京都新聞現業職員に倫理研修
京都市職員不祥事で市会委
相次ぐ京都市職員の不祥事を審議する市議会は21日、連合審査会に続いて財政総務委員会を開き、人事や服務を所管する総務局などから聴取した。市側は、特に逮捕者が続出している環境局の現業職員に対し、来月から新たな倫理研修を実施する方針を表明。また、懲戒処分に至らない非行を繰り返す職員を辞めさせる分限免職の基準導入で、処分の是非を判定する専門家委員会を設けることも明らかにした。
このうち、環境局現業職員の倫理研修は、本年度の逮捕者9人のうち8人までが同局所属だったことから、再発防止策の重点に位置付ける。覚せい剤など薬物の危険性などを教えるほか、上司の命令に従うことの重要性などを学ばせる。現場を統率する作業長には、管理能力向上も促す。
現在は事務職と一緒に受講している採用後一定年数ごとの研修も、今後は独立させ、現業職の職場実態に合わせた内容に特化させるという。
適格性を欠く職員を退職させることができる分限免職の基準づくりで、中野美明総務局長は「訴訟となるケースも想定されるので、法律に詳しい人に判断してもらう」と、妥当性を判定する委員会設置の方針を示した。
また中野局長は、月内に作成する不祥事防止の抜本的対策は、大きな方向性に具体策も盛り込んだ大綱の形にまとめ、31日の臨時市議会で発表する、とした。
一方、桝本頼兼市長が民放テレビのインタビューで、不祥事の背景の一つとして「同和地区の住民を優先雇用してきた構造的な問題」と発言したことに関し、4月以降に逮捕された環境局職員8人のうち「何人が優先雇用か」との質問も出た。長谷川賢一・人事部長は「1人は一般公募採用」と答えた。
財政総務委員会主なやり取り
村山祥栄委員(無所属)
無断欠勤などに対する処分が甘い。無断欠勤者を停職にしても、本人は休みが増えたとしか思わない。分限処分を行う方針を示したことは高く評価したい。
中野局長
(分限処分は)業務命令違反を繰り返す職員などに公務員としての適格性を問うものだ。