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欧米型ニューパブリックマネジメント手法は行政組織のスリム化と活性化の有効的な手段とされ、近年、京都市も含めた自治体で研究実践がなされている経営手法である。
が、現在の行政運営をみるに、まだまだこの経営手法が根付いているとは言えず、取り組むべき課題は山積している。
顧客志向という観点では、近年大幅な改善が見られているが、未だ十分とは言えず、また、競争原理という観点では、意識も薄いと感じる。民間企業及び自治体間での比較検討(ベンチマーキング)を促進させ、更なる改善努力を講じて頂きたい。
その他、成果主義、権限委譲等については後述するが、まず、NPM手法を効率的に用いた行政改革を行うことを強く要望する。
本市では、平成13年2月に策定した「京都新世紀市政改革大綱」において、「補完性の原理に基づく市民と行政の役割分担の改革」と「NPM理論に基づく行政経営システムへの改革」を改革の基本理念として掲げ、行財政運営全般にわたる構造改革に取り組んで参りました
更に、平成16年7月に策定した「京都市市政改革実行プラン」においてもこの理念を継承しております。
本市におけるNPM理論に基づいた取組と致しましては、顧客志向として、庁内活性化策である「プラス・アクション21」の取組による「市民応対窓口サービス評価制度」等の実施、市場メカニズムの活用として、PFIや指定管理者制度等の手法も活用した民間活力導入の更なる推進などに取り組んでおります。
今後とも、これまでの取組を継続、発展させ、更なる市政改革に取り組んで参ります。
行政に成果主義の導入を検討するという声が多い中で、その前段となるもの が、人事評価である。
既に京都市もいち早く人事評価を行う基準として目標管理制度は現在、管理職以上を対象に導入をしていることは評価に値するが、目標管理制度はあくまで全職員に導入してこそ十分な役割をはたせるものであり、岐阜市をはじめとした先進自治体に遅れを取らぬよう早期に全職員を対象に行うことを要望する。
ただし、目標管理制度の欠点は、評価する側の評価基準の平準化であり、一つ間違うと全く逆の方向へ向かいかねない制度であることから、十分な評価体制がとれることが全職員導入における絶対条件である。
この精査を十分に行 い、公正公平な目標管理制度となるように順次導入に向けて取り組まれたい。
組織運営の中核となるべき部・課長級職員の能力や実績をより客観的かつ多面的に評価できる仕組みを整えるとともに、評価結果を適材適所の人事管理に活用することにより、職員の意欲や能力の更なる向上を図るため、平成16年度から「部・課長級職員に係る新たな人事評価制度」を試行実施しております。
この人事評価制度は、能力評価と業績評価により構成しており、このうち業績評価においては、目標管理の手法を導入しております。
今後は、この試行結果を十分検証するとともに、国の公務員制度改革の方向性も見極めつつ、人事評価制度を充実して参りたいと考えております。
成績主義の導入はもはや公務員制度改革大綱で示されているように、時代の流れといっても過言ではない。
目標管理制度は、評価をするだけに留まらず、評価を何らかの方法で反映することが成績主義の原則であるが、急激な成績主義、成果主義の導入は、現場に大きな波紋と様々な問題を併発する可能性が高いことを鑑み、まずは期末手当および勤勉手当に対し目標管理制度による評価をもとに緩やかな成績主義の導入を要望する。
無論、上記項目同様、十分な評価体制の確立が前提である。
国におきましては、公務員制度改革の一環として、職員の能力と実績が適切に反映される給与制度の在り方について検討が進められております。
また、本市におきましても、個人の能力・実績をより一層重視した給与体系の実現に向け、管理監督職員に対する期末手当の一部を勤勉手当に振り替えるなど、これまでも、逐次、制度の見直しを進めております。
今後、国における公務員制度改革及び他都市の動向等も注視しつつ、職員の一層の能力・意欲の向上を図るため、「京都市人材活性化基本方針(案)」の趣旨も踏まえ、期末勤勉手当を含む給与制度の在り方等について、検討を行って参ります。
都市経営総研のアンケート結果では、52%の方が減点主義が公務員の積極性を失わせると回答している。一刻も早く、役所意識からの脱却が求められ、信賞必罰を徹底させ、民間同様やる者が報われるシステムを構築すべきであり、それこそがひいては「自ら考え自ら動く」政策形成能力の向上にも繋がると思われる。
年功序列からの脱却は、年々加速傾向にあり、これからの自治運営はフレキシブルな人事が求められる。
他都市事例にもあるような2段階昇任等の推奨は、職員の意識向上にとって、大変大きな影響を与えるため、至急に職員任用規則を改正し、係長職以上の能力による昇任を促進されたい。
人材の登用については、これまでから医師や消防職員の区長への思い切った登用や、幹部職員への若手の抜擢を行ってきましたが、これからも既成概念にとらわれない柔軟な発想と実行力を持った職員を積極的に登用して参ります。
現在の庁内の職員の意識改革に取り組むスタンスは高く評価できるが、民間企業と比較をすると残念ながら自浄能力の低下は否めない。
外部の人材登用を更に積極的に行い民間の感覚、感性をはじめ民間が取り組んでいる改革における様々なノウハウを吸収していくことが改革を加速させるうえで必要不可欠であり、影響力の強い特に課長級以上の管理職へも門戸を広げていくべきである。
同時に、財政難であるということもあり、低コストで高い効果が期待できる期限付職員をうまく活用することも併せて要望する。
本市におきましては、民間企業等において豊かな経験を積んだ優秀な人材を確保し、多様化、高度化する市民ニーズ、激変する社会情勢に迅速に対応するため、平成14年度から民間企業等職務経験者の採用を行っております。
この民間企業等職務経験者を課長級以上の管理職で採用することにつきましては、新たな行政課題に即応できる、より高度で専門的な知識及び経験を有する者を活用する手段として、一般職の任期付採用制度の導入と併せ、他都市の取組状況等も参考にしながら検討して参りたいと考えております。
現在ある経営改善手法の中で、経営改善と職員の意識改革を並行して行えるベストプラクティス(優れた取組)の発掘作業は、日産の販売改善といった事例を筆頭に民間企業の間でも極めて有効であることが証明されている手法である。
特に福岡市におけるベストプラクティスの取組はDNA運動という名前で各局からマイナス補正予算を提出する、市民サービスが飛躍的に向上するなど、大きな成果を挙げている。
職員の意識を最大限に引き出し、現場の声を具体的に市政に反映させていくことは、京都市にとって大変有効であり、それは人的資源を有効に活用することを意味する。
現行の提案制度は、その礎になるものであると認識しているが、現行の方法では本当のベストプラクティスとは大きく乖離しているため、京都市は全庁を挙げて、この作業を現場職員が活用できる制度に再編させていく必要がある。
福岡市の事例を大いに研究され、本当の提案制度が根付き、京都市職員が高い意識を持って職務に専念できるようになるよう、全力を挙げて取り組むことを強く要望する。
本市におきましては、従前から実施している職員提案制度に加えて、平成13年度から、民間企業の改革手法であるTQMの手法を応用して、全職員が一丸となって、京都市役所の制度、仕組みや仕事の仕方を改革、改善するプラス・アクション21の取組を導入しております。
これは、職場の実情に応じて、所属長を中心に職員全員が話し合いながら、できることから改善を行う取組で、「プラス思考」で改革、改善の活動(アクション)を行い、21世紀型自治体・京都市の創造を目指すという思いが込められているものであります。
平成13年度におきましては、「市民応対窓口サービス向上・大運動」というテーマの下、パイロット職場として3職場でモデル的に実施した後、125の職場において各職場の業務内容に応じた市民サービスの向上に取り組みました。
平成14年度からは、13年度の取組を更に発展させ、プラス・アクション21を全職場で展開し、テーマを「市民応対窓口サービス向上」に限定せずに、各職場の役割(使命)に応じた目標(テーマ)を定めて、それに沿った業務改善活動を自立的、継続的に推進しております。
また、プラス・アクション21における優れた取組を紹介する庁内誌「ほっぷ・すてっぷ」を定期的に発行するとともに、庁内横断的な「プラス・アクション21推進委員会」において、各局等の優れた取組の検討等を行っております。
ベストプラクティスの全庁的な周知と共有化を目的として、今後とも、プラス・アクション21と職員提案制度の更なる活性化を図り、職員の積極的な改革の取組を市政改革に生かして参ります。
現在取り組んでいる市役所のイントラネットを基盤とした情報化は、着実に前進をし、効率的な行政運営に役立っている。
しかし、残念なことに未だにその道は半ばであり、職員全体が高い意識を持って有効に活用できているかは甚だ疑問である。
前項のようなベストプラクティスの共有をはじめ、様々な対応策やシステムを共有していくナレッジマネジメントは今やリクルートをはじめとする多くの企業の重要な戦略の一環として機能している。
一刻も早く全庁、または各部局内の連帯強化の為のナレッジをハード、ソフト両面から推し進め、情報の内部蓄積を容易にできるよう努められたい。
本市におきましては、平成16年3月に策定致しました「高度情報化推進のための京都市行動計画〜e−京都21(2004版)〜」に基づいて、イントラネットを活用した本市全体の情報共有を推進するため、照会、通知文書等の電子化の推進や、各所属で保有している要綱、要領、統計、研修資料、地図データ、申請書等帳票の書式等を庁内ネットワークのサーバ上に登録し、閲覧できる環境の構築を推進しております。
また、日々の業務で発生する文書を電子情報として蓄積することにより、必要に応じて迅速かつ容易に文書を検索することができる文書管理システムを平成19年度からの運用開始を目指して構築しております。
更に、平成17年度中に開設を予定している市政情報総合案内コールセンターに蓄積された市民からの問合せや回答の内容についても庁内で共有できる環境を構築するなど、今後とも、イントラネットを活用した効率的な市政運営に取り組んで参ります。
京都市は目標を定め、職員の削減を着実に実行してきた。しかし、あくまでも退職者不補充という形が必要になり、大幅な職員削減が出来ないことが、市政改革、コスト削減にブレーキをかけてきた経緯がある。
そういった意味でこれからの10年は団塊の世代の退職に伴い職員が激減する極めて重要な10年である。
この10年間にどれだけのスリムアップが実行できるかが将来の京都市を大きく左右するターニングポイントと言っても過言ではない。
現在の京都市の計画は、計画値達成によって行政のスリム化が完了できたと言えるような計画ではない。つまり、今後も新たに民間委託、事業廃止といった課題が次々に出することが予想される。
したがって、現在の削減計画通りに新規採用を行うことは、後々発生する行政改革にブレーキをかける結果になりかねない。
今、京都市は、退職職員マイナス新規採用(職員の純減)をどこまで進めることが出来るかにかかっている。そこで、慎重に検討し、将来に向けて大幅な職員採用抑制を行うべきであり、強く要望する。
特に、現業職の大半は時代の趨勢と共に民間に委託される流れが加速度的に高まってきている昨今においては、新規採用は慎重に検討し慎まれたいことを併せて要望する。
職員の新規採用者数につきましては、これまでから退職者数だけでなく、事業の見直しによる減員等も踏まえたものとしております。
今後とも、事務事業の効率化や委託化等を推進する一方で、これらを踏まえた適切な新規採用者数とすることで、職員数の更なる適正化を図って参ります。
前項でも申し述べた補完策についてであるが、補完はあくまで嘱託職員によって賄っていくべきである。
特に、高齢者雇用の促進が中心に叫ばれる中、行政は率先してこれを推進していく必要がある。
特に、長年の経験と高い見識を備え、同時に正規職員に比べ人件費を大幅に抑制できる豊富な労働力 は、京都市にとっても大変魅力的であり、特に、行政改革が過渡期で、局地的、一時的に労働量が欠如することが予想されることから、嘱託職員を効果的、効率的に配置していかれることを要望する。
本市では、多様な行政需要に的確かつ効率的に対応するため、従来から非常勤嘱託員制度を活用しております。
今後とも、市民サービスを低下させないことを前提に、特定の知識や経験を有する非常勤嘱託員を有効に活用していくことが必要であると考えています。
行政の課題の一つに、不当要求の対処というものが、積年の課題として存在する。
市民の間でも「役所は声の大きい奴に弱い」といった指摘がなされ、また職員の中にも、不適正な執行が行われていることに理不尽さを感じているという声が存在する。
こういったものが横行する限り、本当に公正、公平な行政運営を行うことは困難であり、こういった課題に真っ向から取り組んでいかねばならない。
そのためには現行の制度ではその役割を十分に果たせないことからより強化した対応策を講じていく必要がある。
千葉県の行政対象暴力対策委員会や近江八幡市のコンプライアンスマネジャーといった制度を参考に、京都市でも一部では行われているが、県警から出向者を派遣することや弁護士との連携をより強固にすることなど様々な対応策を練り、全庁挙げて、不当要求行為、不適正執行の排除に努められたい。
本市におきましては、平成15年度から職員に対する不正な働き掛けを防止し、公正な職務執行を確保することを目的に、有識者等で構成する「公正職務執行委員会」を設置するとともに、各局・区等においても、不正な働き掛けを受けた職員からの相談等に応じる機関として、「さわやか職場推進委員会」を設け、組織としての自浄作用を高め、市民の信頼にこたえる執行体制の整備を図って参りました。
今後とも、これらの機関の連携強化を図り、公正な職務執行の確保に努めております。
昨今、自治体における行政のスリム化は重点課題であり、京都市もそういった取組を推進されてきた。
特に人件費の削減は大きな問題であり、この問題を論じる際の解決手法として民間委託という手段を声高に叫ばれる節があるが、活用すべき資源は民間企業や団体によるものばかりではない。
特に団塊世代の退職者が大幅に増加するこれからの時代、政府も雇用法を新たに策定し彼らの需要の喚起を促しているが、同時に京都市としても有効に活用していくべき人材である。
また、女性の社会参画の面から見てもこれを促進させる観点を行政は今後より一層強化せねばならないと考える。
そこで、そういった方々をターゲットに設定した市民との協働を模索していく必要がある。今一度、行政機構をすべからくチェックし、職員が直接執行せねばならない業務、ボランティアに委託できる業務、民間に委託できる業務を再分別するべきである。
そして、ボランティアに委託できる業務に関しては、市民を有償のボランティアとして市政運営に参画させ、有効な活用を図っていくべきである。
現在、埼玉県志木市が導入している行政パートナー制度は、極めて高いコストパフォーマンスを誇り、また市民と共に行政を作っていくという制度としては、大変優れた制度である。既に窓口案内をはじめ842業務を行政パートナー(有償ボランティア)に委託することを決め、その一部を現在稼動している。
地公法や人材派遣法等々の課題を既にクリアした形で運用されていることから、これを参考に京都市でも有償ボランティアを有効に活用されるよう要望する。
本市では、「信頼とパートナーシップによる市政運営」を基本姿勢に掲げ、平成13年12月に策定した市民参加推進計画に基づき、市政参加の仕組みの拡充や市民活動の推進・支援のための取組を進めております。
ボランティアの活用につきましては、市民と行政の協働を実践する有効な取組の一つとして、子育て支援やイベント運営等において有償で実施しているものもあります。
今後とも、他都市の事例も参考にしながら、ボランティアを含め、市民の英知と行動力を生かした市政運営の推進に積極的に取り組んで参ります。
現在、京都市では区役所の権限強化等をはじめとする取組がなされていることは、将来の京都市にとって大変有益なことである。
現場への権限委譲は、役割を明確化させ、権限と責任の所在を明確にし、外部環境の変化等にも迅速に対応できるといった意思決定の迅速化と中央での管理コストの削減やコスト意識を持った職場運営といった観点から効果が高いとされている。
昨年度の予算要望より、そのような観点からディビジョン制に倣った部局運営と大幅な権限委譲・局別による収支決算の確立を行い、上記の効果を発揮できる部局運営を要望してきた。これの実現により、日常的なマイナス補正予算の申請、新たな独自財源確保といった取り組みも柔軟性を持って執り行うことが出来るようになる。
したがって、より一層の各部局に対する権限委譲を要望する。
組織内分権の推進につきましては、局長等への予算の流用及び移用権限の委譲、部長級以下への権限の大幅委譲、区長・区役所支所長への総務課とまちづくり推進課の間の業務分担・人員配置権限の委譲などの取組を進めて参りました。
とりわけ予算面につきましては、戦略的予算編成システムによる予算の「局配分枠」方式と、それに対応する形での局長等への予算の流用及び移用権限の委譲を実施し、各局が局長のマネジメントの下で、「選択と集中」を徹底し、限られた財源の効率的配分を図ることができる仕組みを構築しました。
今後も、時代や市民のニーズに的確に対応し、市民に高品質で満足度の高いサービスを提供できるよう、市民の行政需要に精通した各部局への組織内分権の一層の推進を図って参ります。
現在新たな数値目標と取組期間を明示した外郭団体改革計画をあらたに策定され、以前に増して外郭団体改革にまい進されていることは大変喜ばしいことである。
自主自立の原則に従い、適正に運営されることを切望する。更にこれを強化させるために、市が委託する業務に関しては、導入された指定管理者制度を有効に活用し、競争性を重視し、複数業者による入札形式の委託に切り替える中で、独立採算性を維持できないものは補完性の原則から改廃を検討されたい。
同時に、ご指摘にある廃止の検討項目(存在意識の薄い団体・回復見込みのない赤字団体・民間への移管が可能な団体)をより厳しく精査し、10%の削減目標に加え、統廃合検討団体を更に増やすことを強く要望する。
外郭団体に管理委託している公の施設につきましては、「京都市公の施設の指定管理者の指定の手続等に関する条例(平成16年3月制定)」及び「京都市公の施設の指定管理者制度運用基本指針(平成16年8月策定)」に基づき、原則、公募により指定管理者を選定することとしております。
また、「京都市外郭団体改革計画(平成16年7月策定)」において、公の施設の管理委託に限らず、本市が外郭団体に委託している業務については、原則として複数の事業者から委託先を選定することにより、競争性を確保することとしております。
また、団体の統廃合等の推進につきましては、外郭団体改革計画において8組14団体の検討対象団体を掲げ、現在統廃合等に向けた検討を進めているところであります。
更に今後、検討対象団体以外の団体についても、必要に応じて積極的に統廃合等に取り組んで参ります。
原則継続すべき団体に関しては、昨今の取組にある経営評価システムに加え、横浜市が先んじて導入をしている経営目標と責任の明確化を目標とした特定協約団体マネジメントサイクルを参考に、個々の団体と特定協約を締結し、現在のPLAN DO SEE サイクルに加え、明示した目標が未達成だった場合、団体の整理統合を検討するといったシビアな環境を設定し、更なる自主・自立的経営へ誘導するべきである。
本市におきましては、平成12年度から、外郭団体の経営状況の点検評価を行ったうえで、その結果を踏まえて、各団体に次年度の経営計画の策定を求める「経営評価システム」を導入し、団体の自主的な経営改善を促進しております。
更に、平成17年度からは、各団体の経営計画を公表することにより、目標管理の徹底を図り、計画の実効性を担保することとしております。
今後、他の先進事例も参考にして、団体の目標管理をより実効性のあるものにして参ります。
財政非常事態宣言下における財政再建は、行政の骨格をなすものであり、経済活動と同様、財政は市の血液であり、金銭的自立なくして市の将来の展望は開けない。
桝本市政は、最優先課題を「財政再建」と明確に位置づけ、まい進されることを強く求め、また、市長以下、すべての京都市役所職員は、「市民の公僕」たることを再確認し、将来の京都を標榜し一丸となって財政再建に取り組むことを要望する。
本市では、経済の低成長期にあっても、時代の要請に即応する政策の推進とそれを支える安定的で持続可能な行財政運営を確立するため、新たな都市経営の基本方針として「政策推進」、「市政改革」、「財政健全化」の一体的かつ戦略的推進を目指す「新京都市経営戦略」を平成16年4月に策定致しました。
また、この「新京都市経営戦略」に基づき、財政健全化に向けた抜本的な取組を進めるため、「京都市財政健全化プラン」を同年7月に策定しております。
この「京都市財政健全化プラン」にお示した具体的取組を着実に進め、全庁を挙げて本市財政の健全化に邁進して参ります。
16年8月市税制研究会の最終報告書が提出された。
受益者負担の観点や京都市財政の硬直化現象を視野に入れた場合、法定外新税の導入は今後の京都市の大変重要な検討課題であり、これを踏まえ、今後も導入を前提とした更なる検討を進められたい。
また、同時に、税制という安易に市民に負担を求める手法のみならず、行政の自助努力による財源確保をより強化されたい。
現在、横浜市を初め全国の自治体は広告収入の増収策、ネーミングライツ等々を熱心に研究を進めており、京都市も自治体独自の新財源の確保に努められたい。
法定外新税などの課税自主権の活用につきましては、主要な税源が法定税とされていることから本市独自の税源を見出すことは容易ではありませんが、平成16年8月に出された、京都市税制研究会による法定外新税や超過課税に係る提案を踏まえ、受益者負担の観点や政策の誘導に税制を役立てることができないかどうかなど「政策と税制の連携」という観点から研究・検討を行って参りたいと考えております。
また、分権時代の地方公共団体、とりわけもともと財政基盤がぜい弱で、地方交付税など依存財源の割合が高い本市においては、事業を進めていくための独自財源の確保は重要な課題であります。
「京都市財政健全化プラン」の行動計画の一つとして自主財源の拡充強化を掲げており、また、戦略的予算編成システムの採用により、御指摘の広告料やネーミングライツをはじめとする財源確保策も各局長のマネジメントの一環となることから、今後、新たな財源確保に向けた取組を促進するよう検討して参ります。
京都市では日夜、財政再建に尽力しているが、未だ将来不安がぬぐいきれる状態とは程遠いのが現状である。
特に市債残高の増加は、公債費が予算を圧迫するだけではなく、将来にわたり大きな禍根を残すため、市債の発行を抑制し、16年度策定された財政健全化プランの早期達成に向けご尽力いただくと共に、プライマリーバランスの均衡堅持のみならず、このたび横浜市が導入している「横浜式プライマリーバランス」(市債発行額=元本償還金+利払額)といったような、着実に市債残高が減少できる予算編成を目指して頂き、本当の「安定的で持続可能な財政」を構築されるよう要望する。
将来の京都の発展に欠くことのできない都市基盤整備のためには、市債の発行は不可欠であります。
しかしながら、その元利償還金が、将来の財政運営の過度の負担とならないよう、毎年度の予算編成において、市債の発行額を適切に管理することが重要であると考えています。
このため、平成16年7月に策定した「財政健全化プラン」においてプライマリーバランスの均衡を堅持することを、本市財政運営の新たな目標の一つに掲げております。
引き続き、投資的経費の更なる抑制に取り組み、プライマリーバランスの黒字幅の拡大に努め、市債残高の増加を可能な限り抑制して参ります。
専属の職員を配置した財政再建プロジェクトチームを市長部局に新設し、徹底したコスト管理と再建プランの実現に向けたありとあらゆる手段を模索し、実行されたい。
民間に対し、コスト意識が低い市役所の体質は、簡単に改善できるものではない為、専門チームを新設し、外部の公認会計士やコンサルティングファーム等と提携し、局内のコスト管理をはじめ、今後の事業計画に至るまでの徹底した経営管理を行われたい。
同時に現在の財政状況から、部署の新設は大変厳しいものであることから、戦略事業の一環と位置付け、財源確保の為の独自施策の検討も含め投下資本に対し大幅なリターンが見込めるものにされたい。
本市におきましては、安定的で持続可能な行財政運営システムの確立に向け、平成16年7月に「京都市財政健全化プラン」を策定致しました。
今後、「京都市財政健全化プラン」に掲げました具体的取組を着実に実行できるよう、全庁を挙げて取り組むと共に、戦略的予算編成システムの改善などその最も効果的な実施や進捗管理の手法を検討して参ります。
未曾有の財政難時代を迎え、従来行われている行政主導の式典類は、市民により理解を強く求めるといった観点からも、従前以上に大幅に予算を削減し、コストカットをより強く推し進めるべきである。
本市におきましては、京都市自治記念式典、京都まつり・京都の秋音楽祭・京都映画祭・京(みやこ)の華舞台をはじめとする京都文化祭典、京都シティハーフマラソンなどの多数の式典、祭典や文化・スポーツ事業等を実施しております。
実施に際しては、平成13年10月の財政非常事態宣言を受け、緊急対策の一環として、各々の事業や式典、祭典の有する意義や効果を勘案しながら、休廃止を含め、可能な限り経費を縮減するなどの見直しに取り組むなかで、参加者をはじめ多くの市民の皆様に喜んでいただける内容となるよう工夫を凝らして参りました。
本市財政は、なお非常事態にあるため、緊急対策期間終了後の平成16年度予算編成においても、局裁量枠の財源配分に当たり特段の措置は講じず、これらの見直しを継続することとしており、今後とも、事業や式典等の実施に際しては、より一層有意義かつ市民の皆様の御理解が得られるものとなるよう努めて参ります。
この程、敬老乗車証は申請方式に切り替わりますます公正かつ無駄のない制度になったと思われる。
しかし、現在の高齢者をみると要介護者は増加傾向にあり、それに伴い交通手段も多様化している。
にもかかわらず、市バス、地下鉄という一律、一元化された補助は現状に馴染まず、多種多様の交通手段に対する補助を講じる必要性がある。
これは、受益者負担の原則から考えても、必要不可欠な問題であり、敬老乗車証のあり方を改め、市バス、地下鉄に限らず一乗車に対して一定の補助を行い、同時に一定の負担をいただくといったような有効かつ公平な運用の検討を要望する。
敬老乗車証制度につきましては、昭和48年度の制度発足以来、約30年が経過する中で、対象者が年々増加することに伴い、事業費も拡大している一方、地域による受益格差に対する不公平感など、様々な課題が指摘されております。
このため、今年度から辞退がない限り交付していた配付方式を申請方式に改めるとともに、今後の制度のあり方について、京都市社会福祉審議会で審議していただき、その結果、この制度の存続を前提に、
との答申をいただいております。
また、平成16年12月に実施した市民アンケート調査でも一律無料制度を見直して継続を望む声が多く寄せられております。
これらを踏まえ、平成17年9月の一斉更新から、この制度を持続的・安定的に継続していくため、費用の一部を負担していただくこととし、また、あわせて民営バス選択地域の市民に対しても、「民営バス」と「市バス・地下鉄」それぞれの敬老乗車証を重複交付することとしたいと考えております。
職員のフレックスタイム制を導入し、窓口の開設時間を延長すること。市民にとって、窓口の開設時間に対する不満は高く、現在の証明書発行コーナーの機能ではカバーしきれない部分が多 く、より充実した時間外対応を検討されたい。
また、証明書発行コーナーについてですが、市民からの聞き取りによるとその認知は低く、事実当コーナーが混雑するほどの利用者があるようには思えない状況である。そこで認知不足を解消する為の対策を至急に講じられたい。
窓口の開設時間の延長につきましては、市民生活の多様化等に伴い、そのニーズが高まっており、市民サービスの向上を目指すうえで有効な方策の一つであると認識しております。
このようなことから、市内5箇所にある「ターミナル証明書発行コーナー」につきましては、既に取扱時間を平日の午前8時30分から午後7時までとしておりますが、平成15年10月からは土曜日にも開所(午前8時30分から午後5時まで)しており、平日には区役所等に来庁できない市民の方を中心としたサービス向上を図っております。
また、平成16年6月から、区役所・支所全課における昼休み時間帯(正午から午後1時まで)の窓口業務を実施しております。
証明書発行コーナーの広報につきましては、市民しんぶん、チラシ、ホームページのほか、市役所前、ゼスト御池及びJR京都駅ビルに設置されている電光掲示板にスポットを流すなど、様々な広報媒体を活用しております。
今後とも、市民の皆様に広く利用していただけるよう更に効果的な周知方法を検討して参ります。
現在の図書館の利用客は、市民の4分の1程度であるものの、年々増加傾向にあり、市民の学習意欲は高く、その市民のニーズにこたえるべく、「華やぎのあるまち」づくりの一環としての図書館機能の充実をより一層推し進めるべく、鋭意取組を進めているが、未だ時間延長されていない図書館においては、 現在の17時、19時半の閉館時間では、十分に市民の皆様が利用できないことから、未着手の図書館の開館時間を延長されたい。
地域図書館の開館時間につきましては、平成12年度から左京図書館の夜間祝日開館以来、毎年度拡充を図ってきており、現在、全20館で祝日開館、13図書館で夜間開館を実施しており、中央図書館3館では午後8時30分まで、地域図書館においては、午後7時30分まで夜間開館を実施し、勤め帰りの方などが気軽にお立ち寄りいただけるよう努めております。
新たな夜間開館の実施にあたりましては、地域性を考慮するなど弾力的な実施方法を検討しており、17年度からは、岩倉・東山図書館の2館で新たに実施することにより、全11行政区において夜間開館を実施することとなります。
なお、19年度までに未実施の5地域図書館で夜間開館を実施し、全地域図書館が夜間開館を行う予定であります。
今後とも、市民の皆様に親しまれる図書館、利用しやすい図書館を目指し、図書館サービスの一層の向上を図って参ります。
少子高齢化傾向が年々顕著化する中で、それに向けた対策は、国家100年の大計という観点からも国家の根幹をなす、重要な基幹事業である。
したがって、子育て支援策においては、特に近年女性の社会進出と共に、ライフスタイルとそれに伴う価値観の変化に即したもので無ければならない。
そのた め、待機児童解消問題もさることながら、上記の拡充及び設置を速やかに実行されたい。
本市におきましては、少子化の進行や世帯構造、就労形態の変化などにより、保育需要が多様化する中、京都市児童育成計画「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に基づき、様々な保育施策の充実に努めております。
平成17年度におきましては、延長保育を5箇所増の136箇所、一時保育を3箇所増の28箇所とするなど、実施箇所数の拡大を図り、休日保育は2箇所で引き続き実施しております。
更に、夜間保育については、政令指定都市の中で最も多い7箇所で実施しております。今後につきましては、この度策定した新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に基づき、多機能保育の充実や地域における子育て支援など、時代の要請に即した保育サービスの提供を着実に推進して参りたいと考えております。
低所得者向け住宅として発足した公営住宅の在り方を再認識し、滞納が生じる背景と根本的な解消に向け民間に準じた形で、市税滞納問題と同様、より厳しく収納率向上に努めるべきである。
事実、司直の手に委ねた場合、行政が裁判費用、強制執行費用の負担をし、その上、滞納家賃を徴収できないという惨状である。
また、公営住宅における家賃滞納 は、厳しい財政により拍車をかけるものであり、傷口を広げない為にも、公正・適正な回収の実現に向け、3ケ月から半年を越える滞納家賃に対して強制執行も辞さない強い覚悟で臨まれることを強く要望する。
公営住宅の家賃滞納整理につきましては、住宅管理上の最重要課題の一つとして納入指導を強化し、平成12年度以降、収納率につきましては着実に向上しております。
これまでから公営住宅の入居者は、低額所得の住宅困窮者であることを考慮し、滞納が生じた入居者へは、一律に法的措置を採るのではなく、まず納入努力を促す指導に力を入れています。
そして、その結果、多くの滞納者はその指導に応じ、滞納解消に努めているところであります。
したがいまして、市歳入の確保と公営住宅の公平性を図るため、3箇月から半年を越える滞納者につきましても、電話及び臨宅指導などのきめ細かな指導を継続し、滞納家賃の回収に努めるとともに、これらの納入指導に対しても納入努力の見られない悪質な滞納者に対しては、強制執行も辞さない法的措置の対象者としております。
今日までの京都市の防災対策において、消防団の地域災害活動にかける不断の努力は大変大きく、それにかける情熱と多大なる労力に対し、市としてより一層充実した支援と団員の処遇の向上を求めます。
同時に、団員の高齢化は、年々顕著化していることから、広報力を高める等、若手団員の獲得と育成に努めることを要望する。
消防団員の御労苦に応え、安全かつ効率的な活動を支援するため、平成14年度から無線機による通信連絡体制の整備を実施致しましたほか、消防団員の処遇につきましては、平成16年度に出動手当を見直し、支給基準及び支給対象範囲の拡大を図るとともに、国の改正に合わせて退職報償金を充実させたところであり、今後も社会情勢の動向を見据えたうえで、適正化に努めて参りたいと考えております。
若者の消防団員の確保につきましては、ホームページ、ポスター・ビラ、平成16年度に作成した消防団紹介のビデオ・DVDなど各種広報媒体を活用して消防団の意義や活動を広く市民に対してPRを行って参ります。
また、消防団のイメージアップのため、平成15年度に女性消防団員の制服のデザインを一新し、男性消防団員の制服についてもネクタイのデザインを改め、平成17年度には男性消防団員の夏制服のデザインを一新し、消防団のイメージアップを図るなど、引き続き魅力ある消防団づくりを推進して参ります。
16年は、台風被害、新潟中越地震など天災の多い一年であった。
また17年は、奇しくも阪神大震災10周年という節目の年でもある。改めてこれらの教訓を糧に、京都市は改めて災害対策に重点をおいていかねばならない。
政治は人の生命と財産を守ることである。その為には、災害時における2次火災、3次火災の防止や応急処置を含む救急体制、防火活動等、災害に対処する為の市民の意識の改善と知識の向上が大きな鍵を握る。
そのため、それに係る啓蒙と地域住民が主体性をもって、これらの活動に従事できる自主防災組織の育成は必要不可欠であり、更なる育成に努められたい。
阪神・淡路大震災以降、市民の防災意識向上と自主防災組織の活動強化を図るため、活動助成金や救出救護用器材の配備、自主防災リーダーの育成など自主防災組織の指導強化に努めて参りました。
平成12年度からは、本市で開発した「防災カルテ」を活用して住民の皆さんに防災情報を提供し、住民自らの動機に基づいた自主防災体制づくりをしていく「身近な地域の市民防災行動計画づくり」事業を平成15年度から全自主防災部を対象として本格的に推進しております。
また、既に計画が策定された自主防災部についても、防災行動計画を実践していただけるよう、きめ細かな指導や訓練への参加勧奨などにより防災意識の向上と自主防災部の災害対応力を高めて参ります。
稟議、決済をはじめ辞令書に至るまで、原則、電子化を進めるとともに保管媒体としての冊子を全廃させ、データ保管へ移行させること。
事務の効率化と経費削減を進めるために、役所内のペーパーレスを推進し、無駄なコストを削減させるべきである。
そういった観点から、現在取組が進められてる電子化による文書管理システムは大変有効であり、一刻も早い完全実施を要望する。
庁内文書の電子化を進め、ペーパーレス化を促進することは、事務の効率化と経費削減に大きな効果を発揮するものと認識しております。
このため、本市におきましては、「新・高度情報化推進のための京都市行動計画〜e−京都21〜」において、庁内文書の電子化を行政業務情報化の基本方針に位置付けるとともに、同計画のリーディングプロジェクトの一つとして、平成15年度から「文書管理システム」の設計に着手し、平成16年度は詳細設計を行っております。
「文書管理システム」は、これまで紙で行っていた文書事務に電子文書を取り入れ、電子決裁システムを中心として、文書の収受・起案から決裁、供覧、保存、廃棄に至るまでの文書のライフサイクルを一貫して総合的に管理しようとするものであり、これによって事務処理の効率化、意思決定の迅速化、文書管理に要するコストの削減及びペーパーレス化の実現を図ることを目的としたものであります。
平成17年度においては、製造及び単体テストを行い、平成18年度に結合テスト及び職員研修を行ったうえで、平成19年度から運用を開始する予定であります。
平成5年に施行された「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき行われている特定優良賃貸住宅制度であるが、行政のスリム化論議の中で、これらに対し、行政が主体となって今後も制度を維持し続けることの必要性については、議論がなされるべきであり、改廃も含め検討されたい。
特定優良賃貸住宅制度につきましては、平成16年12月末日までに134団地2、784戸を供給し、不足していた中堅ファミリー向けの優良な賃貸住宅の供給に一定の成果を挙げて参りました。
今後は、管理開始が早い団地から空き家が増加している現状を踏まえ、空き家の解消に努めて参ります。
なお、新規団地の供給の予定はありません。
公営住宅の目的は十分に理解できるものであり、これまで市民の住環境の向上に大きな役割を果たしてきたが、今に至っては、今後も市が主体となって莫大な予算を投じ、当事業を続けていくことに疑問を感じるものである。
公営住宅は、生活困窮者に対して直接的な住宅供給という手段を用い助成しているものであるが、それ以外での支援も十分検討できるものであり、運営そのものを外部へ委託するといった手法や住宅そのものを民間に払い下げるといった改廃も含め、早期に検討されたい。
今後の住宅のセーフティネットのあり方に関しては、平成15年9月に社会資本整備審議会住宅宅地分科会で取りまとめられた「建議」や、国土交通省住宅局が平成16年12月に示した「住宅政策改革要綱」等において、「地方の自主性と創意工夫を生かした居住機能の向上」や「社会的弱者の公的住宅への入居円滑化」など、その方向性が示されました。本市におきましても、その方向性を踏まえつつ、今後、本市の住宅政策のあり方、特に住宅のセーフティネットのあり方について検討していきたいと考えております。
なお、運営そのものを外部へ委託する件については、指定管理者制度の導入に向けた検討を行っております。
市営駐車場については更なる経営改善の必要性から人件費の削減と営業収入の増加に向け一部で導入されている料金精算機を全面導入し無人化及び24時間営業を行うことを要望する。
一部の駐車場では夜間に止め放題の状態になっているところもあり経営的側面のみならず公平公正な運用という観点からも合わせて検討されたい。
市営駐車場の管理運営の改善につきましては、実施可能な駐車場につきましては、料金精算機を導入し24時間営業を行い、収入増を図っております。
人件費につきましても、可能な限り、賃金の安価な契約社員や非常勤嘱託を採用し、人件費の削減に努めております。
銀閣寺観光駐車場では、駐車場の敷地内に認定道路があり、御要望の料金精算機を導入しての24時間営業の実施は困難と考えております。
また、嵐山観光駐車場、四条烏丸駐車場及び出町駐車場につきましては、多額の設備投資等の費用に見合うだけの収入が見込めないことから困難と考えております。
道路附属物駐車場である御池駐車場、出町駐車場につきましては、利用実績は相当水準が高いので、今後は委託料の見直し等により、利用単位当たりの経費を減少させ効率化を図って参ります。
山科駅前駐車場の運営につきましては、開業当初から料金精算機を導入し、人員体制についても、最小限を維持することにより、運営経費の節減に努めておりますが、無人化及び24時間営業につきましては、施設の構造上、他の民間商業施設等と一体構造となっており、セキュリティに万全を期す必要性から、その実施については考えておりません。
今後とも、経費の見直し、利用の拡大に努め、効率的な管理運営を図って参ります。
現在、京都市における地域コミュニティーとは、基本的に学区単位に形成さ れ、小学校はふれあいサロンを設置する等、地域と密接に連携を取り運営を行っていることは、学校の生い立ちに始まる歴史を紐解いても大変高い評価ができる。
近年進む核家族化の進行は、教育に大変大きな影響を与える少・青・壮・老の関わりを希薄にし、地域との関わりや郷土愛が希薄になり、ひいては口伝文化の継承にまで影響を及ぼす大きな問題である。
即ち、地域が子供を育てていくというスタンスは、これらに派生する問題の抜本的解決策のひとつであり、その舵取りは、やはり小学校にある。
したがって、現在教育委員会が取り組んでいる「地域との連携」について機能面を中心にますます強化されたい。
本市では、これまでから、学校だよりの地域回覧や全校でのホームページの開設、授業はもとより、遊びや給食、掃除などの様子を保護者や地域の方に公開する自由参観日や参観週間を実施して参りました。
また、伝統文化や郷土史をはじめ、幅広いジャンルの職業や分野において豊富な知識や技能を有する5,000名を超える地域の方々が、ボランティアとして、学校の教育活動において活躍されるなど、力強いサポートいただいております。
とりわけ、平成13年度には、学校評議員制度を全国に先駆けて全校・園で実施するとともに、平成15年度からは、全国のトップを切って、保護者や地域の方による外部評価を含めた学校評価システムを全校・園に導入するなど、両制度を最大限活用し、保護者・地域の方から信頼され、双方向に結ばれた「開かれた学校づくり」を進めております。
こうした中、御所南小学校、高倉小学校、京都御池中学校の3校を「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究校」として指定し、保護者や地域の代表、公募の委員等で構成される「地域学校協議会」のもとで、学校教育活動についての意見や評価をいただくとともに、ボランティアとして教育活動への支援、学校との共同事業の企画・運営を含めた学校運営への積極的な参画など、大きな成果を挙げ、平成16年11月には新たに法制化された「学校運営協議会」を設置する学校に全国に先駆けて指定致しました。
「学校運営協議会制度」の実施にあたっては、学校が地域の特色を生かした設置運営ができるよう、設置の申請、委員の推薦、協議会の下にボランティアとして教育活動への参画と支援を行う企画推進委員の設置などを、校長の裁量とリーダーシップの発揮により行うことができるよう、法の趣旨を生かした本市独自の特色をもつ制度と致しました。
今後、保護者・地域の方々に向けたリーフレットを作成し、学校運営協議会の趣旨を十分に周知することにより、設置に対する機運を高め、指定校を拡大しつつ、市民ぐるみ、地域ぐるみによる「開かれた学校づくり」の推進に努めて参ります。
前項で地域との連携を掲げたが、現在の教育課程は週5日制の導入に伴い、極めてタイトなものとなっている。
そこで、放課後や長期休暇を有効に利用した活動が求められている。
既におやじの会の強化や土曜塾といった取組がなされているが、他の自治体で取組を進めている放課後の居場所作りとして放課後学習を導入し、地域の各種団体を有効に活用し、地域による運営を行える環境整備を行うよう要望する。
それは、教育という側面のみならず、地域のサロン的な役割、児童館としての機能を有し、あくまで市民と協働しながら運営する低コストでかつ大変合理的なシステムであると考える。
地域としての温度差等を考慮に入れ、モデル学区を選定し、モデル実施という形で取組を進められたい。
本市におきましては、土・日曜日を中心とする、学校単位での父親によるサークル活動を奨励し、子どもとのふれあい活動や地域との合同行事等に取り組む「おやじの会」の活動を積極的に支援し、平成15年10月3日には京都「おやじの会」連絡会が発足するなど、地域でのネットワークづくりに向けて大きな役割を果たしており、現在では120を超える小中学校で活動が行われています。
とりわけ平成16年度には、各学校において、食や工作、スポーツ、家庭教育に関する討論会の実施など、創意工夫を凝らしたサークル活動を展開しつつ、インターネットによる「おやじの会」の活動情報の発信、「子どもが見てるぞキャンペーンするなポイ捨て!」啓発ステッカー等を配布する「10.3おやじアクション」の取組など、取組の一層の充実を図っております。
また、平成16年10月からは、土曜日・日曜日・夏休等の学校休業日を中心とし、子どもたちの興味関心や学ぶ意欲を社会全体で受け止め、「まち全体を学びと育ちの場」とするべく、各種地域団体やNPO、ボランティア団体等との連携のもと、芸術、伝統文化、自然体験、野外活動、ボランティア活動などあらゆる学習活動や体験活動の場を提供する「みやこ子ども土曜塾」の取組の充実を図っております。
一方、放課後につきましても、昭和46年から、地域指導者の協力のもと、政令指定都市で唯一、全小学校で「スポーツ教室」を展開して参りました。
平成14年度からは、芸術文化クラブと合わせて充実し、社会体育として実施されてきた「スポーツ教室」を学校教育活動として位置づけ、1、000人を超える地域指導者の積極的な協力の下、「小学校部活動」として実施しております。さらに、児童館におきましても、個別の児童や家庭の問題解決と地域全体が児童に関する課題に目を向け、支えあう環境づくりを進めるため、小学校等をはじめとする地域の関係機関、団体等と情報交換や行事の行動開催、活動の相互支援などの連携を図りながら、児童の健全育成と子育て支援に関する取組を行っており、来館児童が所属感をもって参加できる「居場所」としての機能を発揮し、児童の自主性・社会性・創造性を育むことのできる取組となるよう努めています。
今後とも、土・日曜日、夏休みなどの長期休業期間をはじめ、放課後における子どもたちの活動の場の創出に向けて、地域ぐるみの取組を一層推進して参ります。
市立浴場は、社会情勢の変化に伴い、年々利用者が減少を続け、好転の兆しは見えない。
それは当初の目的がある一定達成されたとする向きも強く、受益者負担比率から見ても、現在京都市が70%を超える負担を続け運営していく必要性が欠如してきている。
また、補完性の原則から見ても、十分民間の公衆浴場で対処していくことが可能であると思われる。
そこで、これらを鑑み、これ以上現状を維持していくことは望ましいとは言えないことから、市立浴場の縮小及び廃止を検討されたい。
市立浴場は、市民の保健衛生の向上を図ることを目的として設置したものであり、改良住宅に浴室が設置されてこなかったことから、日常生活に欠かすことができない施設となっております。
現在、改良住宅の建て替え等により浴室の整備を進めておりますが、その整備は相当長期に及ぶ見通しであります。
したがって、いまだ大部分の改良住宅に浴室が設置されていない状況にあり、市立浴場は必要であると考えておりますが、その在り方につきましては、今後十分に検討をして参ります。
なお、市立浴場の運営につきましては、京都市立浴場運営財団に委託しており、財団では、職員の定年の引下げや嘱託化の推進による人件費の削減、入浴料金の段階的改定など経営改善に努めてきております。
今後とも引き続き経営の改善に取り組み、より一層効率的な運営に努めて参ります。
今後、市民をパートナーとし、行政運営を行う中で、市民に最も近い立場にある区役所の再整備は将来的に見ても重要な課題の一つであり、左京区役所移転問題は、区役所のキャパシティオーバーや保健所等の施設からも離れており、利便性に欠けるとの指摘が以前からされていたが、この度左京区役所の移転計画が日の目を浴びてきたことは地域住民にとっても大変喜ばしいものである。
最も効率的、機能的な区役所を整備する上で住環境が変化する移転予定地周辺住民の不安、利用者の利便性の確保、区役所そのものの機能性等、検討を必要とする課題は多い。一つ一つの課題を解決し、素晴らしい新庁舎建設に向け、地域住民の声によく耳を傾け、十分な整備を行われたい。
左京区総合庁舎は、築後73年を経過し、老朽化、狭あい化が著しいうえ、保健部(保健所)が別庁舎となっているため、総合庁舎の早急な建設が課題となっておりました。
こうした中、日本郵政公社から旧京都簡易保険会館跡地が売却されることとなり、検討を行ったところ、同跡地が、総合庁舎に必要な施設規模を確保できることや整形地であること等から、整備用地として適した用地であると判断し、平成16年10月に同用地を総合庁舎整備用地とすることを決定しました。
今後とも、区民の皆様に親しまれる総合庁舎を目指し、区民の皆様の声を幅広くお聞きしながら、平成21年度以降の着工を目指し、整備基本計画の策定に向けた作業等を進めて参ります。
リブラ北山(下鴨北野ノ神町)の公有地利用については、寄付者の意思を尊重し、目下、社会福祉施設建設に向け、計画を策定中である。当施設は、これからの長寿社会において重要な役割を果たすべきであり、地域からも要望が出されている次の2点を十分配慮し、計画を策定されたい。
現在地域によってボランティアを中心に配食サービスという取組がなされているが、これは、独居老人の自立を支援する側面と定期的に独居老人宅を訪問すると言う「顔の見える地域社会づくり」において大きく貢献している。今後益々取組が必要な分野である。
がしかし、残念なことに、サービスを提供するボランティアはいても、調理を行う場所の不足が大きな課題となっている。特に地元葵学区でも、2つの団体が配食サービスを提供しているが、共に、場所の確保の観点から事業拡大が行えず、ニーズに対応できない現状を抱えている。
そこで、当施設の中に、ボランティア団体が使用できる厨房設備の設置を強く要望する。
現在医療分野では、治療のみならず、予防の重要性を指摘している。特に高齢者福祉に関しても同じことが言われているのは周知のとおりである。
そこで、予防の強化という観点から、温水プールの設置を要望する。水中運動は、健康維持のみならずリハビリに顕著な効果があり、市民の健康という観点から大変有意義なものであると考える。
平成4年12月に寄付を受けた左京区下鴨北野々神町の市有地につきましては、交通至便な北山通に面した本市として得がたい財産であり、寄付者の、健康で安らぎのあるまちづくりを進めてほしいという御意向を生かし、本市福祉施策をより一層推進していくための拠点となる複合施設「北山ふれあいセンター(仮称)」として整備するという基本構想を、平成15年10月に策定しました。
この基本構想においては、児童・高齢者・ひとり親家庭・障害のある方のために多岐にわたる施設を総合的に整備し、合わせて、施設間交流、更には施設利用者と市民との交流を図る機能を備えた複合施設として整備することとしており、 平成17年度におきましては、関係団体や地域住民の皆様等の意見を踏まえながら、整備基本計画を策定し、各施設の必要な機能や規模、配置等を具体的に検討して参りたいと考えております。
なお、配食サービスをはじめ様々な地域福祉活動を行っている地域のボランティアの皆様には、住民同士の支え合いである「共助」に貢献していただいており、完成後の同施設の地元利用のあり方につきましては、今後地域住民の皆様と協議して参ります。
また、温水プールの設置につきましては、市民の健康の保持増進を推進するための拠点施設である京都市健康増進センターに設置しており、温水プールを活用した運動療法をはじめとした健康づくり教室や健康度測定等を実施するほか、介護予防の取組を進めていること等から、新たに温水プールを設置することは考えておりません。
観光客5,000万人構想を掲げる京都市にとって観光振興は大変重要な課題であることはご周知のとおりである。
そこで、京都市は各観光地の整備を重点的に行っているが、中でも世界遺産銀閣寺は、京都の観光客数第3位を誇る京都の重要な観光資源である。
また昨今の入洛客は、寺社仏閣のみなら ず、その周辺も含め京都情緒を堪能したいという感覚が強く、おこしやすプラン21にある「界隈観光」の振興はまさにそれに合致した戦略である。
銀閣寺を中心とするその周辺は、その名にふさわしい周辺整備が行われているとは言い難い。
そこで「界わい観光モデルゾーン」に指定し、電柱の地中化を含め哲学の道から銀閣寺にかけての門前整備を行うことを要望する。
京都市では、「5,000万人観光都市・京都」を実現するために、「京都市観光振興推進計画」の重点戦略である「界わい観光の振興」を推進しております。
京都市には、哲学の道を含め、それぞれの地域に個性溢れる観光施設や観光資源が豊富にあるため、これまでのかけ足で回る観光だけでなく、じっくり歩いて体感できる「界わい」を創出し、多様なニーズに応える観光地づくりを目指しております。
特に、議員御指摘の銀閣寺は、平成15年の入洛観光客へのアンケート調査でも清水寺、嵐山に続いて3位となっており、京都市内でも有数の観光地となっています。
平成16年度中に外国人観光客誘致推進事業の中で、銀閣寺を含めた市バス観光路線の停留所に観光案内図板を設置して参ります。
電線類地中化につきましては、無電柱化推進計画(平成16年度〜20年度)において、景観の保全・再生が望まれる地域として、銀閣寺宇多野線(今出川通)が含まれております。
現在、「無電柱化推進会議」を設置し、整備箇所の客観的な基準づくり等について、幅広い御意見をお伺いしているところであり、事業実施時期についても、御意見をお伺いするなかで、検討して参りたいと考えております。
今後も、多くの観光客の方に訪れていただき、京都の「ほんもの」の良さを堪能していただけるよう、関係局と連携をとり、積極的に観光施策に取り組んで参ります。
年々進行する核家族化や女性の社会進出といった様々な要因から児童館・学童保育所の重要性は、既に理解されているところであ り、大変厳しい予算の中で少しずつながら整備が進んでいることは喜ばしいことである。
下鴨学区からかねてより PTAを中心とした請願が提出されているが、その主たる事由は学区内に学童保育がなく、30分近くかけて高野児童館に学童が通っていること、PTAのアンケートからも多くの潜在需要があり、その傾向は今後益々加速する傾向にあるなどと言ったことである。
そういった経緯を踏まえ、下鴨学区における早期の学童保育の設置を願うものである。
児童館の設置につきましては、平成9年1月に策定しました京都市児童育成計画「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に基づき、健全育成活動と学童クラブ事業を施設的に一元化して実施するという方針のもと、整備目標を120館と定め、「1中学校区1児童館」を基本としつつも、子どもたちの生活圏との関わりや児童数の動向等を総合的に考慮して、必要性の高い地域での整備に向けた取組を進めて参りました。
この結果、現在、市内に101館の児童館を整備するに至っており、市内各地で子ども達の利用に供しております。
さらに、この度策定した新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」におきましては、これまでの取組を踏まえ、整備目標を130館とし、市民の身近な場所での更なる整備を進めることとしております。
下鴨小学校を含む下鴨中学校区には、既に松ヶ崎児童館を設置しておりますが、当該児童館は中学校区の東側に位置しております。
さらに、北山ふれあいセンター(仮称)構想の中で児童館整備を発表しましたが、これも中学校区の北側に位置し、いずれも、下鴨小学校区からの通所に児童の負担があることは課題であると認識しております。
このため、隣接する中学校区ではありますが、高野児童館をご利用していただいており、当面、この児童館も含めた周辺地域の児童館の活用をお願いしたいと考えております。
当該地域での新たな児童館等の設置に当たっては、今後の対象児童の動向や敷地確保の見通し等を考慮し、市域全般の必要性を検討する中で、研究を進めて参りたいと考えております。
現在、全国の自治体病院で表題の問題が検討されているが、現在の京都市立病院の現状は、そういった問題を検討する為の経営分析材料にかけるところがある。
まず診療科ごとの職別損益計算書を至急に作成し、今後の材料にされるよう取り組まれたい。
また、現行の制度では、極言、経営判断を下せる経営者不在の制度といっても過言ではない制度である。
それらを踏まえた上で、慎重に検討せねばならない課題ではあるが、地方公営企業法の全部適用を今後十二分に検討されたい。
京都市立病院は、地方公営企業法における一部適用を受けることから、同法の趣旨により「常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営しなければならない。」とされている中で、自治体病院として、市民の安心・安全を守るために民間の医療機関等では採算面から安定した供給が困難な、感染症医療、救急医療、高度医療等を提供しなければならないと考えております。
公営企業としての効率的かつ安定した経営を維持し、医療を提供していくためにも、診療科別等のコスト分析を行い、的確な経営方針を行っていく必要があると考えており、平成17年度に、この分析を進めていくために必要な「SPDシステム」の導入を行って参ります。
地方公営企業法における全部適用につきましては、京都市医療施設審議会の答申においても、その検討を求められており、その方向性の是非について慎重に検討して参ります。
生活支援路線に係る赤字係数はバス事業会計を圧迫する大きな要因であるが、市民の足を守るという重要な使命を持つ交通局は、ありとあらゆる経費の削減に取り組み、生活支援路線に係る赤字を最小限にとどめなければならない。
特に収支の悪い路線の要因は、輸送人員に対する供給過剰であることは「バス事業を考える会」の報告にも指摘されているとおりである。
他のバス事業者の先例を基に、低コストで適正かつ効率的な輸送を行うよう、小型バスをはじめとした代替手段を用い運行することを要望する。
本市バス事業におきましては、これまで通り、市バスが公共交通として引き続き市民の足という役割を果たしていくためにも、現行のネットワークを維持することを基本とし、路線の空白地帯を生まないことが重要であると認識しております。
その中で、生活支援路線につきましては、平成15年4月に頂いた「京都市交通事業審議会」からの提言において、現在の市バス系統のうち、「企業性を発揮してもなお赤字となる系統」と定義されるものであり、本市が目指す公共交通優先型の交通体系構築の観点から、同提言においてその維持が求められております。
本市では、審議会の提言を京都市のまちづくりと連携しつつ着実に具体化していくため、「京都市交通事業ルネッサンスプラン」による経営健全化の取組と合わせ一元的に推進していくための年次的な行動計画「京都市交通事業アクションプログラム」を平成15年8月に策定し、引き続き、市バス事業の経営健全化に向けて最大限の努力を続けております。
そのような状況の下、本市では、赤字であっても市民生活に欠かせない生活支援路線を維持するため、一般会計から財政支援を行うとともに、路線確保の新たな仕組み作りのため、平成16年8月に学識経験者や民間交通事業者等の委員で構成される「京都のバス事業を考える会」を発足させ、民間バス・タクシー事業者との連携を視野に入れた具体的な方策について検討していただいて参りました。
この度「京都のバス事業を考える会」の中間答申が提出され、生活支援路線確保のための具体策が示されました。この中で提示された小型バス・乗合タクシー代替モデル実証実験につきましては、平成17年7月を目途に実施するとともに、中間答申で提案いただいたその他の確保策についても、着実に実施することによって、将来にわたり市民の足を守って参りたいと考えております。
今後とも、路線の効率化につきましては最大限努めながら、引き続き市バスのネットワークを維持し、身近な市民の足として安心してご利用いただけるよう事業の運営に努め、147万人の京都市民の足を守って参ります。
京都市財政は、財政非常事態宣下において、現在、地下鉄事業に対し新たな事業を展開する余力はもはやなく、ましてやキロ当たり 300億円近い支出を要する事業を行うことは財政再建団体への道標を作るようなものである。
確かに、西伸問題においては、洛西ニュータウン居住者に対し、東西線延伸の約束の下誘致した経緯は理解できる。行政にとって、住民との間における約束不履行との声もあるが、しかし、それは国家戦略として取り組んできた国土計画における全国高速道路網整備の問題と同様、一時凍結を迫られているのが現状である。
今は耐え難きを耐え、財政危機を乗り切ることが最優先すべき課題であることから、将来の京都市にとってより有効な選択を考えたとき、今はこれ以上の赤字を抱える延伸問題は一時凍結すべきであり、大英断をもって決断されるよう要望する。
地下鉄東西線の洛西への延伸につきましては、その大きな第一歩となる二条から天神川までの延伸事業を、国の財政状況が大変厳しい中、平成15年度からは建設費に道路特定財源が充当され、平成19年度中の開通を目指して本格的な土木工事を進めております。
天神川以西への延伸につきましては、近畿地方交通審議会答申第8号の中で、「中長期的に望まれる新たな路線」として位置付けられておりますが、その整備にあたっては、抜本的な支援措置が前提とされております。延伸にあたりましては、導入空間となる道路網の整備状況を考慮するとともに、京都大学桂キャンパスをはじめとする西部地域の発展や、阪急洛西口駅やJR新駅設置に伴う需要動向、今後の社会経済状況の変化を見極めていく必要があります。
また、大変厳しい本市の財政状況のもと、高架による工法など低コストで建設するための整備手法などの検討を行っていくとともに、地下鉄事業の経営健全化対策の進ちょく状況を勘案していく必要があると考えております。
現在、各自治体では、自主財源の確保に東奔西走している。
中でも新財源として広告収入の増加策は自治体が躍起になっている。
交通局は他の部局と比べて広告収入を得る為の豊富な資源がある。
そこで、交通局は他の部局に先駆け、広告収入増加における先兵としての役割をはたすべきである。
特にここ数年の交通局の広告収入の落ち込みは不況というキーワードで収めるには余りに大きく、今後の財源確保強化策の一環として、広告収入に力点を据え、広告収益が上る為のシステム構築と現実的な収益アップのポートフォリオを作成し、 広告収益の改善に取り組むことを強く求める。
同時に、人員の削減強化に伴う余剰人員を適切に当事業に配置し、「職員を守る」「生首を切らない」という観点からも有効に活用されたい。
広告収入につきましては、昨今の経済情勢の中、企業が広告費用を抑制していることから減少傾向が続いてきましたが、最近の経済回復の兆しによる追い風とともに、種々の販売促進策を講じてきた成果が徐々に表れはじめ、平成16年12月現在、平成15年の同期に対して2.4%の微増傾向となっております。
市バス・地下鉄の広告につきましては、例えば平成15年4月1日から市バス・地下鉄の広告需要に見合う料金設定や販売促進施策
などを実施してきたほか、市バスにおけるラッピングバス(平成16年12月現在42両)の取組、地下鉄における駅電照看板の複数セット割引(平成17年度予定)などの販売促進策を実施しております。
これからも広告料収入全体の増収を図るため、広告媒体のポートフォリオ(資産一覧表)の活用や、広告の媒体別需要動向を的確に把握し、需要に見合った運用に努めて参ります。
また、今後とも、民間企業の営業力や企画力を活用するシステムとして、個々の広告代理店による指定取次人制度や指定取次人で組織される京都市交通広告協同組合とも連携し、広告主のニーズ把握や交通広告の現状についての情報収集をはじめ、既存媒体の活性化や新規媒体の開発・研究に積極的に取り組むとともに、このシステムの活用を図って参ります。
なお、広告担当部門の体制については、現行のシステムの活用はもとより、あらゆる機会を通じ、担当職員の知識の向上に努め、得た知識を十分に業務に活かせるよう職員の育成に努めることとし、交通局にとって貴重な収入源である広告収入の確保に努めて参ります。
交通局では現在、国土交通省で決められた50%限度枠一杯まで目標を定め、一刻も早い目標達成に向けて管理者以下不断の決意と日夜たゆまぬ努力をされている事は、桝本行革の牽引的役割を果たしており、これに敬意を表する次第である。
しかしながら、これからの10年は団塊の世代退職の10年であり、まさに行政にとって決断のときと言わざるを得ない。
すなわち、退職者不補充という対策によって職員の削減を行ってきた行政にとって、これを更に急加速度的に推し進めるのに絶好のタイミングである。
ただし、職員削減の問題は、20年、30年先の交通局に対し、大きな影響を与えることから、より慎重に、より早いタイミングで緻密な計算をもって実行しなければならない。
その為には、一刻も早く管理の受委託50%以上という壁を突き抜ける計画を立て、最終的に自前でどれだけの運行をするのかを明確にし、それに向け実行されることを要望する。
本市のバス事業は、少子高齢化の進展等、予測を上回るお客様の大幅な減少傾向に加え、平成14年2月に乗合バス事業の規制緩和が実施されて以降、新規参入が現実のものとなっており、公営交通事業者にとって一層厳しい環境が続いております。
このような大きな時代の変化の中で、本市では「安らぎ」と「華やぎ」に満ちた21世紀の京都を築くうえで、すべてのひとが都市生活の豊かさを享受できるよう、公営交通として将来にわたり147万人の京都市民の足を維持し、市バス・地下鉄ネットワークの積極的な活用を図るため、事業再生計画である「京都市交通事業ルネッサンスプラン」を策定し、その中で、市バス事業の財政を健全化する重要な施策として、「管理の受委託」方式の市バス全車両数の2分の1までの拡大を掲げるとともに、循環系統などの基幹的な系統及び観光系統につきましては、直営で運営していくこととしております。
この2分の1までという制限については、国土交通省からの通達で規定されており、限度である市バス全車両数の2分の1までの拡大に向けて計画を着実に進めて参りたいと考えております。
今日まで走行環境の改善に向け様々な取組が関係官庁及び関係局と共に取組を進めてこられたが、近年のモータリゼーションの進展や運転手のマナー等々を考慮に入れると実質的に功を奏しているものは少なく、その中で最も効果を表しているものがこのPTPS(公共車両優先システム)である。
そこで、PTPSの更なる拡大を京都府警に対し強く要望をされたい。
同時に、当システムは警察庁が推進するITS(高速道路交通システム)の一環であり、警察庁からの補助金を頼りに各都道府県警が整備するものである。
つまり、京都市交通局という一部局から乖離した国家施策であり、ただ単に府警に対し要望するものではなく、当システムの整備に係る費用の一部を負担することも同時に検討されたい。
市バスの走行環境改善につきましては、河原町通等において、毎週金曜日に職員による啓発活動を実施しているほか、関係機関に対してバス専用レーンなど公共交通機関優先の交通規制の拡充、違法駐停車取締の強化などを要望してきました。
その結果、京都駅前の違法駐停車車両の取締の強化が実施されたほか、平成13年4月には烏丸北大路〜西大路四条間(6.5km)で「公共車両優先システム(PTPS)」が運用開始、さらに、平成14年4月には西大路四条〜九条車庫前(5.0km)まで延長され、市バスの走行環境改善に一定の効果が得られております。
また、本市と京都府警察の連携を強化するために京都府警察との会議(市バス連絡会議)を通じ、バス専用レーンの実効強化に向けて協議を行っているところでありますが、所轄署に対しても公共交通優先の交通規制や違法駐車取締の強化等の取組について要望を行っております。
今後とも、市バスの円滑な走行を確保するため、引き続き、警察、道路管理者等との協議を積極的に進めて参りたいと考えております
現在、国土交通省重点施策に挙げられる「バス交通再生プロジェクト」では、都市部の慢性的な渋滞によりバスの走行環境が悪化する中、バスの走行環境改善に向け、バスカメラを利用したバス走行円滑化対策の取組を広島を皮切りに行っている。
これは、バス専用レーン、優先レーンにおいてバスの前方で違法走行、違法駐車している車両に対し、バス先頭に設置しているバスカメラで撮影し、GPSを通して、最終自動車の使用者へ告知するといった試みである。
これは現在の有名無実と化しているバス専用レーン、また優先レーンに対 し、一定の効果が見られるものと考えられる。
そこで実施事例を検証しつつ、京都市においても導入を検討されたい。
市においては、観光シーズンをはじめ、慢性的な交通渋滞などの問題が観光地の魅力の低下を招いたり、市民生活に影響を及ぼしております。
こうした交通問題を解決するため、観光地への自動車交通の抑制や分散化を図るためのパーク&ライドなど、TDM施策(交通需要管理)による交通対策を推進しており、平成15年6月には、今後の施策推進の指針となる「歩くまち・京都交通まちづくりプラン」(京都市TDM施策総合計画)を策定致しました。
市バスをはじめとする路線バスの運行におきましても、これまで市バスの定時性を確保するため、市内主要道路におけるバス専用レーンの設置(昭和49年12月から市内総延長91.2km)や、違法駐車等防止重点区域における違法駐車等防止指導員による啓発活動、府警との連携による違法駐停車車両への啓発活動を行っています。
しかしながら、依然として都心中心部では、バスの定時走行に支障を来していることから、都心部の主要道路における違法駐停車車両への啓発活動などを推進するため、平成15年度から四条通等におけるバスの走行環境改善の取組を実施しております。
市バスなどのバス走行環境を改善するためには、御指摘のようなバスカメラによる抑制も新たな実施メニューとして掲げられており、 カメラの設置などの初期投資を国と地方自治体で、カメラのデータ解析や保守管理などはバス事業者で負担するという枠組みとなっております。
しかしながら、それぞれのランニングコストやメンテナンス費用、年間を通してデータ解析をする人員の確保、カメラの活用方策による専用レーン確保の担保の取り方など、関係機関も含めて検討しなければならない課題も数多くあります。そのため、 施策効果の把握や取組のスキーム、概算費用などについて先行事例などを十分踏まえた検討をする必要があると考えております。
京都は世界に誇る国際観光都市を標榜し、市長の重点政策としても観光客5,000万人構想を打ち立てております。
その京都市における主たる公共交通は京都市を縦横無尽に駆け巡る市バスであるが、この市バスは観光客にとって大変分かり難く、乗車又は乗り換えが極めて複雑で困難であるとの指摘が従前からある。
近年、多言語での市バスのガイドブックの作成配布等の対策を講じているが、現場のバス停にはそういった表記もなく、ひとつのバス停名に対し数箇所のバス停(北行き、南向きなど)が存在し、現場で観光客が対応に困るといった問題が多々ある。
そこで、16年11月に導入された地下鉄の駅ナンバリング表示制度を市バスの各バス停にも拡大し、数字とアルファベットで管理し、同時に各バス停に乗り継ぎ用の地図を添付し、市バスがますます観光客にとって有益な交通手段となるよう、要望する。
バス停は、名称の数で600以上、標識柱の数については方向や、分設する箇所があるので1,500以上となります。
バスは鉄道と違い、複数の通りを方向を変えながら運行をしているため、通り名で管理するとバス停の番号順に運行する事はできず、鉄道の様に各系統の経路で管理すると、1箇所のバス停に複数の番号が必要となるためバス停のナンバリングでの管理は困難であります。
15年度単年度黒字を出した観光バス事業であるが、長年の経緯を見ると、長らく赤字が続いてきた経緯がある。
この度の決算は、抜本的な改革によって強い黒字体質が作られたとは思われず、この黒字が今後も維持し続けられるかは不明である。
また、当事業は公営企業の本旨から乖離した付帯事業的な意味合いが強く、今後圧縮が求められる公営企業において存続させる必要性は考え難い。
そこで、事業の縮小を含め、再度見直しを行い生活支援路線へ還元できるような利益を創出させ恒常的に黒字経営できる体制を構築し存続させるか、事業そのものを廃止させるか、至急に結論を出し、実行に移されたい。
(ただし、経営改善を行う期間及び検討期間は既に終了している。したがって、前者とする場合、抜本的かつ大幅な事業計画の見直しと明確な指針の打ち出しを大前提とされたい。)
定期観光バス事業につきましては、旅客需要に見合った経営改善を進めており、平成13年3月に運行回数を大幅に見直し(12年度実績:2,118回→13年度実績:1,642回)、平成15年3月には、発売額の値下げやグループ割引制度の拡大に努めながら、コースの統廃合や不採算路線の廃止、車両規模の見直し等を行い、経営の効率化を図るなどした結果、現在では在籍車両5両により、1日平均4運行し、年間約3万8千人のお客様をお運びしております(京阪バスとの合計では在籍車両45両、1日平均29運行、年間利用者数約29万8千人)。
平成16年度につきましては、台風の影響等もあり、利用者数は減少しておりますが、定期観光バス事業につきましては京都市の掲げる「5,000万人観光都市・京都」構想の一翼を担っていることから、積極的な事業PR及び魅力的なコース設定に取り組み、集客を図るとともに、コストの削減に努めて参ります。
交通局の庁舎の老朽化は激しく、耐震構造上将来に渡り使用し続けることは、職員の安全を脅かすものであり、交通局の財務状況が収支均衡される年度に向け、17年度より建替基金を創設されたい。
交通局庁舎につきましては、御指摘のとおり耐震性に問題があるなど、老朽化が進んでおり、建替等につきまして適切に対応していく必要があると考えております。
また、建物の建替等に当たりましては、財政に与える影響をより少なくする財源確保の手法を検討して参ります
交通局は、経常利益の向上に向け様々な施策を展開されているが、市民の認知度が低く、広報力の不足が要因と思われる。
最近、現在の広報手段、特に空白の目立つ自局の広報媒体を大いに活用し、広報展開がなされていることは高く評価するが、引き続きこういった広報媒体の活用を継続されたい。
同時に、市長部局に対しても同じことが言えるわけであり、交通局の市長部局に対する営業努力は勿論のこと、市長部局各局でも率先して交通局における広報媒体を有効に利用されることを要望する。
広告収入の増収に向け、販売促進策に取り組んでいますが、それにもかかわらず、なお生じる空白の広告枠については、できる限り種々の広報活動に活用することとしております。
そこで、交通局においては、トラフィカ京カードの乗継割引、市バス通学定期券の均一区間内全線化などの便利でお得な情報の発信や、市バス・地下鉄のイメージアップなどに、車内吊りポスターや市バスの外側看板、地下鉄駅の電照広告看板を活用しております。
また、交通局から市長部局各局に対しては、広告媒体の活用のための営業努力を行っており、市長部局でも「京都市民ニュース」と「京都の魅力シリーズ」から成る市政広報ポスター等を市バス、地下鉄車内に掲出しております。
今後とも、毎日約63万人のお客様に御乗車いただき、注目度の高い市バス・地下鉄の広報媒体を積極的に活用して参ります。
現在、郵政三事業の民営化が中央において大いに議論をされているところであるが、水道事業は国民のライフラインを司る基幹事業において唯一残された「官」の領域である。かつてのような大々的なインフラ整備はほぼ終結を迎えた。先進諸国を見渡せば、既に民営化の嵐が吹き荒れ、多くの先進諸国では水道事業が世界企業によって民営化されている。
また、その流れは日本市場だけが例外ではなく、これらの企業が虎視眈々とこのマーケットに狙いを定めているのが昨今の水道事業を取り巻く環境である。
そう考えた場合、そう遠くない将来迫り来る民営化の問題を最小限に留めるも、独自の水道事業を展開するも、極めて高い競争力と強固な経営基盤を今、磐石にしなければならない。
そこで、それらを視野に入れた上で、中期経営プランを前倒しで達成させ、その後の水道事業をいち早く見据えた計画の策定を強く要望する。
水道事業の民営化につきましては、安全、安心で低廉な水を安定して供給するという水道事業の責務を果たしていくため、今後とも、公としての経営のもとで、経済性と公共性をふまえた事業運営に取り組んで参ります。
水道事業の長期展望につきましては、平成16年度の水道局及び下水道局の統合を契機とした組織のスリム化及び企業改革を図るため、経営基盤の確立を目指し、企業改革の方向性を示す「上下水道事業中期経営プラン」を策定するとともに、その具体的施策として平成16年度から平成20年度の5箇年を計画期間とした「第3期効率化推進計画」を新たに策定、実施しております。
これらにより、大幅な人員削減、物件費節減、建設改良事業費縮減等を柱とする効率化を実施し、経営健全化に取り組んでおり、平成20年度までは現行料金を維持していくよう努めて参ります。
経営力の強化として最も有効なものは、義務的経費の圧縮であり、他の部局同様、今後の人員削減は大変重要な鍵を握る。民間委託を今後推し進める中で、最終的に自主運営を行う部署を明確に打ち出し、最小限の人員で事業を運営していく青写真を至急に作成されたい。
同時に、5年間で70余名の採用を計画されているが、更に厳しく精査し、採用の抑制に努められたい。
上下水道事業につきましては、平成16年度から平成20年度までの5箇年を計画期間とした「第3期効率化推進計画」を策定し、事務事業の大胆な見直しを図ることにより、158名の人員削減を計画、実施し人件費の圧縮を図って参ります。
また、この人員削減については、退職者の不補充により実施いたしますが、今後も永続的に安全、安心で低廉な水を安定して供給し、快適で衛生的な生活を支え、大雨による浸水の被害から生命や財産を守るためには、先達により培われた技術力や経営手法を後世代へ継承していくことが公営企業としての大きな責務であり、豊富な知識や経験を有する職員の退職が今後増加していく中、その引継ぎのために最小限の事務職員、技術職員を新規採用することは、将来的な経営力強化に有効であると考えております。
今後も引き続き公営企業としてお客さまに対する責務を果たしていく上で、効率的な運営体制のありかたを不断に見直しつつ、長期的な観点から必要最小限の採用について継続して実施して参ります
上記の3事業は、他の自治体で既に民間委託を行い、具体的に効果を示している業務である。「官から民へ」というのは既に地方自治を行ううえでの基本的なキーワードであり、これらの業務は必ずしも直接遂行せねばならない業務とは言い難く、全面的に民間に委託できる業務と考え、民間へ委託することを強く要望する。
平成18年、19年にメーター点検業務は一部営業所を外部委託する予定であるが、早期に実現されるとともに、他の営業所でも実現されることを要望する。
また、外部に委託を依頼する場合において も、一部の団体に依頼するのではなく、広く公募をしたうえでプロポーザル形式で入札されるようも併せて要望する。
業務委託につきましては、従前から、メーター点検業務の一部委託化、漏水調査の委託拡大等を着実に実施してきましたが、第3期効率化推進計画においても、メーター点検業務、井水認定業務、疏水維持作業の外部委託化を図っていくこととしております。
また、今後におきましても、事務事業の見直し等により、更なる経営の効率化に取り組みつつ、民間委託すべき個々の業務委託についてその委託方法も含めて検討し、より効率的な事業運営を図っていきたいと考えています。
水道事業は平成2年をピークに年々給水量が減少し、ピーク時と比較して 17%以上ダウンしている。
これは節水意識の向上や膜ろ過システム等の外部要因によるところが大きいが、年々減少する給水収益の補填はいずれ市民の水道料金の値上げによって解消するという向きは少なくない。
平成20年度までの値上げの見合わせとのことであるが、その後の値上げは必至である。したがって、でき得る限り市民の負担増にならないよう更なる経営努力をもって取り組まれたい。
水道料金につきましては、平成16年3月に策定した「上下水道事業中期経営プラン」の中で、
という目標を掲げております。
企業の経済性を発揮することは公営企業においても最も基本的な原則であり、料金をできるだけ低く保つことは最大の市民サービスであります。
そのため、第3期効率化推進計画を着実に実施し、現行水道料金及び下水道使用料を維持して参ります。