信頼されない行政はもはや行政の役割を果たしていません。市民が本当に信頼し、頼れる存在であって始めて行政の意味があります。市民が役に立つ所だと感じることが出来て始めて市役所なのです。市民の信頼を失った今の京都市は、食品偽装によって消費者に見放された会社のようなものです。職員は、市民のために懸命に知恵を絞り、汗をかき、職員であることを誇りに思う。そして、市民の皆様にも、そんな京都市を誇りに感じて頂ける行政へ再生させることが、今、京都市に課せられた最大の急務であり、市役所の原点であります。
財政非常事態宣言が発せられて早6年。未だに非常事態は脱却されていません。お金なきところに政策実現はありません。財政危機は、都市機能を著しく低下させます。地方交付税が年々削減される中、財政破綻は夕張市だけの出来事ではありません。貧乏自治体から人が逃げる時代が既に到来しています。魅力ある都市づくりの前に、今為すべきことは、市民の皆さんをはじめとする京都市に眠る全ての財産を有効活用した行財政改革による財政の建て直しなのであります。
社会が混沌と混迷を極める最大の要因は、将来に対する不安が払拭できないことにあります。少子化は着実に国力を低下させ、経済不安を加速させ、年金をはじめとする社会保障制度を崩壊へ導きます。少子化に歯止めをかける子育て支援は30年後京都の為に、今為さねばならない最重要課題です。同時に、高齢化が進む中で、ご自身の将来に不安を感じず、寝込まず、生きがいを持って第二の人生を元気に暮らす、即ち「生活の質(QOL)」を維持し向上させる、また様々なフィールドで活躍し続けられる社会構築を今為さねばならないのです。
同和行政は京都市民にとって積年の課題です。終らない同和行政は、行政に対する市民の不信感を増大させ、さらには逆差別というあってはならない差別の温床と化しています。真の同和行政の完全終結を図ることが、行政における公平公正な税の再分配を実現し、不信感を払拭させ、逆差別を断ち切り、不当な差別を断ち切る唯一無二の方策です。名実ともに同和行政を終結させねばなりません。
行政は多くの人に支えられ、拡大を続ける中で多かれ少なかれしがらみを生み、それは、いずれ行政運営の大原則である公平・平等の原則を欠く原因と化していきます。しがらみは口利きや不当な要求を行政に突きつけ、一度決まった案件は補助金をはじめ、連綿と続いていきます。どこかでその根を断ち切り、不当な要求に NO を突きつけることが、今行政に求められています。