村山委員。
それでは、最後の質問をさせていただきます。
ちょっと今日の総括はしっかりと御答弁を頂きたいという風に思っておりますので、答弁は質問の後にまとめて頂けたらという風に思っております。
今議会では景観条例が出て参りまして、様々な議論が行われているところでございますが、正に国家百年の大計と言われるような景観政策、こうして将来に向けてしっかりと景観を守っていくんだという、今まさにやっていかなきゃいけないんだというような強い姿勢を持ってお取り組みいただいていることは大変すばらしいことだという風に思っております。
しかしながら、このような国家百年の大計であればこそ、これまでのように政策転換が幾度とあってはならないわけでございまして、100年先の京都に思いをはせながら、もう少し時間を掛けてしっかりと議会で議論をしていくことが肝要であり、また、それが更に完成度の高いものにつながるんじゃないのかなという風に思うわけであります。
そこで、都市計画の中で景観と二分する大きな課題でございます交通政策をどうするか。これについて本日は少し議論を深めるきっかけになることを切望し、質問したいという風に思います。
過日の委員会質疑に引き続きまして市長(桝本頼兼)とのLRTについての質疑を申し上げます。過日の委員会でも申し上げましたけれども、現在、LRT計画の推進を都市計画局が中心になって進めていただいているわけでございます。
都市計画をするわけでございますからそれでいいわけでございますけども、現在、京都市の交通体系をどうするかといったような問題に直面をしておりますのは、実はこの市長(桝本頼兼)を置いてほかにないわけでございます。
差し詰め京都市を網羅できる交通網は、やはり何を差し置いても市バスということであり、事実、小型バスの導入やジャンボタクシーの導入、こういったような様々な工夫に加えていただきながら、また、生活支援路線の改廃も含めて日々論議を交わし、また、前進をしていただいているところだと思います。
また、具体的にLRTが運営されるということを考えた場合、想定されますのは、交通に対して抱負な知識と具体的な経験をお持ちでございます市長(桝本頼兼)がこの所管をしていくのか、また、新しいLRTのための新部署を設置していくとすれば、いずれにしても必要になってくるのは市長(桝本頼兼)で長いこと培われてきた専門性を持った人員であったり、ノウハウ、こういったことが必要だという議論が後々になって当然出てくると思われます。
そう考えますと、現在、交通政策室に市長(桝本頼兼)から、兼務でございますが、1人部長も行っていただいておりますし、配置をしていただいてはおりますけれども、もっと踏み込んだ形で市長(桝本頼兼)がこの問題に、私はやっぱりコミットをしていかなきゃいかんと、こういう風に考えているわけでございます。
過日、この件について島田管理者の方から御答弁を頂きました。京都市の交通体系を維持し続けていく誇りというようなものが非常に感じられる前向きな答弁を頂いたという風に思っております。
しかしながら、LRTに対する具体的な御意見だったり、市長(桝本頼兼)としてLRTに対してどう取り組んでいくのか、どうすべきなのかというような具体的なお考え、また、考えておられるような取組ということは残念ながらお聞きするところには至りませんでした。
そこで、市長(桝本頼兼)もしっかりと市長(桝本頼兼)として、より明確に主張をしていただきたいなという風に思うわけであります。
実は、私自身、LRTを導入するよりもバス自身をしっかり堅持していくことの方が、運営をしていくことを考えたときに、はるかに効率がいいという可能性があるのではないのかなという風に思うからであります。
今出川線の話が随分と、今日も話が出ておりましたけれども、326億で設置可能だというような話でございますが、新たな財源を手当して、起債をして、またそれを償還して、路線をメンテナンスして、車両基地を造って、ランニングコストを考えてというようなことを考えますと、当然この金額で収まるとは到底思えないわけであります。何よりもそれをよく御理解していただいているのは、多分、市長(桝本頼兼)でないかなという風に思っております。
具体的に、LRTはいいよ、環境負荷が少ないからと、こういう話も随分あるわけでございますけれども、実際、バスも環境に対しては非常に取組を進めておられます。天然ガスのバスを走らせたり、アイドリングストップバスを走らせたり、年々そういった取組は随分と市長(桝本頼兼)自身でされてきていると思うんです。
そこで、新たな財源を確保してまでバスじゃなくてLRTなんだよというところは、そんなに違う風には僕自身は思っていません。事実、今までエムケイバスが市内を走りますよ、セレモニー観光が京都駅から京女へ行きますよと、こういったときに、それは困るということで民間がやられるときに随分と強く主張をしてきたのは僕は市長(桝本頼兼)だと思うんです。
そして、事実、セレモニーは走っていますけど、エムケイは、ほんならやめますということで、随分色々と議論があった中で何とか矛を収めてこられたという経緯があります。これがLRTの問題、中の循環線を例えば最終的に造りますよと言ったときに、じゃ、これを民間がやっていたら市長(桝本頼兼)は指をくわえて見ているんですかということだと僕は思うんです。
それと同じように、しっかりと市長(桝本頼兼)は市長(桝本頼兼)として思っておられることをはっきりおっしゃるべきだという風に僕は強く思うわけであります。
そして、先ほども議論がありましたけども、極め付きは、やはり過日の交通社会実験だという風に思っています。交通政策室長は、この前の実験について、定時運行について効果が見られたと、こういうようなことをおっしゃっておられますけども、LRTを走らせたら定時性が確保できると、こういうようなお話をされたいんだとは思いますが、やはり実際に走っていたのはバスでございますし、先ほど、アルバイトの人を雇って色々とレーンを確保してと、こういう話がありますけれども、逆に言うと、規制をしっかり行えばバスですらきっちりと定時性の確保ができるんだということを僕は示したいい事例だったという風に思っています。
それをできれば、LRTに匹敵するローコスト、ハイバリューな乗り物がバスという形で実現するんじゃないのかなと。逆に言うと、今までPTPSであったり、専用レーンであったり、地道な努力を重ねてきたという話が先ほどありましたけども、正にそうだと思います。
色々とできることをやってこられたと思います。しかし、LRTを導入するというような思い切った定時性の確保に対して、基本的に考え難いものまで含めて進めてこられたことは、今まで私はないと思うんです。
そういう意味で行くと、専用軌道を徹底的に造ればできるんだったら専用軌道を造ればいい。車が専用軌道に入ってくるのやったら規制をして、そこにさくを立てたらいいですし、穴を掘ったらいいですし。逆に言うと、今出川線に終始せんと京都市全体をどうしていくかという交通体系を僕はもう一度市長(桝本頼兼)で今から考えていくべきではないのかなと。逆にそういう意味で、いいきっかけに今回なってきているのじゃないのかなという風に思っております。
そこで、3点質問をさせていただきたいという風に思います。
まず1点目は、桝本市長自身、歩くまち京都の実現を行っていくと。そのために次世代交通の検討をしていかなきゃいけないんだと。これがマニフェストであったかという風に記憶をしておりますけれども、今、随分とLRTの話が先行してきているような感が、報道も含めて感じるわけでございますけれども、飽くまでLRT有りきというわけではなくて、それ以外の次世代交通トータルを含めての検討という部分で、お気持ちはお変わりございませんでしょうか。まずこの点を伺いたいと思います。
LRTについて村山委員の御高説を賜りました。
私は、都市は理想を必要とするという風に存じております。京都がこれまで受け継いできた美しい自然、あるいは京都らしい景観など古き良きものを徹底的に守っていく。これは強い意志で守り伝えていかなければならないという風に思っております。
同時に、京都は先人から受け継いだ新しいものを作り出すDNA、改革のDNAもあるわけであります。これが今の京都を作ってきたと言っても過言ではないわけであります。
そこで、LRTでございますが、よく言われますように環境に優しく、そして、定時性も確保できるということでございますが、これは飽くまでもライト・レール・トランジット、つまり次世代の大量輸送機関であるという共通の理解をしなきゃならんという風に思いますけれども、これは新しい観光資源にもなりますし、世界の大都市の新しい潮流になると思われます。
そこで、私どもは、やはり解決すべき諸課題がたくさんあるわけでございますけれども、憶することなく勇気を持って世界の各国、大都市に負けないように新しいものにも果敢に挑戦していく、そういう攻めの姿勢も大事であるという風に思っておりまして、次世代の大量輸送機関が、やはりある意味では50年後、100年後の京都の、新しいものを作り出したなという歴史的評価が得られるようなものにしていくべく努力しなきゃならんという風に思っております。
なお、LRTにつきましては、運営の主体がどうなるかという風な非常に大きな問題もありまして、交通局は、当然、関心を持っているんですけれども、今直ちに交通局がコミットメントするというのは私は反対であります。
ストレートに言うていただいて非常に気持ちよかったと思います。
ただ、市長が反対だというお話であれば、なかなか話が前に進まないわけでありますけれども、それであればそれであるほど、あるほどと言うたら変ですけども、交通局の中で今できることをもっともっと前進させていただけるようなことをやっぱり考えていただく。
それは逆に言うと、今のLRTの話とは切り離して検討をしていただくべきだと思いますし、バスのポテンシャルは、僕はもっともっと高いものがあろうかという風に思います。
先ほど、市長がおっしゃったように、LRTの魅力というのは私も随分と勉強しましたので自分なりに理解をしているつもりでございますし、京都の新しい観光資源になる可能性も十分あると思います。
しかしながら、全体的な都市交通を考えたときという部分と、そして、今置かれている交通局の現状をどう打破していくのかということを考えますと、私は交通局が長いこと経営改革をしっかりとやっていただいて、その大きな前進に心から敬意を表しておりますし、また、今後に強い期待をしておりますから、逆に言うと、もっと頑張っていただきたい、こういう風に思っておりますので、是非とも、交通局の中で、今まではPTPSとか、在り来りと言うか、現実にすぐに実現可能なものをベースに考えていただいておりましたけども、それを踏み越えて、できることやったら全部やっていこうというような視点に立ち返って、ちょっと考えていただくような箱と言うか、そういうような検討チームみたいなのを作っていただくわけにはいかないものでしょうか。
結論は市長がおっしゃいましたとおりでございますけれども、管理者である私と致しましては、現にバス、地下鉄、とりわけ地下鉄が誠に厳しい財政状況に直面していること、また、二つは、現に毎日、バス、地下鉄に60万人のお客さんが乗っていただいているという現実、それであるならば、例えば今現にバスの専用レーンがございます。
もちろん私どもはキャンペーンとか、パンフレット等で広く市民の皆様、ドライバーの皆様に啓もう、啓発していかなきゃならんわけでございますけれども、現に今ございますバス専用レーンに御協力賜りまして、何とかバスが定時性を発揮致しまして、1人でも多くのお客さんが乗っていただくと。
そのことに頭がいっぱいでございますので、よろしくお願い致したいと思います。
分かりました。結構です。
じゃ、最後に1点だけ、もう一回確認させてください。
LRTの問題は、やっていかなあかん、やっていかなくていいという議論が当然あるし、これからどんどんと僕は議論をしていくきっかけにならなくちゃいけないという風に思っております。
そのうえで、確認をしておきたいのは、今の答弁を聞いておりますと、基本的にはLRTをすべての困難を乗り越えてやっていくんだという市長のお気持ちであるということだけ、ちょっと確認をさせていただいて終わりたいと思います。
次世代の大量輸送機関につきましては、これまでの議論、あるいは様々な市民の皆様の御意見を踏まえながら、なお慎重に検討していく。
そして、でき得るならば他都市に負けないように着手したいなというのが気持ちであります。
以上で付託議案に対する質疑を終わります。理事者の皆さん、大変御苦労様でした。これをもって本日の委員会を散会致します。