京都・同和「裏」行政

- 発行年月日:2007年12月20日
- サイズ:新書判
- ページ数:206ページ
- ISBN:978-4-06-272476-0
- 定価(税込):840円
出版にあたって
今、同和事業の実態は誰もわからない。
わからないからあること無いこと、全てが批判の対象となっている。
批判の声は消えない。
でも行政は終ったと主張する。
だとすれば、真実を究明し、その実態を世に問いたい。
実態を市民の皆さん、お一人お一人に知って頂き、一緒に同和問題の解決の道を模索したい。そんな思いです。同時に、同和行政は、議会の再三再四に渡る決議を経ても、完全終結には至りませんでした。もはや、議会の外圧では解決出来ないと感じました。だからこそ、世に問い、皆様の声を頼りに解決する道を探りたいと願っています。
今回、講談社より「提出された報告書を出版したい」との申し出があり、このたび出版に至りました。「つぶや記」や「掲示板」には書けなかった全てを詰め込んで。
是非ともご高覧頂きたいと思います。

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報道
京都新聞2007年12月21日金曜日
同和行政問題「大きな争点」
京都市議が著書出版
村山祥栄京都市議(無所属、左京区選出)が20日、著書「京都・同和『裏』行政」を出版した。来年2月の京都市長選で同和行政を「大きな争点にすべき」と主張している。
市議として行った調査などを踏まえ、市職員の不祥事や市の同和対策事業を取り上げ「終結したはずの事業が終わっておらず、逆差別を生んでいる」と指摘している。
同市議は「人権尊重の社会を築くには同和問題の本質を多くの市民が知る必要がある」と訴えている。
朝日新聞2007年12月21日金曜日
「同和行政争点」村山市議訴える
著書出版で会見
京都市議の村山祥栄氏(無所属)は20日、自著の出版に際して市役所で記者会見し、「同和行政を市長選の争点として取り上げ、みんなに考えてもらいたい」と述べた。
同和行政の完全終結を求めた市議会決議の後も依然として終結していないとし、「市議の間でも温度差があり、踏み込んでいない。市議では限界があり、市長の決断が必要だ」と強調した。
村山氏は今年10月、同和施策の一環で建てられた市営住宅で建設会社の看板を掲げた部屋があるなどと指摘し、「同和事業は完全終結させるべきだ」との要望書を市に提出。市は市営住宅を住居以外の目的で利用している事例の調査に乗り出した。村山氏はこれまでの独自の調査をもとに「京都・同和『裏』行政 現役市会議員が見た『虚構』と『真実』」(講談社)を出版した。
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内容紹介
講談社終わったはずの「同和事業」に隠された深き闇
逆差別の「現場」発タブーなき再生論!
続発する市職員不祥事と迷走する同和行政。解放運動の総本山で今、何が起きているのか
この実態を、あるがまま市民のみなさんにも見てもらったほうが手っ取り早いと、某局のテレビクルーを連れてまち美化事務所へ乗り込んだ。「議員調査権」を振りかざし、職員が勤務時間中に2階の休憩室でゲームに興じている姿を含め、問題ある実態をしっかりテレビカメラに収めようと、アポなしで事務所の裏口から突入した。「なんの権限で入ってきたんや」「議員調査権や。そこ、どいてんかっ」「そんなもん聞いてへんわい。こら、待たんかい!」結局、多勢に無勢。囲まれて事務室に連れて行かれた。「こんなやつ、殺したったらええねん」「こいつらか!? 勝手に入ってきやがったんは」「義を見てせざるは勇なきなり」である。ひどすぎる実態を知った以上、追及を止めるわけにはいかなかった。
- 第一章 最年少新人議員が見た深き闇
- 古都・京都に隠されたタブー
- なにも決められない「政治」
- 失われた細い糸
- ロスジェネ世代、政治と出会う
- 現地現場主義と現状現場主義
- 「理想」というまやかし
- 孤軍奮闘する若手地方議員
- 不眠不休の営業マンで社会を知る
- 故郷京都で二十五歳の議員に!
- 新人議員という「壁」
- 最年少という「壁」
- 内部事情という「壁」
- 無所属という「壁」
- 無所属だからタブーに迫れる
- 交通局内部に巣食った影
- 役人のウソ、驚くべき現場の実態
- 癒着構造を暴きだせ!
- 第二章 ゴミから始まった京都市職員不祥事問題
- きっかけはゴミ袋有料化問題
- 市民の負担の前に自分が正せ!
- なぜか三種類あるゴミ収集形態
- 税金垂れ流しの異常な委託契約
- 日本一の高コスト体質の理由
- 一日四時間実働のまち美化事務所
- 年収九六〇万円で休憩ばかり……
- ムダで過剰な人員が原因
- まち美化事務所乱闘事件
- クレーム殺到に見た闇の深さ
- 一枚のビラでテレビが動く
- テレビ放送で市民の怒りが爆発
- どこの犯罪記録か、暴力団か!?
- 市長のクビが飛ぶか?
- 突然の「抜本的改革大綱」発表
- ダメ職員をなぜクビにできないか
- その後も続く「ウミ」の追及
- 不祥事は「同和問題」なのか!?
- 真の問題は京都市の管理監督態勢
- 第三章 終らない「同和対策事業」
- 記憶に刻まれた「同和」
- 同和対策事業は本当に終わったか?
- 同和対策事業の全体像と現状
- ワシらの気持ちがわかるんかい?
- 行政が助長させた逆差別感
- 二つの旧同和地区
- 同和事業のシンボル「隣保館」
- 「隣保館」は変わったのか?
- コミセン事業(1):貸館事業
- 市長応接室級の華美な調度品
- 税金で占有ボクシングジム経営!?
- 貸館対象外の「謎の部屋」の数々
- 完全モニター監視で守られた施設
- 貸館事業の実態は「無用の長物」
- 開かれても開かれないコミセン
- 崩れ去った京都市の主張
- 一人一回、七五一六円の税投入
- コミセン事業(2):生活相談事業
- コミセン事業(3):講座・教室事業
- どこまで税金を垂れ流すのか?
- コミセン廃止論と転用法
- 既得権からニーズに応える施設へ
- 旧同和保育所に見る未来の可能性
- 福祉センターをめぐる諸問題
- 存在意義を失った学習センター
- 京都市経営の風呂屋に五億円投入
- その他の一連の施設にいついて
- 第四章 税金が垂れ流され続けるシステム
- 同和奨学金の驚くべき実態
- 奨学金が返済不要になるカラクリ
- 最高裁で京都市敗れる!
- 改良住宅という闇
- 入居実態のない入居者たち
- 暴力団の組事務所化?
- 一万円強の家賃と三億円の税負担
- 改良住宅全廃、総市営住宅化を
- そもそも住宅地区改良事業とは?
- 土地だけであと一〇〇億円は必要
- モザイクも文化、官民連携で開発
- 定期借地権活用で地域再生
- 旧同和地区のスラム化に歯止めを
- 老朽化と工事契約の問題
- 第五章 京都市は生まれ変われるか?
- なぜ同和事業は混迷を極めるか
- 「お上」自身が責任を取れ!
- 「仕方がない」では始まらない
- ヒト・モノ・カネで考える再生論
- 「お役所の掟」を突き破れ!
- しがらみのない世代からの改革
- おわりに
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