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市が計画した「ルネッサンスプラン」では、市バス事業の経常損益を平成21年度までにプラスに転じさせるとある。しかし、経常損益がプラスになったとしても、負債は平成21年の段階で、累積欠損金で190億、不良債権で200億を超える予定である。
この膨大な負債を返済する見通しが、市の計画では見えてこない。返済計画について説明して欲しい。
平成20年度に、市バス職員の退職者数がピークを迎える。したがって、それ以降、人件費、特に退職手当が大幅に削減される見通しである。したがって、その時点から累積欠損金、不良債務の返済に努めていきたい。
地下鉄事業については、平成9年開業の東西線の減価償却が現在非常に大きくなっているが、平成48年に収支の均衡がはかれる予定である。
(上の回答に対して)そうしたことは資料に載っている。累積欠損金、不良債務がいつ返済できるかを説明して欲しい。
また、市バスの企業債が増加しつつあり、平成14年度で、利息だけでも約二億六千万円を支払っている。経常損益が均衡化する平成21年度末でどれだけの企業債を見通しているのかということも、併せて尋ねたい。
指摘の通り、平成21年度末で約202億の不良債務になる予定である。一方、経常損益均衡後、平成22年以降では年20億の黒字化が期待されるの。
したがって、不良債務は、平成22年以降、約20年かけて解消できると見ている。但し、これは現在の「ルネッサンスプラン」で想定した状況下で推移すればという前提においてである。
ルネッサンスプラン完了時の平成21年には、地下鉄事業の累積欠損金が3000億を突破する。そのような厳しい状況下で、本当に平成48年までに不良債務を返済できるのか。
地下鉄東西線二条〜天神川間の整備の関係もあり、地下鉄企業債の償還は、平成18年度、19年度以降進むことになる。平成21年度の段階では3500億くらいになる。東西線の線路周辺の見直しも行ってきており、国や一般会計の協力を得る中で、55億から70億の中で線路使用料の平準化、引き下げがはかれるようになった。
こうしたことも含め、今回の「ルネッサンスプラン」の中では、累積損益、累積欠損金の解消は平成53年、不良債務の解消については平成48年というふうに見込んでいる。
そうした累積損益、累積欠損金、不良債務の解消には定期的運賃改定という前提条件がある。その運賃上昇率に基づいて計算してみると、「ルネッサンスプラン」完了時には、現在の初乗り料金200円が540円になってしまう。もし、そうなれば、2人でタクシーを利用したほうが安くつくということになる。これは公共交通機関のあるべき姿としてふさわしくないのではないか。
また、そうなると、客離れによって、旅客収入の減少が生じ、「ルネッサンスプラン」の数値目標が達成できなくなってしまうのではないか。
(ここで時間切れ。この案件は、次回に持ち越しとなる。)
(前回の続きから)
地下鉄事業は平成21年度には、3000億以上の累積欠損金を抱えることになるが、平成48年に不良債務を解消するには、旅客運賃が13年後に300円、完了時には500円を超えざるをえない。
「ルネッサンスプラン」には、「不良債務を一掃する」という表現はあるものの、具体的な旅客数の推移に関して表に出てきていない。したがって、論拠を示し、説明して欲しい。
また、「ルネッサンスプラン」は、不良債務が解消するまで新規事業を一切展開しないという前提で数字が組まれているが、実際はどんな形であれ、新規事業はつきものである。
したがって、そうしたことを踏まえた上で、数値をシビアに見直して欲しい。
地下鉄東西線について、平成16年度には醍醐〜六地蔵間の延伸、平成19年度に二条〜天神川の延伸を予定している。これらを見越して、全体的な需要予測をしている。
現時点での旅客数30万9000人をスタートにしているが、経済状況等を考慮し、もとの需要予測をかなり厳しめに見直して、今回の「ルネッサンスプラン」の数値を設定するに至った。
交通広告の収入が14年度決算で9億3011万円と、前年度比約9%ダウンしている。平成10年度から比べると34%、つまり、3分の2に広告収入が減少している。これは改善の余地がある。
まず、広告事業に必要なのは価格力、商品力、営業力。交通局には最後の営業力が欠如している。
その点に関して、
(a)ヒアリングなどを通して、企業が求めているニーズを把握しているか。これは適正な価格決定の判断材料になるとともに、企業への認知を広める上で有効である。
(b)代理店を通さず、交通局自身がプロパーの営業を行っているか。現状では、9億の広告収入のうちの約2割、1億8000万円が代理店手数料として消えている。今後は独自の営業展開をすべきでないか。
(a)直接、企業にニーズを聞いたことはない。
(b)交通局自身が営業を行うかどうかについては、研究をし、その上で努力していきたい。
現在、広告を受け入れてない業種(英会話学校、エステ、人事募集の案内、消費者金融など)について見直し行い、取引業種を拡大すべきである。
規制なしに取引業種を拡大するということは考えていない。柔軟に対応していきたいとは考えているが、基本は公序良俗に反しないことが前提にある。
交通局の中で広告に携わる人間が3名だと聞いているが、より多くの人員を配置すべきではないか。
9億円の収益を上げているところに3名というのは問題がある。収益が上がるところにはしっかりと人員を配置していく。これは雇用対策としても有効だ。
要員に関しては、広告関係は嘱託も1人配置しており、課長や部長も担当をしているため、正確には4名以上の人員で対処している。
「明日も走る」、「オフタイム」などの広報物作成に関し、約3500万円が投入されている。この広報物作成費は、広報物の中に、広告の枠をしっかりと設けることによって、その広告収入でまかなったらどうか。
現在の3500万円を浮かせるだけでなく、さらなる広告収入を見込むことができる。こうした試みは、海外の観光都市で既に行われているものであり、新しい行政のあり方であるように考える。
広報物の3500万円については観光関係の支援、一般会計からの支援を含めての数字である。「沿線便り」についてはタイアップ広告を打ち、制作費無料という形で長年やっている。今後もそういった方向で努力していきたい。
企業のニーズの調査等、独自の営業展開に関して「研究の上、努力」という言葉をもらったので、本当に努力していって欲しい。
下水道事業の建設企業債の未償還残高が、14年度末時点で5218億円ある。設備の老朽化、「災害に強い街づくり」などといった事業との同時進行などを考慮した上で、今後、どういった形でコストダウンがはかれるのか。
例えば、10年後、20年後には未償還残高がいくらになるのかということを具体的に説明して欲しい。
10年先等の見通しについては、内部資料としてはあるが対外的には出していない。
というのは、例えば、5年間の今回の財政計画を見た場合、利息自身が企業債としては3.5%という見方をしていたが、実際上1%を割る利率というものもあるので、かなりの差が出る数字になる危険性をはらんでいる。
つまり、現に発行した企業債については一定利率は決まっているが、新規債は非常に率が変わりつつあり、今現在も株価が上がってきている。
我々、借りる立場からすると、今後利率が上がるのではないかという懸念がある。実際に企業債の残高がどうなっていくかという点についても、今後25年のスケジュールを立てているが、5年ごとに見直しをする中で、内容を精査し、それに見合う仕事をしていかなければならないと思っている。
「京都の下水道」という資料には、データが少なすぎて市民に水道事業が今後も安心だと説明するのには説得力が欠ける。上下水道をできるだけ早期に、長いスパンでの推移を出していって欲しい。