本日は、本委員会に付託された決算の市長、副市長に対する総括質疑を行います。
本当の最後になりました。
私の方からは4点、質問をさせていただきたいと思います。時間の関係上、答弁はすべての質問の後、まとめていただきたいと思います。
まず環境局、ごみ収集業務について質問を申し上げます。
直営のごみ収集事業を補完する役割として昭和30年代に創設されました民間からパッカー車と運転手をリースするという庸車制度でございますが、当時は運転免許を持つ方が少なかったというような背景から導入されたと聞いておりますが、現在、当時高かったと言われていた車両価格も716万程度、また、運転免許の問題もクリアになっているということを考えますと、正にこの制度は既に時代錯誤な制度になりつつあるのではないかなと、このように思います。まずこの制度に対する御認識をお尋ねしたいと思います。
それから、運転手1名と車両1台を1日6時間リースされていますけれども、この6時間のリースで5万3,780円、1台当たりの年間経費は2,812万円とかなり高額になっております。直営と比べましても、庸車の方が500万も高いと。当然、こういった単価でございますからごみ処理単価はトン当たり2万4,158円。これは地方自治経営学会の調査で出しております民間の全国可燃ごみ収集平均単価と比べますと約3倍、そして、市直営と比べましても2割増しと、かなり高い金額にとどまっております。また、この9年間で10パーセント程度の単価の引下げは行っていただいておりますが、それでもこの金額になってございます。この辺、極めて高額だとはお思いになられないんでしょうか。
また、結局の所、この極めて特殊な制度は廃止して、他都市のように直営と、いわゆる委託の2本立てで進めていけばいいのではないかと、このように思うわけでございますが、廃止するお考えはおありなのかどうか。また、そうでなければ、高額なこの契約単価について、妥当なのかどうか。また、見直す意思があるのかどうか。これをお尋ねしたいと思います。
そして次に、民間委託分についてであります。まず京都市の民間委託の現状整理でございますが、収集車1台当たりの配置人員は、京都市の委託の場合3名、全国平均では2.1名、それから、一人当たりの年間収集量は委託で316トン、全国平均は948トンと。そのうえ、民間委託をする場合、最もコストメリットが出やすい給与格差も、京都市の場合はほとんどないことを考えますと、当然、処理単価は高止まりをしてしまいます。
京都市の場合、トン当たり2万2,628円、これは民間委託の全国平均8,209円の2.7倍と、これまた極めて高額であります。市長は経費削減の徹底を周知するということを進めていただいている一方で、このような実態があることを御存じだったのでしょうか。また、いずれにせよ、この委託料に対する御見解を伺いたいと思います。
また、この契約単価が高止まりをする要因は、10社の業者に独占委託をしていること、また、長年随意契約で行われ、大幅な見直しが行われていないことにあるのではないでしょうか。ちなみに、この9年間での引下げ率はたったの12パーセント、それでもなお、やはりこちらも群を抜いて高い委託料になっております。
そこでお尋ねを致します。契約方法の見直しを行われる意思はあるのかどうか、また、どういった方法でこの高額委託料問題に対処されるのかをお尋ねしたいと思います。
次に、直営方式についてであります。16年度決算でのごみ収集経費の合計は78億円、これが適正な民間並みのコストで行われれば、ざっと23億円、これは過日も申し上げましたが、ずばり約3倍、約55億円の削減額が数字上できることになります。この経費削減対策は是非とも取り組んでいただくべきであり、まず、先ほど申し上げた委託料を適正な数値に移行させると同時に、直営部門の縮小に取り組んでいく必要があります。
そこで、収集は、管理部門のみは残していかなければなりませんが、これは本庁部門からの出向で賄えると致しまして、現在も新たなごみ収集員7名の募集をされておりますが、こちらに関しては現業部門の新規採用はいったん全面的な廃止をするべきではないでしょうか。現状の職員についても、収集運搬部門、50歳代が232名、焼却部門で208名、計440名の退職者不補充や、また宇都宮なんかで行われています現業職の行政職への任用換えなどを参考に、効果的な配置転換、また、勧奨退職、民間への就職あっせん等でざっと260名、計700名程度をこの10年間で削減できると思われますが、いかがでしょう。
ごみを有料化していくという、市民に負担を求めていく、こういったものの前に、環境局自身もしっかりと経営改革を行っていかなければ私はいけないと思うのですが、その辺について、経営改革を行うお考えはあるのかどうか、お尋ねを申し上げたいと思います。
最後に、視点を変えまして、生活保護関連について1点、質問を申し上げます。
生活保護法第78条における不正受給、先ほど頂きました資料で見ますと、昨年実績で年間350件、不正受給ですから、これは当然返還対象になるわけでございますが、頂いた資料を見ておりますと、過年度調整額が2億1,797万のうち、収入額は148万円、1パーセントにも満ちません。現年度分を含めても14パーセントしか返還をされておりません。これはどういうことなんでしょうか。全国に誇る高い市税徴収率から考えますと、やはり生活保護の公平適正な受給と、また、生活保護者に対する市民の正しい理解のために全力で取り組んでいただきたいと思います。この御所見と善後策。
合わせて計4点、もう一度繰り返します。
ごみ収集に関しての庸車に対する御所見と委託料の妥当性、そして、制度の廃止。民間委託の委託料の見直しと契約の在り方。それから経営改革について。そして、生活保護の不正受給に対する徹底した取組。
以上4点、御答弁をお願い申し上げます。
1分を簡単に4点、お答え申し上げます。
まず、庸車についてはいろんな歴史的経過があるわけでございますが、委員御指摘のように、直営よりも500万も高いという現実があるようでございます。そのことを認識致しました。これについては一定見直しの方向で考えたいという風に思います。
それから、民間委託ですが、これも10社との随意契約ということをやっておりますが、他都市では競争入札等に付しているということもあります。しかし、ごみ処理というのは市民生活にとって一日も欠かすことのできない重要な業務でありまして、随意契約をすることは妥当であるという最高裁判例もあります。そういうこともありますので、契約方法、あるいは契約単価、これらについて、今後どうすべきかは検討して参りたいという風に思っております。
それからごみの指定袋制、有料化で市民に痛みを求めるんだから、直営方式の環境局総体の経営改善についても図るべきだと。ごもっともな御指摘だという風に思います。これらについて具体的にどのような見直しができるのかということについて早急な検討に掛かりたいという風に思います。
生活保護の不正受給、あってはならないことが起こっているわけでございますが、これについては、いわゆる受給額全体と、それから返還させているという、かなりかい離があると思うんですが、最大10年間で返してもらうという風な制度でございます。
したがって、調定額と実際の徴収額で見たらどうかという問題がありますが、いずれにしても、不正なことで受給をしておられるんですから、できる限り回収のできるように努力をして参りたいという風に思います。
以上でございます。
以上で付託決算に対する質疑を終了致します。理事者の皆様、御苦労様でした。