不祥事撲滅の8月臨時議会から2週間後には開会された9月議会。
ゴミ袋有料化に伴う種々の混乱、職員不祥事に関する問題などがひとつの争点となり8月臨時議会で設置された不祥事根絶に向けた特別委員会の審議がクローズアップされ続けてきました。不祥事根絶に向けた特別委員会には私は入れませんでした。(これは定数枠の関係なのでやむをえません)そこで、不祥事に関する問題は8月臨時議会の項にてそれなりの見解をお示しさせて頂きました。
9月議会は、公営企業決算の議会ということで、不祥事根絶に向けた特別委員会の委員以外の大半は公営企業決算委員会に所属し、みっちり9月中、決算委員会で様々な議論を行いました。ここでは、その質疑に関する点と、議案に対する点について取り上げたいと思います。
特に今議会、私は大変問題のある議案が提出されたと思っております。即ち、談合の疑いのある工事契約についてであります。結論から言えば、私ただ一人否決をしております。ただひとり反対してでも鳴らさねばならない警鐘とはなんだったのか、詳しくは下記よりご覧を頂きたいと存じます。
入札がらみの談合事件が全国的に騒がれる昨今。9月議会では、5件の工事契約が議案として挙がってきていた。うち一件は9月末日現在、和歌山県のトンネル発注工事で談合容疑で大阪地検の捜査を受けている間組が落札しており、この議案は撤回された。そんな折、99.2%の落札率という極めて談合の疑いありという工事契約が議会に提出されていた。請負金額は、5億7540万円。
早速だが、下の資料をご覧頂きたい。
入札社名 | 入札金額 | 落札率 |
---|---|---|
A社 | (*1)548,000,000円 | 99.20% |
B社 | 549,500,000円 | (*2)99.47% |
C社 | 550,000,000円 | (*2)99.56% |
D社 | 551,000,000円 | (*2)99.74% |
E社 | 辞退 | |
F社 | 辞退 |
99.2%という信じられない高落札率である。昨年度の同規模建築工事の平均落札率88.9%から見ても異常なことが良く分かる。あくまで疑いありというのが否決理由だが、全国市民オンブズマン連絡会議では、過去の談合訴訟や公正取引委員会の審判等から落札率95%以上を「談合の疑いが極めて強い」とし、90%以上で「談合の疑いあり」と断言している。談合を断定することは極めて困難ではあるが裁判でも高い落札率から談合が行われた事実を推認できるということまで言っている。また公共事業に詳しい経営学の教授によれば「落札率が98%以上など統計学上ありえない」と指摘する。さらに、、、
実はこの入札、当局にも談合情報が寄せられ異例の入札後の調査に当たっている。(通常入札前に行う)事情聴取と積算内訳書(見積もり)を精査し直したが、結果はシロだった為、今回の議案となっているのだが、これ程、疑いの強い入札を黙って唯一のチェック機関である議会が可決してよいのだろうか。
さらに疑惑はつづく。
なんとここ4年間の今回落札された地区のAクラスの工事契約をみると、今回落札したA 社が全て落札。しかも、当該エリアの入札工事におけるA社の落札率は平均97.9%。これを見て違和感を感じるのは私だけだろうか。
これらの内容から専門家にも意見を求め総合的に精査し、入札に関してのみ言える事ですが、入札は確定的証拠なくとも疑惑の段階で入札のやり直しを行うことができることから最終的に判断を致しました。全会派賛成という異常な状況の中でありましたが、ただ一人ででも警鐘を鳴らさねばならないとの判断から否決を致しました。
年度 | 予定価格 | 落札価格 | 落札率 |
---|---|---|---|
15 | 754,950,000円 | 782,670,000円 | 96.45% |
16 | 442,050,000円 | 450,975,000円 | 98.02% |
17 | 621,600,000円 | 633,990,000円 | 98.04% |
18 | 575,400,000円 | 580,020,000円 | 99.20% |
私は昨年来、交通局と交通局OB会との関係、特に時給2000円近い車両誘導業務を始めとした馴れ合いの委託契約、駅構内の敷地又貸しによる利益供与など内部の癒着問題を厳しく追及をしてきました。
結果、敷地の又貸し等は廃止、委託料は時給換算で1000円程度へ減額、また随意契約(入札なし)から入札導入など委託の在り方を見直し、金額にして約4000万の削減効果と随分改善がなされました。そこで…
本委員会では、さらなる委託業務の改善に加え、交通局からOB会へ派遣されている職員39人、人件費3億3000万(一人869万)の見直し、削減を強く求めた。
駅前の放置自転車問題について。自転車法で鉄道事業者には駐輪場の設置協力義務があるが、それは京都市の仕事だという。京都市は総合計画で整備を進めることになっているが、鉄道事業者の協力ありきという。私鉄の場合、私鉄の責任もあるが、地下鉄の場合、いずれにせよ、京都市の責任である。挙句の果て、歩く街京都と言いながら駐輪場設置もせずに撤去だけは行う。一体自転車をどこに停めろと言うのか?いや自転車に乗るなということか?他都市では、ちゃんと駐輪場設置した後、周辺地域を撤去地区を指定している。設置せず撤去だけ行う。以前から都市計画局でも指摘を続けているが、今回は鉄道事業者としての責務を問うた。
年々廃止の傾向にある特殊勤務手当てだが、まだまだ不明瞭なものが存在する。中でも著しく危険、不快、また特殊な技術を要する業務に支払われる特異性手当てというものがある。本当に危険な業務はいいとして、メーターの検針や開栓閉栓作業・集金業務から守衛業務に至るまで職員の大半にこの手当てが支給されていることが分かった。メーター検針業務のどこが危険で、不快なのか?さらに、検針や開閉栓、集金に従事するとこの手当てに加え、奨励金という名の成果報酬までついてくる。特異性手当てだけでも問題なのに、これでは二重支給ではないか!即刻見直しを進めるべきだと強く指摘。見直しするとの答弁。
村山の調査で直営で行う業務が水道メーターの点検に一件あたり142円、開栓閉栓を行うのに一件4500円のコストがかかっている事が発覚!民間委託化を行っている都市では、それぞれ78円、525円と比べて頂ければ一目瞭然、高い。委託は検討していたものの、委託先は外郭団体と殆ど安くならない計画。競争入札を原則とした民間委託化を厳しく追及した。
右京営業所のメーター点検業務が競争入札で民間委託を実施。一件当たり96円、総コストで▲3400万の削減に成功。
更なる委託化の拡大、開閉栓業務の委託(削減コストは最大2億5000万程度)および依然として競争力が低く委託費が高止まりしている外郭団体委託分を競争入札へ移行させるよう引き続き求めた。