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平成18年02月27日
普通予算特別委員会第2分科会(第3回)

村山 祥栄

最後になりましたので、少しまとめてお話をさせていただきたいと思います。

先ほどからずっと議論のございましたゼストについてでございます。私自身がゼストに対して非常に大きな問題を感じておりますのは、今回のお金の問題もございますけれども、やはり、議論がありましたけれども、なかなか商売としてうまく回っていないという所、それは、一番大きな問題は、私が感じますのは、やはりゼスト自身がちゃんとしたブランドイメージを持たずに経営を行っているんじゃないのかなという風に強く感じています。

私も、元々、昔、会社にいたときに、ブランド戦略という企業のことをずっとやっていたので、少しその辺のお話も含めて感じるところが多いわけでございますけれども、やはり、いわゆるテナントを誘致する事業に当たるかと思うんですが、こういった事業は、先ほどからいろんなお話もありましたけれども、しっかりと、どういったターゲットを設定して、具体的にどういったお客さんを呼び込むのかということをきっちりと戦略を立てたうえで進めていかないと非常に困難なのではないかなと。したがって、今回、5億円の新たな活性化予算を割いておられますけれども、それをきちっと組み立てたうえでこれを有効に使っていただかないと、また、元の木あみになるんじゃないのかなと。

例えば藤井大丸さんという会社が京都にございます。こちらは、元々若者層がほとんど取り込めないデパートでありました。経営的にも非常に困難な状況が、今どうなっているかと言いますと、若者ばかりで、若者の中では、やはりあそこに行けば大抵欲しいものがそろうというような状況になっています。これも一つのドラスティックな変化の中で企業が体質改善を図ってターゲットをきっちりと設定していくという所に尽きるんじゃないのかなと。そういった部分で、やはり今、お客様のニーズが多様化して細分化しておりますから、そういったものをしっかりと把握していただけるような形にしていきたいなと思っています。

先ほど繁委員の方からアウトレットというような御意見もございましたが、こういった、私も一つ一つターゲットをきちっと設定して、ここにどういうお客さんを呼び込むのかという、ただの地下鉄を降りた方、市の職員の方だけに利用していただく施設で行きますと、多分いつまでたっても業務改善ができないと思いますので、そこをきっちりと考えていただけたらなと思っています。

私自身が思っていますのは、やはり今、京都で行きますと、老人が集う場所がございません。予防医療という観点からも、どんどんとやっぱりまちにお年寄りの方も出ていただきたいですし、これから団塊の世代の方が高齢化を迎えていく中で、こういった方たちが集まれる場所が、今、全然ないと。こういった部分で、私は、巣鴨のとげぬき地蔵じゃありませんけれども、一つの京都の新しいそういった場所を創設できないものかなと。

これは、今、幸いにしてビジネスの範ちゅうででも、お金を持っていて、お金を今使ってくれる富裕層と言われる方は圧倒的に高齢者が占めているという部分から考えますと、非常にビジネスプランとしては立てやすいものではないのかなと。そのうえで、新たな御池のシンボルロードをどう活性化させていくかという都市計画の観点も含めて、是非とも考えていただきたいなと、私自身、このように思うわけですが、御所見をお聞かせいただければと思います。

都市企画部担当部長(林幹夫)

恐らく会社の方で色々ビジネスモデルを検討されたときには、今先生おっしゃったような観点から、通常と言いますか、そういう戦略を立てて経営を転がしていくということをやられると思います。

ゼストにつきまして、今までもそうでございましたが、なかなか自分でそこまででき得ないというのも一方で事実でございます。

今回、1年掛けてゼストの方が検討致しましたのは、当然、そういうプロの方の力、意見を聴いて、結局、自分らで立てているわけなんですけど、そういう観点でやってきたところでございます。内容的には、当然、何をターゲットにしていくのか、丁度、人口が都心回帰というような状況がございます。この辺りもかなりマンションが建ってきておりますので、そういう足元の人、新たに増えている人、ここをターゲットにしていってはどうかと、こういう考えの中で、一つのターゲットを設定致しまして、戦略と言える所まで高まっているかどうかは、甚だ私も疑問がございますが、一応、組立てをやってきているということでございます。

そのほか、今、ゼストがやろうとしているのは、まず、ほんの部分的な改修の第一歩という所であろうと思います。当然、今回で全部直せるわけではございませんので、今回の改修にはずみを付けて次につなげていきたいと、こういう考え方でございます。

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村山 祥栄

引き続き、よろしくお願いを申し上げたいと思います。この点に関しては、もう皆様からも議論がございましたので、この程度にしたいと思います。

次に、今回の予算の方でLRT、交通社会実験を含めました都心地域の抜本的交通環境改善が、また、重点化枠で1,200万円から3,900万円に増額をされております。私、LRTの議論が委員会の方でも余りなされていなかったこともありまして、少しさせていただきたいなと思っております。

御存じのように、LRT導入に向けて、検討がずっと進んでいるわけでございますけれども、私自身が感じるのは、いまだにこのLRTを導入するかどうか検討しましょうという中で、それに対する検討材料が余りにも少ないような気がしてなりません。具体的に、京都市の20年後、30年後というのは、一体交通体系としてどういった形を培っていくのかということを、マスタープランを読んでもそこまで先の話がしっかりと、だからLRTなんですという所まで、まだ行き着いていないような気がします。そういった意味では、しっかりと交通網を今後どうしていくのかというようなグランドビジョンをしっかりと先に策定いただくことが、まず最初に求められるんじゃないのかなと思っています。

それと同時に、これは一番最初、原点に返る話になろうかと思うんですが、昭和53年にモータリゼーションが進む中で、市電が廃止になったという、その当時の経緯と、元々古都という、本来、車両交通を前提とせずに道路体系を培ってきたこの京都というまちを、やはり再認識していただいて議論を進めていきたいと思っています。

そのうえでお尋ねをしたいんですが、市電廃止当時の道路体系と、今、LRTを導入しようかという議論が進んでいる現在の道路体系にどれだけの違いがあるのか、まずこの点からお尋ねをしたいと思います。

都市企画部担当部長(谷口進)

市電が廃止されました53年当時と現在の道路の体系と言いますか、使われ方ですが、これは皆さんの御案内のことかと思いますが、いわゆる量の問題で、自動車交通量が当時に比べると相当増えております。そういったことから、当時、廃止された状況の中では市電が円滑な運行ができなかったという問題、それから、それによって定時性が確保されないとか、あるいは財政難とか、こういったいろんな要素が絡まって市電が廃止されたという状況でございます。

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村山 祥栄

今おっしゃっていただきました、市電自身の運行が困難になってきている、車の量がどんどんと増えていっている、また、財政が厳しい等々のお話があったかと思うんですが、今の段階で、その問題が解決されていない中で、このLRTを具体的に導入していくときに、また同じような問題にぶつかるんじゃないのかなという風に非常に危ぐをするわけですが、その点はいかがでございましょうか。

都市企画部担当部長(谷口進)

おっしゃるように、道路の状況そのものは、むしろ自動車交通量が増えているということでは大きく変化しておりますが、LRTを導入するという基本的な考え方ですが、これは、いわゆる自動車交通を抑制して公共交通の利便性を高めていこうという、こういう大きな考え方があるわけでして、したがって、今の自動車交通量をこのままにしてLRTを走らすのではなしに、道路の使い方そのものを公共交通優先、あるいは人優先、こういう使い方に変えていこうという、一種の道路の再配分を行おうという、そういう考え方でLRTを導入し、そのことによって現在抱えている様々な交通問題を解決していこうと、こういうことでございます。

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村山 祥栄

ありがとうございます。多分そのとおりなんだと思います。

しかし、道路の再配分を行っていくという中で行きますと、こちらに頂いた、これはTDMの概要版で、こちらがLRTを具体的にどうして導入していくかという話ですが、ここに書いてある中で行きますと、これらのことがしっかりと浸透しにくい環境下にある中で、どこまで浸透できるのかなということと、そう簡単に、今まで車に乗っていた方が、やっぱり便利になっているから電車に乗ろうとかいう風に、そう簡単に、これだけモータリゼーションの波が止まる勢いがない中でそれをやったところで、私は少し、本当に道路の再配分がしっかりとできる状況になるのかなという風に感じざるを得ないわけであります。

そこで、もしそれを更に進めていくという話であれば、例えば、これはもう少し先の話になるかもしれませんけれども、道路のプライシング、要は課金制を導入するであるとか、例えばバンコクなんかは非常に交通渋滞が多い町ですからやっていますけども、基本的には一方通行をどんどんと増やして、公共交通のみが一方通行の所を逆走できるような道路の再配分の仕方であるとか、そういったものも含めて、かなり幅広い観点から、逆に言うと、かなり強引に進めていかないと車というのを抜本的に減らすことはできないような気がするわけですが、その辺、今後どのように展開をされていくのか、御所見を伺いたいと思います。

都市企画部担当部長(谷口進)

今御指摘いただきましたように、現在の社会、自動車の利用が日常生活に深く定着をしておりまして、そういった状況の中で、一方では自動車の抑制をするということに伴う様々な市民的な犠牲があるわけで、そういったことを踏まえて、今後いろんな角度から市民と議論を展開していきたいと。そういう市民との議論を展開していく中で、本当に京都にとっての交通の在り方というのが、どうあるべきかということの合意形成を図っていくということで、特にこれからは、そういったシンポジウムの後を受けまして、市民的議論を積極的に展開していきたいという風に考えております。

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村山 祥栄

これはこれからの課題でございますので、是非ともそういった方向で取り組んでいただきたいと思います。本当に進めていくのであれば、例えば新税を導入してきっちりと乗る人と乗らない人を分けていくとか、そういったことも考えていけば、私自身、LRTも現実のものになっていくんじゃないのかなという風に思っています。

それと同時に、今、私が最大にやっていかなければいけないと思っておりますのは、LRTが導入されることで得られる最大の効果は、やっぱり公共交通の定時性の確保という問題だと思っています。今、バスではそれが全然クリアできていないのでバス離れがどんどんと続いている、観光客も乗っていただけないという問題から行きますと、費用負担の問題も含めて、現在のバス路線の定時制の確保ということを、やっぱりいかに図っていくかということが、お金も掛からないですし、非常にスムーズなものだと思っております。

こういった観点に立ちますと、具体的に道路管理者の責任で、違法駐車とかに対して、できれば厳しく対処をしていただきたいなと、このように思うわけですが、道路管理者として具体的にどれだけのことができるのか、できないのかということも含めて、御検討いただきたいと思います。その御所見を頂きたいと思います。

都市企画部担当部長(谷口進)

交通問題、特に道路にかかわる交通問題を解決するためには、先生御指摘のとおり、一つは道路管理者があります。それからもう一方では交通管理者として警察がございます。更には、実際に道路を運行している交通事業者もあります。そういったことで、少なくとも道路管理者、あるいは交通管理者、こういうものと行政、我々とが一体となって、その地域での特性を踏まえて何が可能かということを地域の方々に問い掛けていきたいと、このように考えております。

主査(せのお直樹)

以上で都市計画局に対する質疑を終わります。理事者の皆さん、御苦労様でした。

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