京都市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全及び形成に関する条例の改正に当たっての市民意見募集につきまして、報告を聴取することと致します。理事者、報告を願います。畑中建築指導部長、どうぞ。
京都市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全及び形成に関する条例、いわゆる中高層条例の改正に当たっての市民意見募集についてでございます。
それでは、お手元の建設消防委員会資料を御覧ください。中高層条例につきましては、本年3月に対象建築物の拡充に関する市民意見を募集し、市民の皆さんから多くの意見をいただき、5月市会において条例を改正し、劇場、映画館、葬儀場など不特定多数の方が利用する建築物については高さや用途の変更にかかわらず条例の対象とし、6月15日から施行しているところであります。
今回行おうとする市民意見の募集についてでございますが、3月の意見募集におきまして、建築紛争の解決に関する規定を強化するようにとの御意見をいただいたことから、紛争の調整及び調停の制度拡充について検討作業を行い、この度、改正案の概要がまとまりましたので、改めて市民の皆さんの御意見を募集しようとするものでございます。
意見募集の要旨につきましては、お手元にお配りしています白色のリーフレット、A3を折りたたんでおりますけれども、これを御覧ください。これは、京都市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全及び形成に関する条例の更なる充実、調整、調停制度の拡充についてと題しております。
まず、改正のねらいでございますが、中高層条例におきましては、中高層建築物等を建築しようとする事業者に対して、近隣住民への周知義務や配慮義務を設け、建築紛争の予防に努めているところでございます。しかし、紛争が生じ、当事者間での解決が図れないような場合におきましては、市長による調整や学識経験者等で構成する建築紛争調停委員会による調停の制度により紛争の解決に当たることができるとしており、今回、これらの制度を拡充することにより、建築紛争の解決の促進を図ることを改正のねらいとしております。
制度の改正案につきましては大きく3点ございまして、1点目としまして、2の(1)の調停制度の拡充でございます。現行の調停制度は、当事者双方の申出又は同意を必要としていましたが、これに加えて改正案では、当事者の一方からの申出があったとき、市長がその必要を認めた場合に、調停に付すことができることと致します。また、これまで、調停は工事の着手前としていましたが、申立ての内容により、工事着手後であっても調停を申し出ることができることと致します。
2点目としまして、(2)の工事停止、工事延期等の保全措置の勧告制度を創設しようとするものです。この制度は、紛争解決に向けて協議中の案件について、市長又は委員会は、工事が進むことにより調停の実現を阻害すると認めた場合には、期間を定め、工事着手の延期、工事の停止などの措置を勧告することができるようにしようとするものです。
3点目に、2の(3)の公表制度の拡充でございます。現行条例では、建築主が近隣住民への説明に関して虚偽の報告等を行った場合に、その旨を公表するとしていますが、これに加えて、調整、調停への出席等において、正当な理由がなく拒んだ場合や、工事の保全に関する勧告に正当な理由がなく従わなかった場合についても、その旨を公表の対象としようとするものでございます。
以上の改正によりまして、紛争の調整及び調停の制度が更に充実し、建築紛争の解決に向けて、より活用されるものと考えております。意見募集に当たりましては、この冊子を市役所、区役所等の案内窓口に配備するとともに、建築指導部審査課のホームページに掲示することと致します。また、募集期間につきましては、明日、7月22日から8月5日までの15日間と致します。
今後の予定でございますが、9月市会へ改正案を提案し、御審議をいただきまして、可決されましたら、周知期間を設けたうえで11月ごろからの施行を予定しております。
最後に、6月15日から施行しております中高層条例につきまして、お手元にお配りしておりますオレンジ色のリーフレットを作成しましたので、御参照いただきますよう、お願い申し上げます。
以上、中高層条例の改正に関する市民意見の募集について説明申し上げました。
ここで、昨日の市長記者会見で市長から発表がありました葬儀場に関する指導要綱の制定について、併せて御報告申し上げます。この指導要綱は、葬儀場建設に係る住民とのトラブルを防止し、住環境を良好に保つことを目的としたもので、本市独自の指導要綱の作成に向け、現在、作業を進めているところであります。本市では、中高層条例を改正し、葬儀場の建設については、高さや用途変更にかかわらず近隣住民への説明を義務付けたところでございますが、更に指導要綱を制定し、強力な行政指導を講ずることにより、葬儀場問題に対応していくことと致します。
具体的な内容と致しましては、葬儀場を建設する際の事前手続として、1、建築計画着手前に京都市と事前協議を行うこと、2点目、近隣住民等への説明範囲と周知期間を拡大すること、3点目、近隣住民等と十分に協議し、協議事項について協定を締結することなどを義務付け、更に、葬儀場の設置、管理、運営に係る配慮事項として、1点目、住環境、交通環境、景観等との調和に配慮すること、2点目、隣地境界線から葬儀場の外壁までの間に十分な距離を取り、高木で緑化すること、3点目、住環境に配慮した管理、運営を行うことなどを事業者に義務付けることを検討しております。
今後の予定でございますが、現在、指導要綱案を作成しているところであり、8月中の制定を目指しております。
以上、葬儀場に関する指導要綱の制定について説明申し上げました。よろしくお願い致します。
ただ今の報告につきまして、何か質問はございませんでしょうか。
村山委員。
大分議論の方も進んでおりますので、要点だけお話をさせていただきます。
今回の中高層建築物の保全に関する条例の改正と、先ほどからお話にあります葬儀場に関する環境指導要綱、本当に素晴らしい形になりつつあるなという風に、非常に高く評価をさせていただきたいなと思います。
特に、関西の方では全然こういった事例がなくて、この京都からこういったことが発信できるというのは非常に素晴らしいことであり、日ごろからずっと、この葬儀場に関しては、この委員会もはじめ方々でもめにもめておりました問題ですから、少しでも前に進む形であればいいなと、このように思っております。
少し、8月からという話でございましたけれども、先んじて質問をしたいと思いますが、まず最初に、この指導要綱そのものは設置に関する指導要綱なのか、建設に関する指導要綱なのか、どちらなんでしょうか。
新たに建築するだけではなくて、用途変更についても、やはり含めた指導要綱と考えております。
それを聞いて安心しました。
それと後、説明範囲とかというのは、結構これも重要な問題になってくると思うんですが、結構、他都市を見ていましても、都市によってまちまちでございますけれども、どれぐらいで今、お考えいただいているんでしょうか。
委員会資料で御提出させていただきました各都市の説明範囲というのは、マックスでは150メートル、一番少ない所では50メートルという風になっておりますけれども、我々が今考えているのは、100メートルということを考えております。
結構でございます。
そういった形で行きますと、多分、現行で作られている環境指導要綱の中ではかなり厳しい形で施行されることになろうかと思います。したがいまして、私はこれ、ほんまにクレバーな発想だったなと思っているんですけれども、先ほどありました中高層条例の更なる改正が本当に両輪となって、かなり厳しい形で制約を課せることになろうかと思います。
しかしながら、私も、結構、東京の方の設置している団体の行政マンとずっとお話を重ねてきましたけれども、やはり、先ほどからお話にありますように、実効性の担保という所が非常に大きな論点になってくるかと思います。事実、既に環境指導要綱を設置しておられる自治体のお話でいきますと、やっぱりこの実効性の担保というのがしっかりと確保できないというのと、飽くまで要綱である所を越えない限り、やはりこっちからお願いするしかないんですわというようなところで、非常に、やっぱり悩んでおられました。
事実、環境指導要綱が果たしてきた役割というのは非常に大きいものがあると思うんですけれども、ここ近年になって、よく御存じだと思いますけれども、それでもなかなか歯止めが掛からない、もう何年も紛争が起こっているという、指導要綱を持っている自治体でもそういった紛争が全然納まらなくなってきているという現状を踏まえて、とにかく、先ほど大島局長の方も、今打てる手を打っていくということに関して、非常に私も心強いなという限りでございますけれども、更なる条例化も含めた御検討も、今後、お願いをしたいという風に思います。
それから、少しさっき山中委員の方からもあったんですけれども、過日、建築確認の申請が取り消されたというお話がございました。これに関しては、現在、お話でありましたように、チェックすることが全くできないよという形になっておりますけれども、これ、何らかの形でチェックをしていかないと、やっぱりええ加減な業者さんがええ加減なことをされていると、折角民間に出したにもかかわらず、ちゃんとした公正公平な形で建築確認が進まないと思いますので、例えば抜き打ちで、京都市の方からそういったものをチェックしていくようなことは考えていけないのかどうか。
そういうことをすることによって、今のところ、本当に先ほどおっしゃったように、住民側から申請がない限り、どんな図面でどんな中身かというのを京都市は知らんままにずんずんとこういったものが進んでいると。
やはりこれは問題だと思いますから、まだ、国の方の法整備が遅れているという観点ももちろんございますけれども、まず、先ほどお話がありましたように、京都市も、できる所から、これについての取組も進めていただいてはいかがかなという風に要望しておいて終わります。