ります。
このたびの新予算編成システムによる局裁量枠の導入に伴い、従来の予算消化型の発想から脱却をし、部局ごとの独自性を重視しディビジョンカンパニー制に倣う組織形成を行い、部署の予算の抑制をより一層強化し、管理職の人事考課の一大指標に「予算の執行率」を取り入れ新たな評価基準とすることを強く求めたい。
予算の執行に当たりましては、最小の経費で最大の効果を挙げるよう努めなければなりませんが、予算の執行率については、事業の内容、性質によって差が生じることがあるため、事業の効率性を評価するための指標とすることについては慎重に検討する必要があります。
現在、導入を検討している人事評価制度においては、予算の執行を含む効率的な業務の運営やより質の高いサービスの提供、部下職員の育成といった視点に基づき評価の基準を設定することを検討しており、職員の一層の能力・意欲の向上や、市民サービスの向上に資する制度としていく必要があると考えております。
財源確保は困難を極め、市税収入の減少傾向は留まるところがない。したがって、財源の確保に対する対策として、広告収入という収益事業を全庁を挙げて取り組まれたい。
本市におきましては、「市民しんぶん」や「きょうとシティグラフ」などの広報媒体における広告収入や、市バス・地下鉄の広告収入につきましては、既に取り組んで参りましたが、長引く景気の低迷により、年々減少している状況にあります。
交通局におきましては、従来から指定取次人〔広告代理店〕制度を導入しており、民間企業の営業力や企画力を活用し、広告業務に取り組んでおります。
この制度を更に活かしていくため、平成15年度から既存媒体の広告料金の見直しや、指定取次人に対する報奨金制度の導入などを実施して参りました。分権時代の地方公共団体、とりわけもともと財政基盤がぜい弱で、地方交付税など依存財源の割合が高い本市においては、事業を進めていくための独自財源の確保は重要な課題です。
戦略的予算編成システムの採用に伴い、御指摘の広告料をはじめとする財源確保も各局長のマネジメントの一環となることから、今後、新たな財源確保に向けた取組を促進するよう検討して参ります。
民間活力の導入を基軸とした一層の行政のスクラップ&ビルドを推し進められたい。
本市におきましては、市民サービスの提供等に当たって、最少の経費で最大の効果を挙げる観点から、従前から民間委託をはじめとしたアウトソーシングの取組を積極的に推進してきたところであります。
とりわけ、行政への要求の質的、量的な拡大に対して必要な財源や人員を十分確保することがますます困難になる一方で、民間市場の成熟化やボランティア活動を含めた様々な公的分野における市民活動の活発化等によって、本市が行政サービスを提供すべき事務事業でも、その提供主体がすべて本市である必然性はなくなっていることから、平成10年度から12年度までを取組期間とする「京都新世紀に向けた市政改革行動計画」において、経済性・効率性、市民サービスの確保、行政責任の確保、秘密の保持、受託能力等に十分留意しつつ、民間委託など民間活力の導入を積極的に取り組んで参りました。
更に、平成13年度から17年度までを取組期間とする「京都新世紀市政改革大綱」においても、引き続き、「補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担」の基本理念に沿って民間活力の導入を推進しているところであります。
「「京都新世紀市政改革大綱」に基づく事務事業の見直し等の具体的取組」において掲げた「民間活力の導入」の取組項目の取組期間3年目に当たる平成15年度当初での進ちょく状況は、41項目のうち、16項目が「目標達成済み」、20項目が「取組中」、5項目が「検討中」であり、相当の進ちょくを見ております。
また、事務事業の再構築につきましては、平成15年度から事務事業評価制度を本格導入し、戦略的予算編成システムにおいて、事務事業評価の結果を活用することにより、一層の事務事業の見直し等を進めているところです。
しかしながら、本市の財政状況は、予想を超えた市税収入の減少等により依然として危機的な状況にあり、また、今般の地方自治法の一部改正による公の施設の指定管理者制度の導入といった新たな手法が創設されてきております。
このため、事務事業の再構築につきましては、平成15年度から事務事業評価制度を本格導入し、戦略的予算編成システムにおいて、事務事業評価の結果を活用することにより、一層の事務事業の見直し等を進めているところです。
また、今後、大綱に掲げた取組項目の早期達成はもとより、更に踏み込んだ民間委託等の取組を推進する方策等について検討を進め、現在策定中の大綱に替わる新たな実行計画に反映させて参るとともに、事務事業評価の結果を活用して事務事業の再構築を図って参りたいと考えております。
京都新世紀市政改革大綱に掲げられる職員削減をはじめとする数値目標は新たな目標を再度掲げ、更なる財政効果を生めるよう、継続して推し進めること。
平成13年度から17年度までを取組期間とする「京都新世紀市政改革大綱」及び「「大綱」に基づく「事務事業の見直し等の具体的取組」」については、全庁を挙げて取組を推進した結果、取組期間の3年目である平成15年度当初において、事務事業の徹底した見直しや職員数1,000人の削減目標を上回る1、100人の削減、更に公共工事のコスト縮減によって合計約161億円の財政効果を挙げ、13、14年度における財政効果額約210億円と合計すると3箇年で約370億円の財政効果を挙げることができました。
また、「具体的取組」に掲上した142項目についても、「計画目標が達成済み」が88項目(62%)、「目標達成に向けて取組中」が43項目(30%)で、合計131項目(92%)が「計画目標が達成済み」又は「目標達成に向けて取組中」であり、残る11項目(8%)についても実施に向けて検討しており、5年間の取組期間の3年目としては、相当の進ちょくを図ることができたと考えております。
しかしながら、本市財政は、こうした取組の成果をはるかに上回る勢いで悪化の度を深めており、16年度以降は、14、15年度の緊急対策に替わる本格的な対策が必要であり、現在、大綱に替わる新たな市政改革の実行計画の策定を行っているところであります。
能力主義・成果主義の徹底を促進する為、下記の項目を要望します。
本市が21世記にふさわしい自治体運営を行うためには、従来の組織や人材の在り方を大胆に見直す必要があるという観点から、平成14年1月に「京都市人材活性化基本方針(案)」を策定しました。この基本方針(案)においては、新たな時代にふさわしいプロッフェッショナルの自治体職員として「市民志向」、「成果志向」という2つの意識改革が必要であるとし、また、人材マネジメントの改革方針として「多様な人材の確保・育成」、「組織風土の改革」、「適材適所の人材マネジメント」、「信賞必罰の徹底」を掲げております。
今後、御提案の諸点も踏まえつつ、これらの改革方針に基づいた具体的取組を着実に進め、職員の一層の能力・意欲の向上を図って参ります。
(項目ごとの回答)
外郭団体の統廃合に関しては、新世紀市政改革大綱に示される目標達成は勿論のこと、より強力なリーダーシップを発揮され推し進めること。
外郭団体につきましては、平成12年3月に策定した「京都市外郭団体再整備計画」に基づき、経営評価システムの導入や、大手監査法人等の外部の専門家からの指導を実施してきた結果、総じて年々経営改善が進んできております。
しかしながら、外郭団体を取り巻く環境は依然として厳しいことから、経営の一層の健全化を図るため、現在の再整備計画を見直し、新たな再整備計画を策定して参りたいと考えております。
この計画の中で、経営努力の方策を示すとともに、団体の整理統合についての厳しい数値目標を設定し、目標の達成に向けて、統廃合等を行うことが適当と判断される団体に対しては、厳しく指導して参りたいと考えております。
庁内LANを利用し、全庁的共有フォルダを作成し、市民に対する対応の平準化、様々な対応策の共有、各部局との連帯強化等部局間ナレッジを進め、同時に、部局内LANを使し、情報の内部蓄積を容易にするべきである。
行政業務の情報化は、内部事務の効率化だけでなく、市民の立場に立った質の高い行政サービスの提供や行政業務の高度化の確立に大きく貢献する有効な手段であります。
庁内LANにつきましては、行政業務情報化推進のための必要不可欠な情報通信基盤として位置付け、市役所イントラネットの整備を進めてきたところであります。
この市役所イントラネットでは、各所属ごとに職員が情報を共有できるフォルダを提供するとともに、市役所イントラネットを基盤として、庁内業務の電子化を進めており、庁内文書の一部電子化及び人事給与システムの稼働を開始したところであります。
今後も引き続き、財務会計システム、文書管理システム等の行政業務情報化の推進により、事務の簡素化・効率化、庁内の情報共有化を図り、電子市役所を実現して参ります。
また、案内・相談窓口業務にITを導入することにより、市民の皆様が必要とする情報を迅速かつ適切に提供し、庁内での様々な情報を各部局で共有できる仕組み作りを検討して参ります。
稟議、決済をはじめ辞令書に至るまで、原則、電子化を奨めるとともに保管媒体としての冊子を全廃させ、データ保管へ移行させること。
庁内文書の電子化を進め、ペーパーレス化を促進することは、事務の効率化と経費削減に大きな効果を発揮するものと認識しております。
このため、本市におきましては、「新・高度情報化推進のための京都市行動計画〜e−京都21〜」において、庁内文書の電子化を行政業務情報化の基本方針に位置付けるとともに、同計画のリーディングプロジェクトの一つとして、平成15年度から「文書管理システム」の設計に着手したところであります。
「文書管理システム」は、これまで紙で行っていた文書事務に電子文書を取り入れ、電子決裁システムを中心として、文書の収受、起案、決裁、供覧、保存、廃棄に至るまでの文書のライフサイクルを一貫して管理しようとするものであり、これによって事務処理の効率化、意志決定の迅速化、文書管理に要するコストの削減及びペーパーレス化の実現を図ることを目的としたものであります。
平成16年度においては、文書管理システムの詳細設計を行い、その後、平成17年度と18年度で開発・テスト及び職員研修を行ったうえで、平成19年度から運用を開始する予定であります。
数年来、経費削減に向け、様々な努力をおこなってこられたが、職員の労働環境の低下は、労働意欲を低下させ、逆に非効率であると考える。
したがって、現在の定時以降の職務に専念する職員に対するエアコンの操業はもちろんのこと、職務環境の改善に努めること。
執務室内の温度や湿度をはじめ、良好な執務環境を確保することは、効率的な事務の執行等の観点からも重要なことであると認識しております。
市庁舎における開庁時の冷暖房につきましては、現在、夏季は28度、冬季は19度を設定温度としており、ISO14001や省エネルギーの視点を考慮しながら集中方式により運用を行っているところでありますが、閉庁時においては、予算的な制約、他都市の状況及び構造上の問題を総合的に勘案し、各所属が必要に応じて扇風機やストーブ等の補助器具を使用することとしております。
現庁舎につきましては、老朽化、狭あい化に加え、多くの今日的課題を抱えており、これまでから改善の努力は行っておりますが、今後におきましても、可能な限り効果的な整備に努めて参りたいと考えております。
式典・祭典の見直しおよび規模の大幅縮小をより一層推し進めること。
本市におきましては、京都市自治記念式典、京都まつり、京都シティハーフマラソンをはじめとする多数の文化・スポーツ事業及びそれに伴う式典等を実施するとともに、平成15年度には二条城築城400年をはじめ、動物園100周年や美術館70周年に係る記念事業、式典等を実施したところであります。
実施に際しては、昨今の厳しい財政状況を十分に踏まえ、各々の事業や式典、祭典の有する意義や効果を勘案しながら、可能な限り経費を縮減する中で参加者をはじめ多くの市民の皆様に喜んでいただける内容となるよう工夫を凝らしてきたところであります。
なお、財政の非常事態宣言を受け、既に緊急対策の一環として、イベントの休廃止や経費節減などの見直しに取り組んでいるところです。
本市財政はなお非常事態にあり、緊急対策期間終了後においても、こうした見直しの実績に踏まえ、選択と集中の徹底と事業の簡素効率化に努めて参ります。
京北町との合併問題については、合併協議会を通じ、改めて、京北町民の意向のみならず、京都市民の意向を十二分考慮し、京都市としての対応を検討されたい。
京北町との合併に当たりましては、市民に適切に情報を提供し、また、意見をいただきながら、取組を進めていくことが極めて重要であると考えており、本市では、平成15年7月に合併問題に関するホームページを開設し、情報提供を行うとともに、市民の意見を募っております。
また、「市民しんぶん」において、合併協議の状況等について逐次、掲載し、市民への情報提供を積極的に行っております。更に、平成15年11月に、市民アンケート調査を行い、合併に関する御意見を伺いました。また、合併協議会においても、「合併協議会だより」の発行、ホームページの開設等、積極的に情報提供を行うとともに、市民の意見を募っております。
更に、平成15年12月24日に開催した第2回京都市・京北町合併協議会において、編入する行政区が「右京区」と決定されましたので、区民の代表者を合併協議会の委員として迎えることとしております。
今後とも、引き続き、市民に適切に情報を提供し、また、いただいた意見を参考にして、合併協議会において、多様な観点から協議をいただき、行政制度、施策等に係る調整を進めて参ります。
窓口サービスの時間延長と(土)(日)の開設を強く求めます。
窓口の開設時間の延長につきましては、市民生活の多様化等に伴い、そのニーズが高まっており、市民サービスの向上を目指すうえで有効な方策の一つであると認識しております。
このようなことから、市内5箇所にある「ターミナル証明書発行コーナー」につきましては、既に取扱時間を平日の午前8時30分から午後7時までとしているところですが、平成15年10月からは新たに土曜日も開所(午前8時30分から午後5時まで)しており、平日には区役所等に来庁できない市民の方を中心としたサービス向上を図っております。
また、区役所等につきましては、昼休み時間帯(正午から午後1時まで)における対応業務の拡大が必要であると考えており、現在、その早期実施に向けた取組を進めているところであります。
地域の図書館の開館時間は、利用者にとって大変不便であり、より多くの方々に利用して頂く為に開館時間を延長すること。
地域図書館の開館時間につきましては、平成12年度から左京図書館、13年度に下京図書館、14年度に右京図書館で夜間・祝日開館を実施し、15年度には全15館で祝日開館を実施するとともに、新たに山科、南、洛西図書館の3館で、併せて夜間開館を実施する等、開館日と開館時間の拡充を図っております。
更に16年度からは新たに北、西京図書館の2館で夜間開館を実施する予定であり、これにより10行政区で夜間開館を実施することになります。
開館時間につきましても、他の政令指定都市立図書館の大部分において、午後7時までの夜間開館を実施している中、本市の中央図書館3館では午後8時30分まで、地域図書館においては、午後7時30分まで夜間開館を実施し、勤め帰りの方などが気軽にお立ち寄りいただけるよう努めております。
今後とも、市民の皆様に親しまれる図書館、利用しやすい図書館を目指し、図書館サービスの一層の向上を図って参ります。
子育て支援、特に一時保育・夜間保育・延長保育の拡充、24時間保育の早期設置を強く求めます。
本市におきましては、少子化の進行や世帯構造、就労形態の変化などにより、保育需要が多様化する中、「京都市児童育成計画<京(みやこ)・子どもいきいきプラン>」に基づき、様々な保育施策の充実に努めております。
平成16年度におきましては、延長保育を14箇所増の131箇所、一時保育を3箇所増の25箇所とし、一層の充実を図って参ります。
また、夜間保育につきましては、政令指定都市の中で最も多い7箇所で実施して参ります。今後とも、「京都市児童育成計画<京(みやこ)・子どもいきいきプラン>」の着実な推進に取り組み、時代の要請に即した良好な保育サービスの提供を行い、市民の保育需要に的確に対応して参りたいと考えております。
なお、現行の計画は平成18年度までが計画期間となっておりますが、なお一層の施策の充実、推進を図っていくため、現行計画に代わる新たな計画を前倒しして策定し、この中で新たに目標数値を明らかにする予定であります。
また、24時間保育等の長時間保育の問題につきましては、保育制度のみならず、労働行政等の関連施策の推進等、他の施策とともに総合的に解決を図るべき課題であると考えております。
公営住宅における家賃滞納は、厳しい財政により拍車をかけるものであり、公正・適正な回収の実現に向け、3箇月から半年を越える滞納家賃に対して強制執行も辞さない強い覚悟で臨まれることを強く要望する。
公営住宅の家賃滞納整理につきましては、市営住宅管理上の最重要課題の一つとして納入指導を強化し、平成12年度以降、収納率は着実に向上して参りました。
滞納者に対しましては、支払催告、保証人催告、臨宅訪問による納入指導を行い、これに応じない滞納者に対し法的措置を実施しております。この法的措置基準につきましては、納入指導に要する期間を考慮して概ね12箇月以上の滞納者と定め、平成12年度から平成14年度までの3年間で577件の法的措置案件につき解決を図って参りました。
今後とも、市歳入の確保と公営住宅制度の公平性を図るため、短期滞納者に対する早期の納入指導及び長期滞納を防ぐための厳正な法的措置を実施して参ります。
(回答の補足)
公営住宅の入居者は、低額所得の住宅困窮者であることを考慮し、滞納が生じた入居者へは、一律に法的措置を採るのではなく、まず第一に、支払努力を促す納入指導に力を入れております。そして、その結果、多くの滞納者はその指導に応じ、支払いに努めているところであります。
したがいまして、3箇月から半年を越える滞納者についても、支払努力の期待できる滞納者へは電話及び臨宅指導などのきめ細かな納入指導を継続し、滞納家賃の回収に努めるとともに、これらの納入指導に対しても支払努力の見られない悪質な滞納者については強制執行も辞さない法的措置の対象者としているところであります。
消防団の活動支援、団員の処遇の充実を強く求めます。また若年層を中心に不足がちな団員の増強策を提示し、速やかに実行されたい。
消防団の活動支援につきましては、平常時はもとより災害時に活用するための無線機による通信連絡体制の整備を実施しているところであります。
消防団員の待遇改善につきましては、消防団のイメージアップを図るため、平成15年度に女性消防団員の制服のデザインを一新したところであり、更に国の改正に合わせ、退職報償金の充実を図ってまいりました。
今後も社会情勢の動向を見据えたうえで、適正化に努めて参りたいと考えております。
また、若者や女性の消防団員を確保するため、京都市消防局のホームページのほかに、各消防署のホームページでも各消防団の活動内容等を紹介することをはじめ、ポスター、ビラなど多様な手段により、消防団の意義や活動を広く市民に紹介し、消防団員募集を行って参ります。
地域主体の災害対策としての自主防災組織の育成をより一層推しすすめること。
阪神・淡路大震災以降、市民の防災意識向上と自主防災組織の活動強化を図るため、防災指導の強化に努めてきたところです。
平成12年度からは、本市で開発した「防災カルテ」を活用して住民の皆さんに防災情報を提供し、住民自らの動機に基づいた自主防災体制づくりを構築する「身近な地域の市民防災行動計画づくり」事業を平成15年度から全自主防災部を対象として本格的に推進しております。
また、既に計画を策定された自主防災部についても、防災行動計画を実践していただけるよう、きめ細かな防災指導によって、防災意識の向上と自主防災部の災害対応力を高めて参ります。
高速鉄道事業の抱える債務の惨状を再認識し、これ以上債務を拡大させることのないよう十二分に考慮し、天神川以西の計画も含め今後の事業計画を議論をされたい。
本市交通事業におきましては、大変厳しい経営環境の中、引き続き147万人の市民の足を守り続けるため、新たな事業再生計画「京都市交通事業ルネッサンスプラン」を策定し、平成15年4月から経営健全化の取組を推進するとともに、年次的な行動計画「京都市交通事業アクションプログラム」を平成15年8月に策定し、着実に実施しているところであります。
その中で、高速鉄道事業につきましては、「地下鉄事業の長期収支改善」を取組項目に掲げ、不良債務の計画的な解消とその発生の抑制を図るべく平成15年度に国において新設された「地下鉄事業経営健全化対策」について、平成16年度からの活用に向け、関係機関と協議を行っているところであります。
一方、事業の進ちょくですが、地下鉄東西線の六地蔵〜醍醐間の延伸事業につきましては、適確な進行管理と徹底した建設費の縮減に取り組み、土木工事がほぼ完了した平成15年9月に建設費の点検を行いました結果、当初見込んでおりました総建設費712億円を100億円削減し、612億円の見込みとなりました。
平成16年12月末の完成に向けて進めておりました工事につきましても、1箇月以上の工期短縮が図れることとなり、その結果、平成16年11月末に開通できる見通しとなりました。
今後とも、駅設備工事や車両の試運転など、開通に向けた準備に万全を期して参ります。
また、二条〜天神川間の延伸につきましては、予定どおり平成15年5月から、杭打工事に着手し、現在は掘削工事等に取り掛かっているところであり、平成15年12月末での土木工事の進ちょく率は、全体で4%となっております。
今後も引き続き、工程の適切な管理と工事の安全管理の徹底に取り組むとともに、平成19年度中の開通に向け、万全の体制で工事を進めて参ります。
次に、天神川以西への延伸につきましては、京都大学桂キャンパスをはじめとする西部地域の発展や導入空間となる道路網の整備状況を考慮するとともに、低コストで建設するための整備手法などの検討を行う必要があります。
更に、阪急洛西口駅やJR新駅設置に伴う需要動向、今後の社会経済状況の変化を見極めていくとともに、大変厳しい本市の財政状況や交通事業の経営状況を勘案したうえで検討していきたいと考えております。
交通局は、他の部局に先駆け、広告収入増加における先兵としての役割を果たすべく今後の財源確保強化策の一環として、広告収入に力点を据え、広告収益が上る為のシステム構築と現実的な収益UPのポートフォリオを作成し、広告収益の改善に取り組むことを強く求めます。
交通局の広告は、附帯事業の中で大きなウエートを占めている貴重な収入源であると考えております。
しかしながら、現下の経済情勢におきましては、広告料収入が減少し、厳しい状況にあります。
広告収入を確保していくために、交通局の指定取次人である広告代理店で組織する京都市交通広告協同組合と広告主のニーズの把握や、交通広告の現状についての情報収集を行うシステムを活用して、既存媒体の活性化や新規媒体の開発・研究に取り組んでおります。
具体的には、市バスと地下鉄の広告需要を勘考したメリハリのある料金設定を平成15年4月1日から実施いたしました。
今後とも、広告料収入全体として増収となるよう、広告の種類別の需要動向を十分に見通し、その運用に努めて参ります。
また、合わせて、あらゆる機会を通じて、広告担当者の知識の向上に努めるとともに、指定取次人が更に意欲的な営業活動に取り組める方策も検討して参ります。
交通局は、経常利益の向上に向け様々な施策を展開されているが、市民の認知度が低く、広報力の不足が要因と思われるため、現在の広報手段、特に空白の目立つ自局の広報媒体を大いに活用し、広報展開をされますことを強く求めます。
本市交通事業における広報活動につきましては、公共交通施策の周知のため、また旅客誘致対策として、多角的な取組が必要であると考えており、現在様々な広報媒体を用いた広報活動を展開しております。
具体的には、「おふたいむ」(月刊、年間60万部発行)、「あすも走る」(年4回発行、年間18万部)といった情報誌や、「沿線だより」(月刊)といった車内掲示用ポスターをコンスタントに発行し、定期的な情報提供を行うとともに、交通局からの「お知らせ」や時刻表検索など、「交通局ホームページ」の情報の充実にも力を入れております。
また、広報活動において、地下鉄駅や市バス車内を有効に活用し、具体的には、地下鉄駅におきまして、大型液晶ディスプレイ「イベント情報板」(京都駅、四条駅等に計7基)を設置し、沿線のイベント情報を提供するとともに、各駅の改札口付近にパンフレットラックを設置し、当局の情報誌等の配布を行っております。
市バス車内におきましては、車内広告枠の空き枠への業務広告の掲出や、臨時輸送等の情報を掲載した「交通局ニュース」の掲出を行い、こまめな情報提供に努めております。
その他、広報発表や「市民しんぶん」への掲載を通して、市民の皆様向けに広く情報提供を行っております。さらに、遠方からの旅客誘致を図るため、情報誌の配布を関東・関西の都市へ拡大するなどして、他都市への京都市営交通のPRに努めて参りました。
今後も既存の広報媒体の活用や、新たなPR方法の研究・開発など、効果的な広報手法の検討を行い、本市交通事業の積極的な広報に努めて参ります。
現在、推し進めるバス事業の管理の受委託は今後の交通局事業の要であり、1/2の目標値をより早いスピードで達成するよう、達成年度を明確にし、その実現に向け努力されたい。
「管理の受委託」につきましては、平成15年度末の運転計画変更時に洛西営業所で受委託を実施するとともに、平成20年度までの経営健全化期間中に、市バス事業規模全体の2分の1まで拡大することとしております。
洛西営業所委託後の拡大に当たっては、循環系統などの基幹的な系統及び観光系統は直営で維持することを基本に、営業所一括ではなく、交通局直営部分と委託する部分とに分割して、受委託を進める計画であり、平成17年度に九条営業所、平成18年度と19年度の2箇年で梅津営業所、そして、平成20年度に西賀茂営業所という順で、全体の2分の1まで拡大していく予定であります。
生活路線の確保は、公共交通の重要な役割であるが、その役割も全ては経営が成り立ってはじめて果たせるものである。
よって、最善の努力を行っても営業係数が均衡値を大幅に上回る赤字路線については速やかに、改廃を含め今後の対応を検討されたい。
本市バス事業におきましては、これまでから市バスが公共交通として引き続き市民の足という役割を果たしていくためにも、現行のネットワークを維持することを基本とし、路線の空白地帯を生まないことも重要であると認識しております。
その中で、生活支援路線につきましては、平成15年4月に頂いた「京都市交通事業審議会」からの提言において、現在の市バス系統のうち、「企業性を発揮しても、なお赤字となる系統」と定義されるものであり、本市が目指す公共交通優先型の交通体系構築の観点から、同提言においてその維持が求められているところであります。
本市としましては、同提言の主旨を踏まえ、今後、中長期的に生活支援路線のあり方を議論し、路線の確保のための新たな仕組み作りに取り組むとともに、本市交通事業における経営健全化に向けた最大限の取組を前提としたうえで、依然として民営コストで運営しても赤字となる市バス系統については、当面の措置として財政支援の枠組を構築する方向で検討を進めて参りましたが、平成16年度以降において、従来の経営健全化補助金に変わる一般会計からの財政支援として、生活支援路線補助金が措置されることとなったものであります。
今後とも、路線の効率化につきましては最大限努めながら、引き続き市バスのネットワークを維持し、身近な市民の足として安心して御利用たいだけるよう事業の運営に努めて参ります。
交通局の庁舎の老朽化は激しく、耐震構造上将来に渡り使用し続けることは、職員の安全を脅かすものであり、交通局の財務状況が収支均衡される年度に向け、16年度より建替基金を整備されたい。
交通局庁舎につきましては、維持管理に努めておりますが、御指摘のとおり老朽化が進んでおりますので、建替等につきまして適切に対応していく必要があると考えております。
また、建物の建設等の財源につきましては、建替基金による方法の可否も含め、今後、検討して参ります。
上下水道の人員については、更なる人件費削減に努め、市民に負担を転嫁しない経営努力をより一層進められたい。
上下水道事業につきましては、長引く不況の影響や節水意識の浸透などにより水需要の減少傾向が続いており、財政状況は大変厳しくなると見込んでおりますが、上下水道局両局の統合を含む組織のスリム化と今後5年間の大胆な企業改革を図るための新たな効率化推進計画を策定し、大幅な人員削減、市民サービスの向上を含む事務事業の効率化を実施し、現行財政計画終了後においてもこの数年間は現行料金を維持して参りたいと考えております。