颯爽と歩くビジネスマンの胸には17色の円形のバッジが光り、市民しんぶんには「だれ一人取り残さない、SDGS」という文字が躍る。いつの間にか言葉だけが浸透したSDGSだが、一体何なのかという理解は余り進んでいない。「SDGSって何?」をテーマに、ベストセラー『最先端のSDGSノハムこそが中小企業の苦境を救う』の著者、ノハム協会の神田尚子代表に話を聞いた。

神田さん、ご無沙汰しております。日本ノハム協会を立ち上げられて、山田啓二前京都府知事なども役員に迎えられ、書籍はアッという間に重版と大活躍ですね。

ご無沙汰しています。いえいえ、コロナで本業は大変ですから、大活躍というわけではありませんが、SDGSについては大変高い関心を皆様に持って頂いていると思います。

そうですね。私の周りでもSDGSバッジを付けている方が増えておりますが、「そのバッジどういう意味ですか?」と聞くと、答えられない方が意外と多いのですよね。

まだまだ中身を理解されている方は少ないと思います。

改めて聞きますが、SDGSって何ですか?

一言でいえば、2015年に国連が定めた2030年までに世界が目指すべき持続可能な開発目標17項目を指します。

17項目とは?

以下の項目になります。
- 貧困を無くそう
- 飢餓をゼロに
- 全ての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられる街づくりを
- 作る責任、使う責任
- 気候変動に具体的な取り組みを
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさを守ろう
- 平和と公正を全ての人に
- パートナシップで目標を達成しよう

たくさんありますね。でも、どれもこれまでやってきたような、掲げてきたような内容で、わざわざ「SDGSだぞー」というような話でもない気がしますが。

その通りです。何も真新しいものはありません。ポイントは、国連が加盟国すべてにに向けて発信した具体的な世界的目標だという点です。さらに17項目を169の課題に分け各国に強く働き掛けています。

達成するとどうなりますか?

それこそが、「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」になると言われています。

なかなか壮大で遠大ですね。要約すると、「誰一人取り残さない持続可能な社会を作る為に17の目標をみんなでやろう」とこういう理解でいいですか?

その通りです。何も難しく考えなくてもいいのです。そこに向けて、それぞれができることをやればいいのです。例えば、欧米で一番多い食品ロスはパンの耳らしく、イギリスの大手パン屋チェーン「ゲイルズ」では売れ残りパンからリサイクルブレッドというパンを作っています。これが人気で既存のパンより早く売り切れてしまします。売り手も買い手もリサイクル意識が高い。わざわざそういう商品を選ぶわけです。こうした取り組み、つまり売る方も買う方もSDGSな行動なわけです。

そういう意識をして行動することがSDGSということですね。

そうです。ビニール傘を使うのをやめることもSDGS、海外ではよく見る風景ですが駅の段差で困っているベビーカーに手を差し伸べるのもSDGS、ビニールストローを使うお店より紙ストローを使うお店を選ぶこともSDGSになるのです。

そう考えるとできそうな気がしますね。

国連のサイトには「ナマケモノでもできるアクションガイド」というのがあり、そこには「みんなが同じ部屋で一緒に団らんするのもSDGS」と書かれています。いますぐ、誰でも意識を持てばできるのです。

確かにできそうです。しかし、SDGSをしっかり実践している企業で商品を買うようにしようと一般ユーザーが思っても、どこの企業がSDGSに積極的な企業か、わかりませんよね?

いい質問ですね。SDGSの取り組みをやっているかどうかは実は見えにくいのです。そこで、我々ノハム協会ではSDGSをしっかり取り組んでいる企業に対して「ノハム認証」という認証を与える制度を作っているのです。これが広がっていけばSDGSが目に見えて広がり、そうした企業が選ばれるようなると思っています。

なるほど、そういう団体だったのですね。本日はありがとうございました。
詳細版は、YOUTUBE「村山祥栄の京都チャンネル」で。
ノハム認証についての詳細は一般社団法人日本ノハム協会HPをご覧下さい。